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ダイイングメッセージなど推理小説には無意味
2015/07/08 15:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつての不倫相手の妻が殺され、容疑をかけられた主人公。真犯人を見つけようと奮闘します。
個人的感想 ネタバレ注意!
推理小説ではなく、もろ2時間サスペンスです。
主人公は頑張って事件に挑みますが、途中の話に深い意味はありません。
探偵シーンあり、ほろ苦いシーンあり、軽い大人のシーンあり、でドラマは進行し、怒涛のドタバタ劇とともに終劇です。
また劇中の何ともお粗末な「ダイイングメッセージ」は「ダイイングメッセージなど推理小説には無意味」を見事に肯定しております。
なぜ
2021/01/27 22:01
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダイニングメッセージが「右手」でなく「みぎ手」なのか……あまり考えていなかったのですが、ポイントでしたね。けれど、トリックとしてはそう目新しくもないし。まぁ……必ずしも新トリックを考案しないと江戸川乱歩賞がとれないわけではないけど
こんな意外性に意外
2004/07/04 17:15
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投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る
第42回江戸川乱歩賞受賞作「左手に告げるなかれ」渡辺容子です。女性保安士(ガードウーマン)八木薔子はいつものように派遣されているスーパーの万引き取り締まりをしていたところ、刑事の訪問を受けアリバイを質される。薔子のかっての不倫相手の妻が殺害されたのだった。被害者は「みぎ手」と読めるダイイングメッセージを残していた。通勤途中の薔子は確たるアリバイも無く、その上右手に怪我をしていた薔子は疑惑を晴らそうと事件を探り始めるのだ。
万引き、それの取り締まりの実態が克明に描かれていてますが、こういうのも主人公の造形に大きく影響しますね。その勤務態度から人物像がより鮮明に浮かび上がって来るようです。知識としても面白いです。不倫で職も失い、慰謝料も取られた主人公ですが割とあっけらかんと逞しく生きている女性なので、ボクなどはどうしてもイメージが掴めなくて困ったのですが、そんな女性じゃなくては殺人事件へ首を突っ込む事もないだろうし、事件を追う主人公を見れば、そのあっけらかんとした態度も頷けるので、まあ整合性は取れているわけです。軽妙な台詞もそういう証なのでしょう。事件が複雑に、また凶悪になっていく程に引き込まれて行きます。
多くは語れませんが、ぼくは初めてじゃないかな、こんな犯人の意外性の出し方は。禁じ手じゃないと思うけど実際の所、どうなのでしょうね。伏線で補えれば、というか伏線だけでも十分に想定できるようになっていないとまずい気がしますけど。
推理小説「らしい」が…
2001/06/11 22:53
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投稿者:フィン - この投稿者のレビュー一覧を見る
いかにも推理小説らしい推理小説。
ただ、「らしさ」が鼻につく余り、読み進める動機が、物語を楽しむことよりも謎解きの答を探すことに集中してしまった。まるで、解けなかった問題の答を知るために、回答欄の解説を読んでる気分。そういう意味では、やや作業的な気分で読み進めることになってしまった。
なんといっても、主人公の女性が事件に首をつっこむ動機にやや無理を感じる。自分の不倫相手の奥さんを殺した男を探す、では…。しかもその奥さんの性格が、かなりイヤな感じときた。普通、主人公の立場にしてみれば、こんな事件には首つっこまんだろう。巻き込まれ型ならともかく、放っておけば害はないのに、自ら首を突っ込んでいってるんだもの。作中で何度か主人公がその「理由」について語るシーンがあるが、どうにも腑に落ちず。結局、主人公の動機に対する「なぜ?」は最後まで抜けなかった。
また、せっかく主人公を保安士(万引き専門の警備員みたいなものか)という珍しい職業に設定しているにもかかわらず、どうもそれが話の中では生かされていないように感じた。これが、只の主婦でも、雑誌記者でも、それほどプロットに大きな影響は出なかったろう。単に「こういう職業があります」的な紹介にとどまっているのが、変に肩すかしを食らったと言う印象。
そして、終盤の展開のまずさが何より痛い。序盤はまだ「奥さん殺しの犯人探し」という目的に添って主人公が行動しているので、構図としてはわかりやすいのだが、後半になると、その他の複数の事件が絡みあうようになり、それぞれの事件の繋がりが見えにくくなってくる。これは「複雑な背景を読み解く」という楽しさともちょっと違う。どうも作者の「意外な展開を用意したい」という意図が透けて見えるようで、読んでていい気分ではなかった。
乱歩賞受賞作ということで結構期待していたところはあるんだけど、ちょっと裏切られた格好になってしまったな。作品の構造的な欠陥が多いだけに、ここをこうすれば良くなった、というポイントも示しにくい、困ったちゃんな作品だった。