投稿元:
レビューを見る
夏休み一冊目。タイトルからはメジャーリーグの面白話本のようですが、内容は、アメリカスポーツビジネスについての本です。ベースボールと言うコンテンツに対して、これほど考えてビジネスをしていたとは驚きです。特にマイナーリーグは独立リーグも黒字である点や、一度独立リーグの試合を見に行ってみたいと思わせる本でした。
投稿元:
レビューを見る
タイトルからするとヤンキースの歴史を語る本かと思っていたのだが、中身はヤンキースを始めとする米メジャーリーグのビジネスの話をまとめたものである。著者は米国事情に通じた野球ビジネスのコンサルタントで、米国でスポーツ経営学修士号を取得。その後スポーツマネジメント会社を立ち上げて日本のスポーツビジネスの発展にかかわっているという。
本書の中で紹介されているのは、ヤンキース、レッドソックス、ドジャース、マリナーズといった比較的お金を持っている球団。レッドソックスの中核会社のFSGは球団とスタジアムの運営だけではなく、NASCARやリバプールを買収してビジネスの領域を拡げている。各球団は現在ビジネスの最大化を目指して各スタジアムの戦略をまとめている。特にメジャーリーグの各球団では観客動員数が増えない中で、平均売上高を20年間で6倍に伸ばしている。その中でもスタジアムビジネスは工夫もあり好調で、野球「も」楽しめるようにした新しいスタジアムの建設が続いている。ボルチモアのカムデンヤーズ(女性が球場設計)、メッツのシティ・フィールド (シェイ・スタジアムじゃなくなったのか...)
さらには、メジャーリーグ、マイナーリーグ、独立リーグと言った下位組織のしたたかなビジネス戦略も紹介される。MLBのネットビジネスの進出も目覚ましい。すでに2000年にMLBAMというネット専門の会社を設立しており、年率30%のペースで成長して、年商が7憶ドルにもなるという。中でもMLB.tvは4億ドルも収益を上げているとのこと。MLB.tvの有料加入者が50万人、モバイルアプリのMLB At Batは330万ダウンロードを超えているとのこと。また、マイナーリーグも日本と比較して各段に広い裾野を持ってビジネス化できるようになっていて、多くの選手の受け入れ先になっている。独立リーグもそれぞれ特徴があって、ビジネスとして成立しているという。中でもロングアイランド・ダックスやセントポール・セインツという成功で有名な独立リーグの球団が紹介されている。日本でも四国などに独立リーグができたが、目指すところはこういうところなのかもしれない。
ちなみに、タイトルの「ヤンキースのユニフォームになぜ選手の名前がないのか」は、「選手の存在が球団を超えることはない」というヤンキースの球団哲学の現れだという。伝統の球団という自負だということか。
多くのスタジアムがトータルエンターテイメントに向けて舵を切る中で、新しいヤンキースタジアムは純粋に野球を楽しんでもらうことに注力をしているという。また、ヤンキースタジアムに行きたくなってきた (前のスタジアムは何回か行ったけど、新しいのはまだ行ってない)。
投稿元:
レビューを見る
『ヤンキースのユニフォームにはなぜ選手の名前がないのか?』/鈴木友也
メジャーリーグ球団の「球団経営」と「ストーリー」について描かれています。
実はこういう、裏物というんですか?表に出てこない内側の仕組みに関して、大好きなんですよね。
自販機の中身に興味があるというのと同じだと思っているんですが。。。
本書の中で言うならば、
_________________________
p20
GMとは、レストランのオーナーから食材の調達を一切任せられている存在です。(ちなみに、食材を使って料理を作るのは監督の役割)
GMは予算内で世界中から最高の「食材」を集め、監督が世界最高の「料理」を作り出す為の前提環境を整えるのです。
_________________________
GM(ゼネラルマネージャー)一つとっても、面白いなと思いました。
雑学的な要素はいくつあっても面白いと思いましたし、本題の「ヤンキースのユニフォームにはなぜ選手の名前がないのか?」という主題に関しては、ぜひ、本書を読んでいただければと思います。
ヤンキースプライドを感じるものとなっております。