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なんにも縛られないで、型にはまらないで何でも書けそうな作家だなぁ、と思った。こういう作家が一番自由そう。知らんが
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以前に同じ著者の『ルート225』を読んだことがある。
タイトルが秀逸。中身も◎。大いに興をそそられた。
つづきのお話が読みたいものだと思った。
私にとっては、二冊目となる藤野千夜。
作品中に書名だけ登場する小説がある。
『悲しみよこんにちわ』
『美しい部屋はからっぽ』
内容には触れていない。
ふくらみを持たせずに、そっと置かれている。
二作品とも、妙に心に留まるフレーズの題である。
悲しみとからっぽが、こんにちわと美しいに結び付く。
空は青く、伸びをして息を大きく吸って吐いて、さあ、やるぞ!という気持ちのいいイメージが湧いてくる。
明るい。藤野千夜の筆致は明るい。
根っこの部分が明快なのだろう。
千の夜
あっけらかんと
越えていく
明日晴れるか
恋の休日
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表題作含む二編が収録されている中編集。どちらも状況としては悲惨なのだけど、その悲惨さが全く強調せずに書かれているからこそじわじわと切なさや悲しみを感じる。
特に印象的だったのは「秘密の熱帯魚」。「病んでるなあ」「誰が?」「みんな」というやりとりがあったように、確かにみんなどこか病んだ部分を持っていて、完璧なものなどないのだと思わされる。時折挟まれるミサキとトモナリの会話がとても切なく、ミサキは確かに彼を好きだったのだと思うと涙が出た。この作品は何度も読み直したいと思う。