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2倍楽しめる
2018/05/02 14:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
初見の作家さんです。
随分ベテランの作家さんのようですが、これまで全然存じ上げていませんでした。
私は浮世絵が好きなのでタイトルに惹かれて手に取り、さらに装丁もちょっと面白いと思って見てみるとカバーデザインはなんと横尾忠則さんでした。
理由はよくわからないのですが、とても読みやすい作品でした。北斎のことに関して結構細やかに書かれているのですが、一読してすぐに頭に入ってきましたし、北斎の謎と現在の殺人事件という二つの大きな主題も常に整理された感じで読んでいて楽しかったです。
推理小説として殺人事件の方の謎は少し弱いというか、予想されやすいかもしれませんが、北斎の生涯を解き明かす方は大変興味深くその部分だけでも十分に読み応えがあった作品でした。
初出が1986年というからもう30年前に出版された作品なのですが、推理小説として今読んでも陳腐になってしまったようなところもなくとても面白く最後まで読めました。
北斎は隠密だった?!
2011/12/12 10:29
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『写楽殺人事件』に続く浮世絵三部作第二弾。
『写楽殺人事件』で大変な目に遭い、
一応の主役をあった津田が本書でも主役となっている。
『写楽殺人事件』での一連の騒動が原因で
大学での研究職を失いった津田は、
郷里の盛岡に戻り私立中学校で教師をしていた。
その津田のもとに、美術雑誌『現代美術』を通じて
画商・執印摩衣子から連絡が入る。
亡き義兄・国府が提唱した「北斎隠密説」を追いかけてみないかと。
久々に心躍る研究の申し出に、津田は戸惑いながらも承諾する。
そしてまた事件は起る…。
葛飾北斎。
江戸時代を代表する浮世絵師のひとり。
誰でもその名前くらいは聞いたことがあるのではないだろうか。
作品では特に『冨嶽三十六景 凱風快晴(通称:赤富士)』が有名で、
こちらも教科書などで見かけてことのあるひとも多いだろう。
北斎の生涯については、
『写楽殺人事件』で追究されたとは異なり、
残されている「情報」は多い。
しかしその「情報」を突き詰めて考えると
次から次へと疑問が出てくる。
改号30回。
転居93回。
作品数3万点以上。
しかも日本諸国を回っての風景画を多々残している。
なぜにこんなにも北斎は名前を、居所を、
変えたのだろうか。
或いは変える必要があったのだろうか。
という疑問から、津田の亡き義兄・国府は「北斎隠密説」を提唱した。
その説を突き詰めるため、津田は国府がやらんとしたことを追いかけ、
そこに自身の考察と検証を加えていく。
と、その過程でまた殺人事件が起こる。
殺人事件の真相はちょっと哀しかった。
それと対比するように、
津田が追いかける北斎隠密説は熱く、
どきどきする。
加えて、高橋作品の他のシリーズにおいて主役を担う
塔馬双太郎が登場したこともうれしかった。
北斎隠密説が研究の世界で実際に取り上げられているか、
その真偽はわからない。
だけれども、「読み物」としてはとても興味深く
興奮する説であった。
好きです。
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