御社の社長・経営陣にプレゼントしてあげてください!
2009/03/08 16:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:aguni - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、お風呂で本を読むことが多いのですが、この本を読んでから、机において見返して、しまった!と思いました。本の上から水が流れた後があります。濡らしてしまったのか?と思ったのです。
で、よく見てみると、そういう装丁なのだとわかりました。これ、上から泥水を流したようなデザインになっている本なのですね。つまり、上から冷や水を浴びせるような本、というメッセージなのかもしれません。(経営はミズモノ、というメッセージかもしれませんが。
著者の冨山和彦さんは、1960年生まれ。スタンフォード大学で経営学修士(MBA)。元・産業再生機構COO。経営共創基盤代表取締役CEO。小泉&竹中改革の頃にはよくテレビなどにも出ていましたから、ああ、あの人か、という風に、顔を見ると思われるかもしれません。
この本は著者が自身を「経営現場の臨床医」として、「経営医学序説」について語ったものです。何しろ冒頭からして、
「経営や企業統治を担う人の質が劣化しているのではないか」
という、ドキッとする一文から始まります。
この本は2007年の夏の発行ですが、企業が経営危機に瀕したときの対応を見ていますと、まさに今、このときのために書かれた本のように思えてきます。
80年代から経済の構造が変わってきた、女性・若者・学歴のない人間は眠れる資源、トヨタが強いのはずっと再生してきたから、大組織の中間管理職は半分に減らしても業務をこなせる、などなど、誰もが言いにくいことを、経験に基づいてずばずばっと言ってのけます。
こういうことを言うコンサルタントは嫌われるだろうなぁ、そんなことを思いつつ、確かに正しいのです。正論なのです。それはきっと、彼がコンサルタントなのではなく、会社を再生するという事業の経営者だから言えることなのでしょう。やはりお医者さん、という立場がいちばんわかりやすいのでしょうね。
冨山さんが再生を手がけた案件では、将来を有望されていた経営幹部が危機になるとまっさきに逃げ、最後まで頑張ったのは、現場で戦力扱いされていなかった女性のパートさんだった、という話も載っています。お客さんのために、ということで頑張る人は、結局、現場に居た、というお話です。
この本を読んで、耳が痛い、頭を抱えるのは経営者です。しかし、この本を読んで良かった、と思えるのもまた、経営者です。
ちょっと難解な用語なのに説明が足りないところもあるなぁ、ということはいくつかありますが、それでも、そんなことは読み飛ばすだけでOK。今の困難な時代に再生するための経営に対するヒント、たくさんつまった、経営の「家庭の医学」になりうる一冊です。
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ここ数年来、トップマネジメントの人たちの生態というのに関心があるのですが、こういう視点の本はあまりなかったと思って、購入してみた。大変面白く読み進めました。著者の冨山さんの指摘は面白く興味深かったです。特に、彼自身が産業再生機構のCOOとして活動する中で考えたこと、感じたこと、そして実際に成し遂げたことなどを交えながらの論理展開を行っているところが、現実の話として凄く印象深かったです。中でも、「プロとしての意識の持ち方」や、「本当に人を動かして成し遂げるために必要となる覚悟」といったところには、大変共感しました。一度一緒に仕事してみたいと思っちゃいました。
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産業再生機構OBの富山氏の著作です。事業再生にかかわるものとして心意気、心構えをどのように持つかについて参考になります。
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年末年始に読んだ本のなかでは、一番ハラに落ちた本。
MBAを取得したコンサルタントが机上の空論を振り回すのではなく、
自分の会社をつぶしかけた経験と、産業再生機構で手がけた企業再生から
得たご自身の話なだけに、理論的かつ納得感高い。
従来の経営システムの問題点を、
「『カイシャ幕藩体制』における人材登用・育成システムにある。」と
論じてあるところから引き込まれてしまった。
「そこには善も悪もなく、言い換えればインセンティブと性格の
奴隷となる『弱さ』にこそ人間性の本質の一つがある。性悪説
でもなく、性善説でもない、『性弱説』に立って人間を見つめ
たときに、はじめて多くの現象が理解可能となってくる。
(中略)
それを理解し、どう対処すれば『弱さ』を克服して、組織の腐
敗を防げるのか、さわには弱さを強さに転化して、企業体とし
て強い集団と成し得るのかに経営の本質的な課題があるのだ。」
「昔から『組織は戦略に従う』のか、『戦略は組織に従う』のかと
いう論争があるが、あえていえば、組織も戦略もそこで戦ってい
る生身の人間の本性に従うというのが正しいと思う。」
これからもう1回読み直します。
★★★★★
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2008年最初のビジネス書。
30歳になるまでに、
泥臭くお金を稼ぐ環境に、
もう一度身をおこうと改めて決心した。
安定
を求めることは裏切り行為に近い。
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成功の誤謬 経営のリアリズム となるほどと思うところも多々あった
経営層というよりはこれから経営に携わろうとしているものへの教訓的なものか
やはり経験がものをいうな と思った。
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トップが社内政治にのみ類い希なる才能を発揮していた会社にいた経験から、読んでる間中膝を打ち続けましたよ。
経営に携わりたい人は自己を律するための指南書として読んでおいた方が良いかも。経営を学ぶというより経営に携わるときの心構えを学ぶというか。
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基盤の面接対策で一応読んだ。産業再生機構のトップを務めた方なので、非常にリアルに再生の現場が描かれていると思う。ただ、話が大きすぎて経験のない私には理解するが少し難しかった。
以下要旨。
1.経営は全て人に依存する。人の行動は自らのインセンティブと性格に規定されるため、個人・組織・社会の動機付けを同期化させることができないと、組織は機能しない。
2.戦略は解ではなく仮説であり、たえずフィードバックが利く構造をとって、修正を繰り返していかないと意味がない。戦略とは「何をやるか、いかにやるかで」の前提要素として?自らの市場の理解?競争ポジションの理解?基本的な経済構造の理解、という3要素で成り立っている。この3つを認識、把握した上で自社に当てはめ、何をすべきであるか、戦略を立てるべき。このように戦略は、個々の違いを前提として取捨選択して策定していくので、100%はありえない。絶えず実行しながら、修正していくべきな理由もここにある。
3.日本の衰退は、80年代より前の繁栄を支えていたゲマインシャフト(共同体)を守るために、ずるずると既得権益を守ろうとし続けたことによる。西欧のゲゼルシャフト(利害社会)に飛び移るのも不可能で、日本ならではの強み(現場にあるとしている)を生かした、新たな方法を模索すべき。
4.産業再生機構での事例紹介。どのような前提条件を提示してスタートしたか(組織、意思決定プロセス等)
5.日本の資本市場に適した、企業統治のメカニズム(ガバナンス)を構築が必要。日本にはそのプレーヤーも少なく、それを評価する基準も未整備な状態だ。株式の長期保有を前提にしたM&Aを主体にしたガバナンスを提案している。
6.強い経営者と、経営人材の選抜・育成が日本社会を救う鍵になる。事業と財務は一体的、整合的に再生されるべきものであるから、金融や財務の言葉を知らない経営者などもっての外。リーダーは30歳で組織の外に放り出し、這い上がってこれたものに権限を与えてはどうか。
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修羅場って言葉が好きなのと、以前冨山さんの講義を聞いて好感が持てたので読んでみた。
会計の話はちょっととばしました。
どんな人が最後の最後に粘れるかはその時になってみないと分からないらしいです。
ちょっと、そんな状況に憧れてしまうのが平和ばかの証かしら。
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「人はインセンティブと性格の奴隷である」という言葉が印象的でした。
強い現場の重要性を強調しており、実務的な一冊でした。
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今年読んだ本の中では間違いなくNo.1。
数少ない、自分の人生の指針に影響を与えうるレベルの本。
以下、読んでて共感したところ。
・日本の力の源泉は現場力、それも本社に戻るようなことしか考えていない高学歴エリートよりも、必死で目の前の問題に取り組んでいる子会社社員こそが支えてきた
・真のリーダーとなるには、修羅場を潜り抜けて、自分が死ぬような覚悟を持っていないとダメ
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産業再生機構のマネージャーの話。腐りかけている会社は多いんじゃないだろうか。うちだけは大丈夫なんて絶対いえないね。経営者の方、読んでくださいっ。それにしても題名にインパクトがありすぎて「これいいですよ」とは薦められないけど。
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タイトルから手に取りました。実際に読み進めてみると「なるほど」が多く、ついYahoo!と比較してしまいます。Yahoo!はまだ腐ってはいませんが、「転地」が必要なときがまもなく訪れると考えます。そのlife engineになれれば幸甚かな。。
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ゲマインシャフト(共同体):日本。集団でいることが自然。集団への帰属。
ゲゼルシャフト(利害社会):日本の外部から。律令制、資本主義経済、近代法体系。合理で律する体系。
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性善説でも性悪説でもない、『性弱説』。
胸にストンと落ちる言葉だ。
経営の課題とはこの人間の「弱さ」と向き合うことなのだと、この本では語られている。
「弱さ」を「強さ」に転化する会社の体制づくりをできるかで、企業が成長するか否かが
決まるのだという。
確かに、人は『弱い』生き物だと思う。
いや、正確には、『弱い』と解釈することが重要なのかもしれない。
時に他人の『弱さ』、自分の『弱さ』を認めることで思いやりや絆が生まれて、
時に他人の『弱さ』、自分の『弱さ』を忘れることでエゴに走ったり、独善的になったりして。
まずは、『弱さ』を認めること。
前に道を開くためには必要なこと。
そして、認めた上で、何をするか。
ビジネスに限らず生きていく上で重要なテーマですね。