ひとが楽器になる
2015/08/29 11:54
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投稿者:kamakama - この投稿者のレビュー一覧を見る
長崎五島列島の合唱部を舞台にした青春小説。
男嫌いの女の子とぼっち上級者の男の子が主人公。
男の子と女の子が対立したり、告白があったり、
まさに「青春」って感じです。
合唱への表現がわかりやすく、
合唱に対する考え方が変わりました。
映画化もされているようで、そちらも気になります。
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投稿者:空庭 - この投稿者のレビュー一覧を見る
五島列島の中学生がNコンに挑む群像劇。捻った展開が無く、真っ直ぐな青春小説として楽しむことが出来た。捉え様によってはベタな話に思えるが、それでもぐんぐん読めてしまうのは、作者の圧倒的な筆力だろう。最後の一文まで、”ちゃんと面白い小説”に仕上げる表現は、人気作家としての高い技量を感じさせる。(読書メーターより)
長崎県五島列島の豊かな自然を背景に
2022/10/01 14:29
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
合唱コンクールの練習に打ち込む、中学生たちの姿が爽やかです。都会から流れてきた臨時教師の柏木ユリが、生徒たちと少しずつ距離感を縮めていく様子も心温まります。
映画よりいいかも
2018/08/30 11:36
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投稿者:hontoの椿麗之介 - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画は新垣さんをはじめ若手の俳優さんがみんな魅力的で素晴らしい作品になっていました。ただよりドラマチックにするためか原作とはかなり設定が違っていて,その分小説のほうが自然な感じがします。両方とも楽しめる作品です。
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織りなすエピソードのひとつひとつが輝いていて、自分にはなかった美しい思春期の思い出に締め付けられるような気持ちになった。
現実にはあり得ないほどの純粋な物語なのかもしれない。そう知りつつも素直に受け入れ、ひとときの感動や共感に浸る…それが正しい読み方なのだろう。
それでも私は、きらめくような美しい心を持つ少年少女がこの日本のどこかにいることを信じたままで成長してしまった。
私もそんな時代を過ごしたかった…という後悔と自省に苛まれながらも、私は美しい魂の存在を信じたい。
長年音楽には専門的にも関わってきたので、多くの楽器(合唱では、声)が共鳴し合う一瞬、すべてが溶け合って、ひとつの音になる時の陶酔こそが、演奏者の喜びで目的なのだということを、体で経験して知っているので、県大会の彼らのステージは、本当に一つになれたのだろうと思って、なんだかニヤニヤしてしまった。
客席で聴いていたら私も涙を流したかもしれないなあ。爽やかに読了。
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五島列島の中学校の合唱部を舞台にした物語。コンクール出場に向けての練習、女子と男子の諍い、15年後の自分へ送る手紙、それぞれの想い。実に真っ直ぐな青春小説でした。
自閉症の兄をもち「ぼっち」でいようとする少年、病気の母と自分を捨てた父親の影響で男性不信に陥っている少女、自らを「ニート」と称する女性教師、表裏のありそうな清楚な少女。いかにもこの作者らしい人物が並んでいます。そしてどの人物の心境も胸に迫ります。でも、いつもほど尖っていないんですね。それはコミュニティから外れた人物を描くことが目的でないからでしょうか。みんなそれぞれ色々な想いを胸に秘め、それぞれ違った「自分」を生きている。そんな「みんな」が合唱を通じて「ひとつ」になる様が素敵です。
また少年視点のパートと少女視点のパートが交互に示されるのですが、あまり接点のないふたりなんですね。なので、それぞれのパートにもう片方の主人公はちらりとしか出てきません。それがラスト一体となる。この構成の妙も素敵です。そこに至る伏線の張り方などは、この作者ならではの味わいでしょう。
泣けるというよりは自然に背筋が伸びる、そんな読後感でした。
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面白かったー!!
青春小説の王道ながらも、ひとりひとりの登場人物丁寧に描かれています。もう二度と戻らない一瞬が丁寧に切り取られ、読んでいてすごーく懐かしい気持ちになりました。登場人物たちが話す方言も、歌の標準語とは違った暗い響きや優しい響きがあり、その切ないような、あったかいような雰囲気がとても好みでした。
特に印象的なのはNコンが終わり、サトルの家族とコトミやナズナが会うシーン。最後に3人で歌い始めるシーンは、現実ではあり得ないけれど、歌のすばらしさが詰まったワンシーンです。
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白オツ(←これで分かる人はわかる!)よりも更に爽やかな作品。最後の泣かせ方の巧さは一級品。だからこの作者のファンはやめられません。
実はアンジェラアキの歌はどれもイマイチ好きになれなかったんだけど、この小説の底を流れるツールとしての役割を経ると、『手紙』も悪くないなと思えてきた。これも作者の巧さのおかげだろう。
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おもしろかったー。
飛行での移動中にさらっと読める本が欲しくて空港で手に入れたこの小説。とても読みやすくて、登場人物はそれぞれ個性的で青春していて気持ちいいし、最後はしっかり感動できるし、とても良かった。
他に何を書いてる作者なのだろうと思ったら、乙一の別名義とのこと。どうりで。
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五島列島の、とある中学校の合唱部が舞台。
まるで五島に住んでたかのような生活の描写が素敵。
読みやすくて、どんどん続きが読みたくなる物語だった。
Nコンのシーンは泣けた。
すがすがしい青春!
別名義の乙一さんの作品は読んだことないから、早く挑戦してみたいな。
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今回の中田永一はずいぶんと抑え気味だ。
NHKの合唱コンクールを目指す長崎は五島列島に生きる中学生たちの青春群像劇だ。
田舎の中学生が家族の問題に悩み、恋をし、部活に青春を捧げる姿が美しい。
過去の作品である「百瀬、こっちを向いて」「吉祥寺の朝日奈くん」の両方があまりに胸キュンでしかもトリックの切れ味が鋭かったため、今回も少し期待していた。トリックは今回は控えめで、至極真っ当な青春ストーリーになっていた。著者の素直な物語は初めてに近かったので、少しだけ戸惑った。というか、いつ来るか?と身構えながら読んでいた。
クライマックスのNHK合唱コンクールの長崎大会での本番シーンの緊張感はなかなかのものだ。彼らの順番が近づくたびに、私の鼓動も高まる。中学・高校時代は、部活もクラブ活動もなにもしていなかった私は、もう取り戻すことの出来ない遠い日への憧れを募らせる。
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長崎は五島列島の中学校の合唱部を舞台にしたストーリー。課題曲となった「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」が中核となっていいるのですが、その中で本作主人公の一人、桑原サトルの壮絶に孤独な告白に胸を打たれます。
後半、彼の(十五年後の自分への)手紙の内容が明らかになりますが、その場面が一番胸を打たれました。齢十五の彼が、ただ兄のために生きる目的で生を受け、それを受け入れ、この世にあるはずの悦びすべてをあきらめているその思考に… コミュ障という一言で片付けられない問題に、それを胸の内に秘め、周囲に流されながらも一瞬一瞬懸命に対応しようとする彼の姿に自分が重なり、とても引き込まれたように思います。
そしてひとりぼっちだったはずの彼が、エピローグで「ひとりじゃなかったけん」と語る場面で、ホントにマジ泣きしそうになってしまいました。それに続く周囲を巻き込んでの合唱、そしてもう一人の主人公、ナズナのトラウマが解消される?ような場面も、個人的にグッときました。
映画化されるというミーハーな気持ちで手に取った本作でしたが、思いのほかすばらしい作品で驚きました。中田永一氏という聞き慣れない新人作家の作品…と思いきや、実はあの乙一氏の別名義作品と知って、再度驚かされました。と同時に、それならこのクオリティも納得してしまいましたが。
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産休に入った合唱部の顧問の代打として
赴任してきた美人教師の下、
合唱コンクールを目指す中学生たちのお話。
作中での課題曲であるアンジェラ・アキの
「手紙」がいい味を出している。
作中の節々に合唱部員たちが10年後の
自分に書いた手紙の内容が綴られ、
合唱コンクールまでの部員たちの思惑が
見て取れるのが面白い。
桑原サトルのキャラが素敵。
さらに長谷川コトミが絡むと益々楽しい。
ホラーっぽい短編だけじゃなく、
こんな青春臭いのも書けるんですね、
乙い…もといこの作者は。
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五島列島のとある島の中学校の合唱部の物語。
それまでは女子生徒だけの部活だったのだが、
顧問の産休の代わりにやってきた美人先生につられて
男子生徒も入部することになって・・・
元からの合唱部員で、ある事情により男性嫌いなナズナ。
そして、発達障害の兄を持ち、自身も「ぼっち」な桑原。
このふたりを中心に合唱部員たちの青春を描く。
合唱を通して成長していく生徒たちの方に重点を置かれて
描かれているので、合唱そのものに興味がある人には物足りないかも。
それでも青春モノとしてはかなり素敵な一冊です。
そして、、、最後の最後、そうきますか!
途中までに散りばめた伏線をどうやって回収するんだろうなと
残りページが僅かになっていくにつれて心配だったんだけど、
素晴らしい締めだったなー。
いやー、読んで良かった一冊です。確実に。
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合唱団に入っていた小学校のころ、中学校のクラス対抗合唱なんかを思い出した。合唱には、みんなの声と心が一つになって、本当に心地よい瞬間がある。
拝啓 15の君へ を本を読んでいる最中に、何回も聞き直した。