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久しぶりにケータイ小説を読んだ。
どちらかというと、ケータイ小説よりもっとちゃんとした小説や随筆が好きで、流行っぽいのには、少し抵抗があったというか、失礼な話、正直バカにしていた部分はある。
でも、やっぱり読むと読みやすいし、引き込む力は強いと思うし、程よい官能シーンも織り交ぜられているから、流行るのも納得。まあ、もうケータイ小説流行りは、だいぶ前、わたしが小学生の頃からだから、ぼちぼち収まってきているのか、まだ続いているのか。本を読まない世代には1番アプローチしやすいジャンルだとは思うから、これからも続いていくのだろうけど。
多いパターンは、「過去に性的トラウマ」「援助交際」からの「純愛に目覚める」っていう見え透いた感じではあるけど。手を変え品を変えてくれれば、それぞれに面白く読めるものだとは思う。
今までは、書籍は図書館か中古に徹底していたけど、最近は、新品で買う習慣になってきているから、これも、この夏出た本だが、タイムリーに読めた。
そして、やっぱり登場する男性は、女子の心を掴む台詞しか吐かない。少女漫画と原理は同じかなあ、と思う。やっぱり「台詞」っていうのが重要なのかな。
「・・・・・・お前って、本気で俺を悦ばせる言葉を知ってるよな」っていう台詞二回出てくるけど、分かる。言葉による満足感っていうのは、かなり大きなものだし、もしかしたら1番大きなものかも知れない。し、現実にも、なんで、わたしが言って欲しい通りのことをこの人は言ってくれるんだろうなー?ってなることがある。言葉って、やっぱりその人の考え方全てから抽出されて出てくるものだから、通じ合う相手には、最小限の言葉で全てが伝わることがある。そういうコミュニケーションは気持ち良い。
逆に、言葉さえ上手く扱える人がいたら、騙されてしまいそうな怖さはあるけど。
でも、だいたい見抜けるものなのかな?
よくわかんないや。
この小説は、設定が、ありがちな女子高生モノじゃなかったのも、良かった。大人の、政治経済交えた世界が舞台になっていたから、世の中にはこういうことがあるんかー、的な視点でも面白く読めたし、トップメゾンの名称や着ているものの割と細かめな描写も良かった。
でも、ラストは、見え透いたハッピーエンドだから、最後数ページは斜め読みでした。
何度も繰り返し味わえるタイプの書籍ではなく、単純なエンターテイメントというか、分かりやすい感じの本。