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今更説明の必要もいらないと思いますが、トマス・モアさんの「僕の考えたいい国」ってな内容です。
実際にユートピア国に行ってきたラファエルさんが、モアさんに語るという体で書かれています。
今のイメージで「ユートピア」というと、エデンの園か桃源郷かといった、餓えも苦しみもパンツもないような場所ってイメージですが、実際、本書を読んでみると、そんなこともないんですな。
奴隷もいれば、死刑制度もある社会。
ただ、(モアが考える)理想的に社会設計・運営がされているために、諍いや貪欲とは無縁な国なわけです。
時代背景や歴史的な文脈の中での位置づけなど、全然わかってないので、例によって「ふ~ん」と表層をなめただけでおわっちゃたんですが…
これで、筆者をトマス・マンと間違えることはなくなったと思います、はい。
本文から作者の理想主義者像が伺えますが、解説を読むと事実清廉潔白な正義感だったようですね。
真摯なカトリック教徒で、大法官であったときに、ヘンリー八世の離婚に反対して、最終的には死刑になってしまうですね。
いわれてみれば世界史で勉強したなぁ…
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ちょっと難しくなったガリバー旅行記という感じだろうか。どこにも無い架空の「ユートピア」国の風土を通して、理想の国家のあり方と現実への風刺を表現している。そこでは合理的な考え方とキリスト教的敬虔さを持った国民による、共産制国家の営みが描かれる。「ユートピア」が共産主義国家を表す言葉として使われてきのは、この書が元であったということか。しかしこの国家にはどこか息苦しさを感じてしまう。国家の規定からはみ出してしまった人間は死刑か奴隷となってしまう。卑しい職務は全てこの奴隷が請け負うことによってこの国家は成立しているのだ。こうした裏の面も、現実の共産主義国家の運命をも見通したものだったのだろうか。トマス=モアが表現したかった真意はなんだったのか、当時のヨーロッパ社会を深く理解しなければ分からないだろう。しかしこの物語は時代を超えた寓意としての価値がある。第一部の官僚批判などは、そのまま現代社会にも通用する人間観察と洞察に基づいている。
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なんか想像してた理想郷とは随分かけ離れた国だった。
平等だけど、自由は無い。
全員が全員"性善説"な人たちばっかりだったら、このユートピアはさぞかしユートピアだろうと思う。
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500年も昔でも現代と変わらぬような疑問を世の中に持ったトマス・モアが作り出した架空の理想郷ユートピア。簡単に言えば共産主義国の完成系のような感じかな。ある点ではすごくシンプルで住みやすいだろうし、快適に暮らすという意味でも素晴らしいかもしれない。しかし、私自身としてはものすごく退屈な国なんじゃないかと感じた。
「ユートピア」=「どこにも無い」というのはまさにですね。
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この本の存在をしったのは今から十年以上前。
中学生の時にEver After という映画の中で登場した。
以来十年間。気になり続けた結果やっと読むことができた。
Utopia
理想的な国
そこでは、誰もが平等に、過不足なく、無駄なく、つつましく暮らしている。
争いもない。
500年以上前に書かれたユートピア。
500年たった今でも、どこにも理想郷なんて存在しない。
500年以上前に書かれたのに、
私たちは何も変わっていない気がする。
そんなことを思った。
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理想郷的な意味合いで使われる「ユートピア」の語源となったのが1516年(!)に出版された同著。本書で示されるその世界観は、奴隷制や相互監視を基本とする社会というのもあり、決して今の時代からは理想的なものと言えるわけではない。
ただ、そういったポイントはもはや5世紀以上も過去に書かれたこの本に対する指摘としては十分ではないかも。何よりも、文芸復興と宗教改革の時代の狭間で、司法官と宗教者としての葛藤に苦しみながら、遂には王に死罪にされた著者、トマス・モアがこの時代に何を思い、限界を感じつつも懸命に理想を託そうとしたその意思に、自分は何よりも興味がある。誰もが希望を持てずに打ちひしがれて、理想を描けなくなってしまった今日だからこそ。
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理想郷の代名詞のように言われるユートピアだが、実際に読んでみると、何だか無味乾燥というか、禁欲的な堅苦しい世界のようだ。おそらく、モアの生きた時代のイギリスにおける多くの人、特に、本書の最初の方に出てくるが、エンクロージャーによって生計の途を失った農民などの悲惨な境遇という現実の前では、ユートピアは理想郷であるのだろうし、現代の日本人が心から共感することは難しいのかもしれない。それでも、あの時代にあって、キリスト教を相対化して、その布教上の問題をやんわりと批判していたりして、時代に先駆けた思想の持ち主の著作として、現代でもなお読みつがれる意義も感じられた。
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ガリバー旅行記と同時期に購入。
世界史でおなじみトマス・モアのユートピア。
ぶっちゃけ面白くはない。
ただ、ヨーロッパ成長過渡期の人々が、良い国家を作ろう、文明を作ろうと奮闘したことを思うとロマンを感じる。
最後のラファエルおしゃべり氏の「もう黙ろうと思う」に、複雑な気持ちになる。
おもしろくはなかったけど、たぶん偉大と思われる功績に敬意を表し星いつつ。
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幸福な社会に関する名著
不幸の起源が理解できる
人を、社会を「全体幸福」につなげる方法がこの本
美しい内容
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ユートピア トマスモア 岩波新書
トマスモアの矛盾は神を一人として信じていながらも
自然と言う多様性にも心をゆだねている事に気付いていない所にあるようだ
このユートピアに書き込まれている彼の理想的なこの世の天国の秩序が
法と言う外力による規制と自律による自己管理による調和の
どちらにも徹底しきれずに淀んでしまっているのも
この自己矛盾によって起こっているのだと思う
彼は道徳をもって活きることに活路をみいだしながらも
だからこそあらゆる場における法に従えと説く
富や希少価値に依存することを徹底的に嫌いながら
納得を度外視して神とその法律に従おうとする
この二面性に対してその通りだと同意したいのだけれど
その反面法の持つ軸が未来にずれている事を認めざるをえないし
その歪みの魅力を信じたいが故に
人間が苦しむことから抜け出せずにいるのだと言う事実を葬るわけにいかない
今現在を中心とする自由自在な道徳性を理解して
心からすべての個性の存在を納得していない限り
共生社会の妙味に気付くことはできないだろう
変化を「にぶる事と」とらえるかと思えば
自然の流れを大切にしたいとも考えている
本物と偽物を語りながらその本物が本物だと言う由緒を追究していない
健康こそ快楽そのバロメーターだと信じていることにも同意したいけれど
その健康は心身両面におけるものなのかどうか計り知れない
一神教故の一つの答えに統一することを好む者たちにとっての理想の国は
一律な平等観に落ち着くようだ
彼らはその与えられた規律の中に自由があると思っているらしい
更に神としもべに当たる上下関係から逃れられないための矛盾を抱え
その矛盾をギリシャと同じように奴隷に押し付けることで取り除こうとする
全員が分業した中で同じ時間割で暮らし同じメニューの食事をとり
お互いの権利と義務でしなり合い肝心の自己責任を放棄する
いったい誰が等分の分配を管理できるのか
誰が何のためにメニューを決め善悪を固定化して裁くのだろうか?
共和国も共通の価値観に依存した上でのものであり
自由もその範囲にあってそこから外れることを許さない
神に当たる無限性を人間自身が取り込んで眼中に置かない限り
道徳的に生きようとする人ほど人生を楽しめずに迷い苦しむと言う
この矛盾を解決しえないだろう
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原書名:Utopia(More,Thomas)
国家の最善の状態についてのラファエル・ヒスロデイの物語◆国家の最善の状態についてのラファエル・ヒスロデイの話。ユートピアの叙述、ならびに同島のよき政治、よき法律制度についての詳細なる解明を含む◆都市、特にアモーロート市について◆役人について◆知識、技術および職業について◆彼らの生活と交際について◆彼らの旅行、および巧みに説かれ、賢く論ぜられたことども◆奴隷、病人、結婚その他◆戦争について◆ユートピアの諸宗教について◆トマス・モアよりピーター・ジャイルズへの手紙
著者:トマス・モア(1478-1535、イギリス・ロンドン)[オクスフォード大学→リンカーン法曹院]法律家・思想家
訳者:平井正穂(1911-2005、福岡県久留米市)[東京帝国大学英文科→同大学院]英文学者
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(1973.05.07読了)(1973.01.27購入)
(「BOOK」データベースより)
表題の「ユートピア」とは「どこにも無い」という意味のトマス・モア(1478‐1535)の造語である。モアが描き出したこの理想国は自由と規律をかねそなえた共和国で、国民は人間の自然な姿を愛し「戦争でえられた名誉ほど不名誉なものはない」と考えている。社会思想史の第一級の古典であるだけでなく、読みものとしても十分に面白い。
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これがユートピアなのか?という感じだが当時の価値観で考えると理想的ではあったのかもしれない
世界史の知識を補填してからもう一度読みたい
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「ミスラ」が出てくる。どこかで目にした言葉だなと思っていたが、「MISRA-C」でしたね。
ユートピアでも人は神を、宗教を求めるのかとも思ったが、人間そんなものなのかもしれない。
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世界を見聞したヒスロデイから、モアがユートピアという国の話を聞くという構成。モアは15世紀から16世紀初頭の人。
ヒスロデイの話が終わったところで個人の喜びがひどく無視された話だと感じた。その後のモアの感想で承認できない、議論すべきところがあるという書きぶりで何を訴えたいのか改めて考えたが、簡単に煮詰まる話でもなさそうだ。
解説によると、モアには宗教と国家の葛藤があったようだ。