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小田桐の腹の中で成長する雨香が、しだいに「鬼」の本性をあらわしていきます。一方あさとは、あいかわらずの態度で小田桐の心を揺さぶり続けます。
他方、雄介は「紅い女」との最後の戦いに向けて、唐繰舞姫に協力を執りつけ、さらに一時は戦いの舞台から手を引くという決断をおこなった水無瀬家も、白雪の小田桐に対する想いを変えることはできず、ふたたび助力を申し出ることになります。こうして小田桐たちは手筈を整えて「紅い女」との戦いにそなえますが、そんな彼らの思いとは裏腹に、繭墨はすべてを終わらせるための決断をくだすことを心に決めていました。
展開としては分かりやすいのですが、これまでのところ、「狐」の事件の結末と少しかぶっているような印象もあります。もっとも、愚直なほど自分の生き方を変えようとしない主人公らしいとも言えそうですが。とまれ、最終巻でどのような結末が描かれることになるのか、見届けることにしたいと思います。