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恥ずかしながら、セルジオ・デメロ氏のことをこの本で初めて知った。
その優れたリーダーであるセルジオの下で交渉を学んだ島田氏のこれまでの数々の取組を紹介する一冊。
交渉に臨むとき、情報は徹底的に調べるが、それは出さずに、紛争当事者が自らその合意にたどり着いたと思わせることが重要であることや、What(何が欲しいのか)ではなく、Why(なぜそういう主張をするのか)に焦点を当てないと話が整わないといったことは自分の仕事のやり方としても大いに参考になる。
後半の温暖化交渉、生物多様性条約名古屋会議での生々しいやり取りは、当時議論の流れを追っかけていた一人として、とっても興味深かった。
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国際紛争や環境問題などの交渉ごとにあたってる人のエピソード集敵な。普通に面白かったが、特にかの松本ドラゴン大臣との話は… 真面目に読んでもちと打算的だし手の内明かしすぎではと思わなくもないけど結構読み入る。自己顕示欲が強くてはいけないと何度も触れられていたが、この本を読む限りこの人は強そう。
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国際ネゴシエーターというなかなか普段耳にしない仕事をされている方のエピソード。紛争解決のための交渉や環境問題のための国際会議などで活躍されている。環境問題に関して自分も興味がありNGOの立場から問題に取り組んでいるがやっぱりそのNGOでの思惑とかが入った視点となってしまう。そのあたりにもコメントがあり自分がふだんから悩んでいることに対しての解決の糸口になるのではないかと感じた。
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「国際ネゴシエーター」、日本人でもこんな人がいるのかと驚き。そもそもネゴシエーターとは何なのか、国際会議などの場でのネゴシエーターの活躍、日本の交渉団が、意外に上手くやっていることを説く。ここに登場するいくつかの交渉テクニックは仕事でも、活かせると思うし、それっぽいことをしていたりもする。
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交渉のプロが自身の経験を通して、失敗談を交えながら交渉の成功方法を伝授してくれる1冊。
最初から完璧な提案資料を出してはいけない。や、
双方の折り合いのちょうど良い所を分かっていても、まずは互いに意見を言わせる。など、平和的交渉に向けてのアドバイスが盛りだくさん。
著者は国際交渉のプロなので、扱う案件も大きく、責任重大な交渉を沢山してきた人だけれど、交渉って家族とか夫婦の間の小さな世界にも起こることだよな~と思いました。
相手がちゃんと納得した上で、自分の提案をいかに多く通すことができるか。
ただの言い合いで終わることなく、後から不平不満が出ることもない平和な交渉術を少しでも身につけられたらいいな~と思いました。
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チームの代表として社内折衝や事前交渉が必要とされる機会が増え、交渉力を身につけたいと思っていた時に出会った本。正に交渉のプロが自分の経験を記した一冊。
印象的だったのは次の2点。
•初めから100%の回答は示さない
•大事なのは、相手に「自分が参加した、一緒に作り上げた」と当事者意識=sense of ownershipを持たせること
これって仕事だけじゃなく、あらゆる人間関係において大切なこと。
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国際会議の時に時々聞こえてくる「事務方」とはどういう存在か。
マスコミでは語られない交渉の裏側で動く「調停人」から見た合意の現場を垣間見せてくれる。
泥沼の民族紛争の国で独裁者と渡り合うコソボでの停戦調停、環境をテーマに各国の利害がぶつかる名古屋議定書など、筆者の実体験を取り上げ、ニュースで報じられる会議や採択の部分は交渉全体のごく一部であって、現場では各国の調停人が文言一個の世界で奔走しながら合意の設計図を作り上げている姿が語られる。
「双方が納得した合意でなければ『長続き』しない」の一文が、どれだけ緻密に作り上げてた合意も、「なんとか長続きさせる」ことしかできず、永遠に続くものでも、「勝った負けた」でスッキリ解決するものでもないという、人間同士の交渉の「リアルの重さ」を感じさせる。
新書のコンパクトさを感じさせない、ガッツリとした読み応えがある1冊。
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本書は、国連紛争調停官・日本政府交渉官を務めた筆者が、国際交渉の舞台裏を紹介するもの。そこで重要なのは、場にとけ込み、相手と心を通わせ、そのためにも相手のこと・自分のことをよく知ること、これらは普段の仕事や人付き合いにも当てはまる本質だと感じました。
それにしても本書で紹介される交渉のプロ達の生き様には熱く感動します。文章も流れるように一気に読めて、オススメです。
【ポイント】
・”交渉においては「勝つこと」を目標にしてはいけない”-一緒に結果を出したという達成感を共有する
・”プロフェッショナルはためらわずに頭を下げる”-「ごめんなさい」と「教えてください」
・”リーダーシップとは「任せきる勇気」”-悪い報告ほど積極的に、何かあれば責任を取る
・”あえてスキをつくる交渉術”-最初から完璧な案を提案しない
・”センス・オブ・オーナ-シップ”-参加している、自分の考えも反映されているという感覚を持たせる
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”国際ネゴシエーター”なる謎の職業についている島田久仁彦氏の半生を振り返りつつ、国際交渉官の職業内容・そこに伴う責任感や緊張感を詳しく解説している。
傭兵みたいな生きかたもいいかもなぁ
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国際調停官という存在がなぜ必要なのか。またはそのスキルがなぜ必要なのかということを理解しなければ意味がない。
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交渉において勝つことを目的にしてはいけない。
まずはこいつとは話ができると思ってもらわなくてはいけない。だから自分は相手と同じ目線に立っているということを態度で示す。
インビジブルに動き、最もビジブルな結果を出す。
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国際紛争や 環境交渉に国際ネゴシエーターとして関わる著者の軌跡を活写するもの。大変、興味深く、参考になります。交渉のあり方のヒントも満載。
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交渉では「勝つ」ことを目標にしてはいけない。
メディエーターは、訳せば「調停官」である。
ごめんなさい、お願いします、と言えるように。
エレベーター・プレゼンと、A41枚に主張をまとめるすきる。
リーダーシップとは任せること。相手に、センス・オブ・オーナーシップをもたせること。
まず聞くこと。そしておうむ返しすること。しかしこのオウム返しの際に徐々に自分の意見を加えつつ返していくことで、じぶんの主張を導きやすくする。
相手がワーグナーが好きならワーグナーの勉強をしてからいく。
なにが問題ですか、だけじゃなくて、なぜ受け入れてくれないのですか、など本音を引き出す質問をすること。
最初からパーフェクトな提案をしない。
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国の交渉代理人の世界というのは、一般社会の交渉術への適用はちょっと難しいかな?という気はした。読み物としては面白いけど。
国の利害と個人の利害とでは次元が違いすぎるというか。国家の交渉はテーブルについている段階で交渉をまとめようという意思はあるわけで、あとは妥協点の探り合いになるが、個人間の交渉はお互いに譲らない事も多いから。
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初めて電子書籍として購入して読了。
これを今後どう活かすか。
◯自分がヘマをしたと思ったときには 、その場で心から謝る
◯アドバイスが欲しいときには躊躇なく 、 「ぜひ教えてください 、お願いします 」と言える
◯よその国に行ったら 、つねにいつかその国と交渉する必要があるかもしれないと思って 、理解しようと努めるべきだ
◯「ただし 、失敗したかもしれないという報告は 、ほかの誰かから聞かされる前に 、お前の口から聞きたい 。お前が何かやらかしたときには 、俺が責任をとる 」
◯実際に私が失敗を報告しても 、セルジオは怒りませんでした 。
◯仕事をした本人を人前でも評価する 。
◯ニコニコしていると人は集まり 、不機嫌な顔をしていると人は遠ざかっていく 。
◯じつは最初に 、私がいかにもいい加減そうに引いた線も 、最終合意の境界線と大して違わないように引いておく
◯「なぜ ? 」という問いを繰り返して相手の意向を引き出しなさい
◯「相手も我慢しているんだから半分ずつで我慢しなさい 」と言わずに 、 「なぜ三分の二が欲しいの ? 」と聞く
◯「私も国を代表して言いたいことはあるが 、ファシリテ ータ ーの任を負っているから 、この点はあえて我慢をして呑み込もう 。なので 、あなたもそこは理解してくれ 」
◯複数のイシュ ーがある場合 、合意できるものから合意する 。