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なんと『ジュブナイル連作』と称しているが童心に帰る意か
ドレミファソラシド レミ ソラミ Doh,Re,Mi,Fa,Sol,La,Si,Doh,Remi,Solami
【ロマンス】
駅で、それぞれ楽器を持った「レミ」という男の子と「ソラミ」という女の子(両方小学校中学年ぐらい)が出会って、「明日は練習をサボって」と相談がまとまり、翌日、都会が「楽音」に満ちていることを発見し“天使の通過”を経験する。…10年後、レミはピアニストになるが講師の口は断り体験した“数秒”に匹敵する創造ができないかと模索中、歩いていた交差点でソラミと再会した「フツーの大学生やってるよ、フツーの大学で…」
天 堕つるとも 我 惑わず、Even if the heavens fall,I never confused,
【SF】
『昭和88年』、全地球規模の気象変動で日本は不況のどころか、「どん底」、「新規就業率2.01%(昭和87年度)」「解散と総辞職を繰り返す『代表者』の不在」。権力基盤が弱く無定見の中央政府に、
『ミカド銀行』に押し寄せるデモ隊と警備する警察線。
突如、デモ隊の一人が「何にも食ってねー」と切腹してタテに切り開いて躰が空っぽなのを見せる!見ていたものも幻想か現かわからない妄想に駆られて異常行動…
「このご時世だ。大概の人間の目は悪夢…………怖い幻覚を見るようになってんのさ」
(あとの頁の新聞記事には「先ごろ破綻したミカド銀行に預金者が殺到…警官の誤射等で20人死傷」とある。物々交換経済までは落ちていないらしい。日銀行員への食料の特配の搬入を阻止しようとでもいうのか?)
「ヒトの関心事を脳内に具現する」電波を発するクルクルパーマシンを持つテロリスト組織の二人組が仕向けたことだった。
運転手は包帯で電波を防いでいるが「兄貴、電動こけし持った女の子がいたぜ」
「そんなものいるはずないじゃないか。包帯がずれているぞ」(運転手は知恵遅れらしくあまり信用されていない)
元は任侠組織らしき集団が自衛とともに農業をして自給自足コミューンを目指している。子供が多いのが目を引く。
女の子は実在でそこから市街に探索に行って帰ってきた。12歳ぐらいで子供最年長らしい(電動こけしはただの玩具と思って拾ってきた)。「おみやげあるよー」お菓子を見つけたらしい。
高倉健に似たお兄さんが農業(ビニールハウス)を指導しつつ
「天堕つるとも どっこい図太く生き抜いてやろうじゃねえか 俺達ァ」と格好好く言う…
装甲車を作り警戒活動をしている
虚空に向かって 唾を吐く I just spit toward space
『昭和88年』の後編
2013年だから、裕仁天皇は113歳ということになる。並行世界で開発された長寿化が社会混乱の根本原因かもしれない。
恐ろしいことだが、二人組を引き寄せたのはコミューンの「親分」のチャット会話だった。
クルクルパーマシンが作動されるが、コミューン各人には「楽しい幻想」しか発生しないようで暴力沙汰はなかった。ことに「由美子ホ~/戻ってきてくれたんだね 2倍の大きさになって戻ってきてくれたんだね」と上方を仰ぎ抱きつくような仕草をする男は大女好きか?ほほえましい。
「(親分)昭和が終わるくれェまでと思ったがいい加減もうなァ だいたいのことァ飽きちまってさ/あとは若ェのにまかしたィ」百歳以上になってのニヒルか?
知恵遅れの運転手男は少女を畑の中、追いかけまわす
少女(名は「真珠」)「ギブミーチョコレート」
すべてはチョコレートのように甘い幻想か?
想像力をimage - nation というではないか、国家も幻想ではないのか?クルクルパーマシンが見せる「心の中」が平和で満たされるように
BITTER SWEET,BITTER SNOW.
【SF】日本列島に氷河期が到来したらしい
旧市街に探検に出かけた少年たちは
雪だるまに出会う
「しょうがないなあ」
救助のヘリコプターに見えるように、照明弾が打ち上げられた…
宇宙パンダは歌わない! Mr.Spece Panda doesn't sing!
【ファンタジー】
「アタシのこと、どう思うか言えよ!」三つ目めに宇宙パンダに迫った少女は“It's your turn”と突然英語で言われる/
大自在 Giant Speed
「自動車発射装置」並みにバカげた、「超音速の壁を超える飛行機」を私的に達成することに執念を燃やす男のストーリー。
恍惚 Rapture
④thema〈メンタ―は指導するが命令はしない&勝負は不公平で理不尽なもの〉
ヨシコの担任の女教師は、ヨシコがオトナすぎるのが気に入らない。
「委員長、行事連絡があるさかい あとで職員室来たってや」…「行事連絡てのは嘘や」
(喫茶店に連れ込む)「だいたい想像はつくでェ」「アタシが同級生古井戸に突き飛ばして死なせたゆう話やろ」「ゴローとは最近会うてへんです ひとつ下やし(中学校に上がった)」「でも先生 アタシのことなら心配いらんで」「事故やゆうのも所詮言い訳やしィ ゴローやゴローの家族に謝って済むことじゃないゆうのもわかっとる」「今は何もできひんけど大人ンなったら働いて少しでも…」もうええよ、自分、この話ンなったら急に大人ンなりよったな
教師はゴローの秘匿所から中型置時計を持ち出してきた。ゴローを秘密基地から連れ出してヨシコと対面させる。
「ゴロー君 いきなりやけど ヨシコと勝負しいや」「ゴローが このあいだ持ってたコレな ここだけの話な」「どかあんッ爆弾やねん(トラウマがいつか爆発するのを象徴か?)」…「ヨシコと勝負、チャンバラで。…負けたらこれは没収や」
「あんな ヨシコは剣道習とるがな」「関係あらへん 男やろ…損得勘定抜きで勝負せなアカン時があんねん」
「ヨシコがもし負けたらな…ちょっとの間自由にしたろか アイツがガンコに唱えとる因果をふくんで生きたるゆうのちょっとの間ハズしてやんねん」
「オバハン無茶苦茶やがな」
決闘がはじまるが、たちまちヨシコがゴローの後頭部を痛打するが
「まだ決まっとらんよ 審判のアタシがええゆうまでつづけ」「でもゴローが 防具も何もつけてへんで」
…「ぜんぜん きいてへんで」「こたえてへんで」
(さすが漫画だ。日が暮れるまで決闘は続き、教師は居眠りしてしまう)
「(いびき)がああッ」「判定どないすんね」「ゴローがまいったゆえばええねん」「言うか どアホ」「(寝言)カズヒコ~」「カズヒコゆうとるで」「わかるわ~ 切ない恋の話やねん」「何のこっちゃ」