この本も、思いがけない「贈り物」でした。
2007/04/15 20:29
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る
困ったことに、読み始めてすぐから、涙が出て仕方がありませんでした。
段落の一つ一つ、文の一つ一つが、すとんと胸に落ちる上質な悟りのようなものを含んでいて、しかもそれが重さを感じさせず、しみこむようにこちらがわに入ってきます。
最愛の子供にかけがえのない「贈り物」を残して命を終えていく母親たち。それを受けとめることによって、命のありかたを見据えて自分の生き方を決め、家族を、そして新しい命を支えるる力を得ていく娘たち。
何もかも失って疲れてしまった男も、欠落した家庭によってゆがめられてしまった男も、流れるように伝えられる「贈り物」のやわらかな力で、それぞれの命のありかたを再生していく……。
癒されることも教えられることも全く期待せず、映画の予告篇をちらりと見ただけで、ふと興味を引かれて読んだ本でしたが……思いもかけない深い出会いでした。帰りたくなる場を醸成するかのような文体の独特の雰囲気にも、非常に心引かれました。忘れられない一冊になりそうです。
【愛というよりむしろ掘りごたつの郷愁】
2007/03/14 23:13
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:rem - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこにでも必ずひとりはいそうな、小学生たちがちょっとの恐れと好奇心と強がりで、噂をしながら目を輝かせそうな、怪しげな「アルゼンチンババア」これをタイトルにしてしまうこと自体すごい・・・。
まさか映画化されるとは思っても見なかった。鈴木京香さんじゃ美しすぎるのではないかい?と思ってしまうが。
母が死んでからは空気の抜けた風船のようになってしまった父親がいなくなった。不思議に思っていると「アルゼンチンババア」のところにいるという。よりによって、なんで?
そこから始まる、不思議で当たり前な世界。
私が感じたのは郷愁かな。
今はもうない、小さい頃に隠れた掘りごたつ。
ちょっとほこりっぽくて、赤くて、あったかくて
ずっといると息苦しさを感じるんだけど、一度顔を出してから
もう一度もぐる。
そんな日常を思い出した1冊。
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やっぱり、昔の吉本ばなな時代のが好きだな〜。と思うのに本屋さんで見つけるとつい買ってしまう。それは、よしもとばななの小説には必ず心にひっかかる一文が見つかるから。
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相変わらずなんとなく生きてく力をもらえるなあ ばななさんの本。生と死が入れ替わりに起こるのが当たり前で、幸せな感じさえする。強いて言えば奈良美智の挿絵は文の最期じゃなくて間に入れてほしかった。ハードカバーはちゃうんかな
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幸せっていうのは人それぞれなんだなーとつくづく思った。大事にするものも人それぞれ。現実離れしたこの小説が描く世界にも奇妙な幸せが見え隠れする。現実感がないあちらの世界に足を踏み入れて覗いてみたい。
でも、あまりこの本は吉本ばななワールドに引き込まれることなく読み終わってしまいました。
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これを読んだあとイルカを見たとき、なんだかアルゼンチンババアを思い出してせつなくなってしまった。。とてもすてきなお話です。
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タイタニックでもセカチューでもうるっともこなかった私が
始めから最後まで涙も鼻水もこらえるのが大変だった。
強烈につきささる内容ではなく、なんとなく淡いイメージがいつまでもいつまでも残るような読後感だった。
たくさんの人に読んでもらいたい。
そしてたくさんの人にほんのりあたたかくなってもらいたい。
そう思える作品でした。
映画が楽しみです。
鈴木京香の「ババア」ぶりも含めて。
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「デッドエンド」と並んで、本当にうつくしい話だと思います。
この域に達したばななさんは、これからどんな話を書き続けていくのでしょうか。わくわくします。
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タイトルに心奪われ購入。こんなことあり得ないんだけど、でも相変わらず心に染み入ってくるばななさんの本でした。やはり読んだ後に丁寧に生きないとって反省しちゃいました。
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本屋さんで立ち読みして、これは!!っと思って購入。ばななさんの少し変わってるけど、愛らしい家族の光景に、心がふんわりとなります。
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たんたんと主人公の日常が描かれているんだけど、傍目から見たらかなり特殊です。それを素直に受け入れて、素敵だねって笑える主人公が好きです。幸せなんだけど切ない、よしもとばなならしいかわいい小説でした。
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とても短い物語だった。得たものは、なんとなくのほんわりとした気持ちと、読んだことの達成感。気持ちをもらうのが本なんだとすれば、しっかりとそれをしてくれた物語。
奈良さんの絵が巻末に入っていたのだが、すこしイメージと違った。表紙だけでよかったかなと個人的には思う。
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確か映画館でこれ観た気がする。
そんで鈴木京香が綺麗で違和感だった覚え。
原作のババアはほんとにきったいないババアのイメージ。
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タイトルは、個性的でビックリ。
内容はやさしくてほんわか。
読み終わった後に読んで良かったと思えるお話です。
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アルゼンチンババアが頭の中に想像できた。きっと優しくてあったかくてでも寂しかったんだろうな。大切な人を失ったとき人はこーなるのかな。アルゼンチンババアに会いたくなった。んでミルクティーを入れてほしい。すごく読みやすい本。こんな生活もありだよなぁ、一生恋したいたいって思える本。