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恥ずかしながら元総裁かと思って購読しましたが、全然違いました、、、ただ内容は初心者にも分かるよう平易な言葉で丁寧なもの。
総裁に必要な資質はオーラと言われると、結局どこの世界でも同じなのね、とならざるを得ないが。
普通に考えれば日銀が経済政策の失点全ての責を負っている訳でない。著者は共同責任と言っているけれども、基本的には政府がその主責を負っており、その中の組織として日銀にも責があるというのが本当の姿だろう。
そういう意味でアベノミクスの3本の矢に金融政策が組み込まれた今の姿はあるべき形だろう、つまりは1本成功しただけでは十分ではない。
やはり政治こそその責任者であり、その政治を選ぶのは国民という民主主義の基本に立ち返る訳です、結局。
しかし「黒田バズーカ」って、、、今の政策が本当に正しいものかは10年後になってみないと分からんですな。
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タイトルで読みたいと思った内容と、微妙に違ったけれど、著者がとてもニュートラルな感覚の人なので、読んでいて不快もなく面白かった。
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日銀に10数年勤務後、いまは外資系金融機関でエコノミストとして活躍する著者による、組織としての日銀論。特に、日銀の独立性について論じられている。
【納得感のあった指摘】
・新日銀法施行後の15年間では、法の精神に反して、むしろ(政府と日銀との)共同責任体制の素地が強固となってきている。
・総裁、副総裁の同時交代の問題点:同一政府が任命するため、政策観が近いものが選出される可能性が高い。
・三重野総裁がバブル潰しに拘った最大の理由は、格差社会への抵抗。
【あまり納得できなかった指摘】
・インフレ目標の設定は、国会での審議を尽くす必要があるような重要な政策案件。
・数年もすれば、インフレ目標を3%かそれ以上が望ましいということになるのではないか。
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日銀の目的
・銀行券の発行
・通貨、金融の調整
・金融機関の間の資金決算手段の提供と決済システムの運営
・信用秩序の維持
日銀の視点がそれぞれの地域経済の決済、金融システムの安定性にとって極めて重要な存在。
エリートコースが固定化されていて、それ以外の人のモチベーションがない、最悪な組織ではないか?
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政権交代前の円高に一部起因する不況。その原因を日銀単独犯とする世論に一石投じたいという趣旨の著書。日銀とは、どういう歴史を持つどのような機関か。私が元総裁と間違えて、この本を買ってしまったのは、内緒である。
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元日銀職員による、日銀についての本。日銀とはどういうものかを、日銀の基本的業務から歴代総裁の業績など、勤務中に感じたことを交えて述べている。守秘義務から、なかなか実態は明かせないのだろうが、形式的事項が多く、もう少し表からは見えない実態を知りたかったのと、個人的な見解を超えた学術的な考察がほしかった。
「再就職・転職という観点から見た場合、個性の強さが足かせになるケースもあるようです。個性の強さは適応性の低さと裏腹になっている面があるため、一般企業への再就職が必ずしもスムーズに行くわけではないからでしょう」p37
「松方正義が創設した日銀の生い立ちは、非常に簡単に言ってしまえば、「インフレの終息を目的にした金融機関」であったといえそうであり、その意味において、日銀はまさにインフレ・ファイターである、と考えるのが妥当なのかもしれません」p106
「日銀総裁に求められている能力は、国民に訴える力、説得力、指導力であり、金融政策や経済の現状を平易に解説する能力ではないと考えられます」p118