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みんなのレビュー20件

みんなの評価3.9

評価内訳

  • 星 5 (4件)
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  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
20 件中 1 件~ 15 件を表示

面白いけど肉付けしすぎ

2002/03/05 02:33

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:奥原 朝之 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 船戸与一の南米三部作の第一作目。船戸与一が好きな方にはお勧めできるが、万人受けではないような気がする。

 船戸与一の初期の作品には主要人物の背景または行動原理が最後の十数ページで明かされるというのが多い。本書もそうである。そういう書き方に異を唱えるつもりはないが、私は『砂のクロニクル』や『蝦夷地別件』から船戸与一に入っていったので、多少そこに違和感を感じる。

 話の展開は確かに面白い。そこは著者の筆力だろうが、主要人物の背景の書き方にもまだ他の展開の仕方があったのではないかと思う。そこが万人受けしないだろうと思った理由である。

 おそらくブラジルでの社会背景を盛り込みたいという著者の思いがそうさせたのだろうが、本書では余分に感じた。

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南米の日本人策士の目論見はいかに

2001/03/23 13:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:がんりょ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 船戸与一といえば,きな臭い外国での怪しげな日本人の物語.本作も期待を裏切らない.

 南米のとある町,2つのファミリが常に小競り合いを続けている.語り手の日本人はそんな町で両家の緩衝地帯となっている酒場のマスタ.このマスタも怪しいが,主人公の「山猫」は日本人の癖に裏の世界で名が通っているという男.この男が町にやってきたことで,町がとんでもないことに…。

 策士「山猫」が町を混乱させていく過程が面白く,ぐんぐん読み進められる.最終的に誰が笑うのか,結末はここではかけないが,ちょっと物足りなかったかな.

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「正史」から抹殺された「叛史」を描く傑作!

2002/03/20 00:26

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:杉江松恋 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ブラジル東北部のエクルウは、アンドラーデ家とビーステルフェルト家によって封建的に統治される町だ。その町に現れた“山猫”こと弓削一徳。熱帯の暑さにも関わらず、黒のタキシードを一分の隙もなく着こなす謎の男だ。町に流れる不協和音を高め、血の雨を降らせんとする山猫の狙いは何か? そして、その正体は? ある事件をきっかけに、町は崩壊への途を辿り始める。
 「正史」から抹殺された「叛史」を描くというテーマは、「山猫の夏」に始まる南米3部作によって明確になった。また、本書はダシール・ハメット「赤い収穫」(ハヤカワ文庫)の物語構造を借景として用いる小説でもある。ハメットは小説から感傷の入りこむ余地を一切排除したが、それは船戸が小説世界を構築するときに目指したことでもあった。彼のハメットへの傾倒は、「闇の中から来た女」(集英社)を自身で翻訳したことからもうかがい知れる。

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2004/11/24 19:49

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2004/12/22 20:51

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2006/01/23 18:00

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