けっこう明るい調子で
2019/07/05 14:22
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
白血病から生還した作家加納朋子の闘病記
『無菌病棟より愛をこめて』を読みました。
闘病記というと暗いイメージですが、読者には死なないのが分かっているし、
けっこう明るい調子で描かれています。
でも、それは本人の強さによるものだということが分かってきます。
「状況が悪ければ悪いほど、「良かった探し」は、重要である。」と書いています。
また、一方で「「がんばること」をお休みしていた。」という記述もありました。
白血病のおそろしさとともに、それを克服するための医療技術の進歩もよくわかりました。
感染症の危険から身を守るため生の食べ物が禁止されて、
生クリームやアイスクリームがだめなときでも、ハーゲンダッツのアイスクリームならOK
だそうです。
ふたの内側がシールされてるからかな。
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投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
人気ミステリ作家、加納朋子。
体調が悪いので、病院通いを始めた結果、2010年6月7日、「急性白血病」と診断される。
そして、緊急入院。
本書は著者本人による闘病記。
恥ずかしながら、著者の作品は「モノレールねこ」しか読んだ事がないので、ネットで「ミステリ作家」と紹介されていても、個人的には「?」となるばかりだった。
(「モノレールねこ」はミステリではないので)
闘病記、というもの自体、ほとんど(というか全然)読んだ事がないので、重い内容かと思ったが、それほどでもない。
勝手に予想していた「悲壮感満載」というものではなかった。
ただし、軽い内容だけではなく、読むだけでも、痛くなりそうな部分もかなりある。
なんだか自分も体調が悪くなり、グッタリしてしまうのではないか、と思ってしまう時もあった。
が、どこか「柔らかい」のだ。
そういえば、「モノレールねこ」の時も同じような事を感じた。
化学療法を始めて、頭髪が抜け始めると、
・「ハゲ」という言葉は使用禁止
・「励む」「励み」は、ギリギリセーフ
・「励ます」は前後の文脈から、誤解を招かないか慎重な検討が必要
といった「ルール」を作ったりしている辺りは、噴きそうになった。
ただ、入院生活は決して、お気楽なものでなく、肉体的、精神的にツライ、という事も多々、書いてある。
いや、むしろツライ事の記述の方が多い。
だからこそ、少しでもユーモアを忘れたくなかったのだろう。
自分なら、あっという間に「イジケモード」に突入する自信がある。
ひとまず「健康」である事に感謝。
「予備群」だったり、小さな「故障」があるにしても。
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胸がいっぱい。
読み終わって表紙を眺めて意味がわかって、もう…
このタイトルと表紙がこの本のやさしさ全てをあらわしている。
何冊か読んだことのある加納さん。
ご自身の白血病の闘病記なんだけど、加納さんの明るさや強さ、
何より生まれ持った素敵な可愛らしさが本からすごくすごく伝わって、
その加納さんがぼろっと泣いちゃったり弱音を吐いたりするだけで私はぼろぼろ泣いてしまっていた。
なんて強いんだろう。
いや、本当は書けなかったことの方が多いのかもしれない。
それでもこうやって悲槍感だけじゃなく心がほわんとあったかくなれるのは、ただただ加納さんの人柄というか、やさしさなんだと思う。
すごいなあ。本当にすごい。
周りの方々もみんな素敵でおちゃめだ。やさしい。
愛ってこういうことを言うんだ。
加納さんの性格が母に似てるから余計にくるものがあったなあ。。
お元気になられて、本当によかった。
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著者の意図とはずれるけれど,普段意識することもなく健康に過ごしている我々に,健康の有り難みとなにより難病に罹ったときの否応のない想像を喚起させる点に於いて,本書は重要な書物だと思う.容易に実体験するが如き想像力を駆り立てる筆致は,やはり流石である.
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最初、本の中身を知った時(著者の闘病記)「ええっ〜!」と驚きでした。 多作ではないものの、コツコツ、コンスタントに本を出されているイメージがありまさか重病にかかっているとは。
病気が発覚するまでの、普通の生活からちょっといつもと違う→結構違う→受診。検査。診断。
そんなドラマみたいな事が…と。(本書でも似たようなくだりあり)本当にごく普通の生活を送っていたところに病気発見の衝撃(というかその信じられなさ)が伝わってきて身につまされた。小学生とはいえまだまだ小さい子どもがいる著書には辛かっただろうと思う。
こういった病気の初期からの闘病生活が細かく描かれている。
本当に治って良かった。
闘病中は、辛いこともあったりの記載もあるけれど、全体としては、明るい著書の性格が感じられて駒ちゃんを思い出しながら読んでいた。
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加納朋子の無菌病棟より愛をこめてを読みました。
konnokが気に入っている作家の一人の加納朋子が急性白血病にかかった、ということを噂で聞いてこの人の本はもう読めないんだなあ、と思っていました。
ところが、先日本屋でこの本を見つけたので早速読みました。
発病から大学病院での対処、がんセンターでの骨髄移植の経緯が加納朋子らしい筆致で描かれています。
そして、弟さんからの骨髄移植で回復の傾向にあるとのことでほっと胸をなで下ろしたのでした。
弟さんの手記も収録されており、彼の存在がなければ加納朋子も戻ってこれなかった可能性もあるんだなあ、と思ったのでした。
私の妹もがんにかかって手術を受けてつらい闘病の時期を過ごしたのでしたが、兄の自分は何にもしなかったなあ、と反省したのでした。
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加納朋子のノンフィクション。フィクションでしか目にしたことのない「急性白血病」、その治療の記録である。死ぬ病気から、現代医学とドナーの力を借りて生きられる。たとえ移植した骨髄が生着しても、慢性GVHDなど生涯、つらい症状が続く。なんとも。
以前、献血の際に意味も分からずドナー登録をしたが、その意味を知った。さて、もし通知が来た時、リスクを鑑みた上で提供に同意できるだろうか。その時は、もう一度この本を読もうと思う。
この本、及び『はるひのの、はる』が読めたことに感謝し、加納さんの生涯、今後の作品に期待する。
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【愛してくれる人たちがいるから、死なないように頑張ろう】急性白血病の宣告を受け仕事も家族も放り出しての緊急入院、抗癌剤治療、骨髄移植。人気ミステリ作家が綴る涙と笑いに満ちた闘病記。
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加納朋子さんの、急性白血病の闘病記です。
貧血気味かな?って所から、クリニックから紹介状をもらって大きな病院へ行って検査して……というところから、抗がん剤の治療、骨髄移植……と、順を追って書かれています。
それにしても、本当に大変な中、前向きに頑張ってらっしゃる姿が本当に素晴らしいです。いろいろ先の事を考えて行動なさってるのとか、作家さんだけあって頭の良い方なんだなってのもよく分かりますね。
小説からも人柄は伝わりますけど、優しい方なんだなって思いました。
体が辛くても、周りの人とか科学の進歩に感謝を忘れない姿勢とか、見習わなくてはなーと思ったり。
次は「ぐるぐる猿と歌う鳥」を読もうと思います。
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ミステリ作家・加納朋子さんの闘病記。闘病記でありながら読後感がとてもさわやかな本でした。よく言われる「ポジティブな考え方」が自然と身についた方なんだということが文章からよく分かる。こんな日記書けるなんて、きっとステキな方なんだろうなと思います。
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白血病になった作者の闘病記
白血病は昔ながらの悲恋ものでは取り扱われてきたモチーフだけど、自分の認識と現在のリアルな治療とのギャップを感じた
そして何より、自分がなったら、家族がなったら、血縁者がなったら
あと、血縁者のドナーになるか、そもそもドナーになれるような健康状態か
もし自分の周りでそんな事態になったらと色々と仮定の話しで考えてしまった
妻とか子供がなるよりは自分がなった方がマシだと思った
ただ、そのことを妻に話したら「うちの生活はどうするの!」と怒られた
ま、あくまで仮定の話しですし、そもそも誰がなるか選べるものでも無いですし・・・
好きな作家さんだけに、今後の執筆活動はどうなるのか心配
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作者の加納さんは何気ない普段の生活を取り上げてミステリーの味付けのある小説を書く方ですが、5年前に急性骨髄性白血病を発症してしまいました。彼女は物書きなので、死と隣り合わせで病いと闘った様子をを日記として書いていました。
骨髄移植により現在は寛解に至っていますが、日記と共にその時のことを振り返っても書かれています。この病気の大変さはある程度知っているつもりでしたが、この闘病記を読むとやはり壮絶の言葉が当てはまります。しかし、それよりもこの闘病記が加納さんを取り囲む家族愛の記録となっているところが見事でした。
骨髄細胞をもらった実の弟さんの日記まで載せてありますし、その他、お姉さんと妹さん、お父さん、そしてご主人、その上お姑さんまですごく手を貸してくれる状況があり、お母さんが入院して心配のお子さんがいるにせよ、皆が一致団結して彼女と病いに立ち向かっていました。いかに治療に専念できるかは色々な環境に左右されるかと思いますが、彼女はこうした家族や友人に恵まれ、さらに経済的にもある程度余裕があるからこそ、ここまで闘うことができたのかなあと思った次第です。それもこれも普段の心掛けやお付き合いのあり方が良かった証しなのでしょうね。ひとつ気になったのは同じ文筆業であるとの加納さんのご主人とはだあれ?
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絶対、身内や友達が読んだら、おっと思うような本音が、もっとあるはず。本をだすなら、その覚悟を持って、書いて欲しい。それとも、こんなに善人フィルターを、普段から持っている人なのか。死を前にしても、その心持ちでいられるなんて‼︎
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急性白血病と診断されたミステリ作家加納朋子の闘病記。
加納さんの小説を読むたびにその内容や文章から温かさと優しさを感じ、「加納さんっていい人なんだろうなあ」と感じるのですが、今回このノンフィクションを読んでその考えが間違っていなかったんだな、と実感しました。
白血病の症状はもちろん薬の副作用や、骨髄移植に向けて体内の白血球をゼロにしていく過程など、闘病の様子はサラッと書かれているのですが、それだけでも壮絶さが伝わってきます。
普通に生活ができ、普通に食事ができることがいかにありがたいことなのか、ということが改めて実感されました。
それでも、加納さん自身が書いた日記にはところどころユーモアや周りの人に対しての感謝がつづられていて、闘病の暗さ一辺倒ならなかったからこそ、最後まで読み進めることができたのだと思います。
加納さんの旦那さんやお義母さん、家族に友人に病院の方々といずれの人も素敵な人たちばかりなのですが、こういう人たちが集まってくるのも、やはり加納さんの仁徳なのだろうな、と思います。読んでいて自分もこんな人と結婚出来たらなあ、と本気で思いました(笑)。
きっと闘病中はここに書いてある以上に苦しいこと、辛いことがあったに違いありません。でもそうした暗い面以上に、身の回りの感謝や幸せを数えようとしている加納さんの姿勢は本当に見習わなければならないな、と思います。
内容もそうですが、文庫版あとがきも心打たれました。言葉というのはどんな内容でももろ刃の刃なのだと思わされました。
読者である自分から加納さん伝えたいことは「生きててくれてありがとう」ということ。無理だけはされずにのんびりと作品を書いていただければ読者にとってこれ以上の幸せはありません。
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普通に生活していると医療者でもなくちゃ眼にすることのない無菌室。骨髄移植のすごさと大変さ、深刻になりすぎないタッチで描かれていて一気に読み終えました。
もっと勉強しよ。