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過去二作『記憶の果て』『時の鳥籠』は必読。
登場人物の誰もが狂っています。
特に、こんなに狂った探偵さんは初めて見ました。
数多くの自殺、殺人の関係性が見どころ。
どこまでも広がっていくシリーズの世界観にハマリまくっています。
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脳内でグルグルまわる安藤シリーズ、しかし螺旋階段のような、メビウスの輪ともまた違う世界軸。
『記憶の果て』『時の鳥籠』『頭蓋骨の中の楽園』を読むと最新作でありノン・シリーズ作『姫君よ、殺戮の海を渡れ』に通じるものが確かに感じられる。
安藤が最後にこの事件を解く時に明かされるこの小説世界の構造は、著者である浦賀さんが時折自著で出してくるメタ構造と小説家が出てきて小説を書いているということに直結しているようにやはり感じられる。
故に今だからこそ文庫化され読むことで伝わるものがあるのだろうとは思う。これが1999年ではやはりは速すぎたのではないか。あとこの安藤シリーズ三部作を読んでいると世界観は『リング』『らせん』『ループ』シリーズを思い出す。
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安藤直樹は冷たく表情のない若者。三人目の女子大生・首なし死体が見つかっても動揺せず、「これは俺の事件だ」とのたまう。そして、第四の事件を予言する安藤。彼が笑みを浮かべた時、世界は暗転した。驚愕の「切断の理由」とは……。『記憶の果て』『時の鳥籠』から複雑に絡み合うメビウスの輪が、遂に解かれる!
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三件の女子大生首なし死体事件に続く例外の首なし死体と過去の小説家たちの首なし自殺。地に足を着けた物語を独立したミステリ的に楽しんでいたらシリーズ的不可思議さに突入して、脳の記憶の入れ替え実験や人為的に転生する浅倉幸恵等SF化して、裕子等シリーズキャラクターの名前も頻出したけれど把握が追い付かなかった。
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圧巻。
前作までの恋愛、青春、SF要素を残しながらも、今作ではミステリとしての魅力が非常に増しており、エンタメ小説としても楽しめる。
しかも前2作から複雑に絡み合う謎もついに解かれるのだから、本書は単体としての面白さとシリーズとしての面白さが見事に融合した作品と言える。
連続首無し事件の、そして『記憶の果て』『時の鳥籠』と本書、3作品に連なる謎の解決編である「天使祝詞」は、本当に凄まじい。
狂った動機、謎同士の繋がり、そして萩原の語る地球の歴史のシミュレーション。
穂波が見る、最初で最後の安藤直樹の微笑み。
驚愕の真実の数々、そして絶大な破壊力のカタルシスに襲われ、息つく暇がない。
3作に渡る謎の大部分は解かれたが、まだ謎は残っている。
今後のシリーズの展開がどうなるのか、全く予想がつかない。