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日本書記に記された最古の津波から、東日本大震災まで、「津波災害とのつきあい」だった日本の歴史をたどる本。東日本大震災の時に「未曾有の天災」「1000年に一度」のような語られ方をしばしば目にした。それはむしろ「もう(少なくとも自分の生存中には)津波は来ないだろうという願望のこもった形容だったのかもしれないけど、それがほんとうに甘い願望であることがよくわかる。日本書記に記された古代から現代まで、日本は本当に昔から頻繁に津波災害に襲われてきた土地なのだ。
その中には、1770年代に沖縄を襲い12000人が犠牲になった「八重山地震津波」のように息をのむものもある。直径10M、重さ推定700トンの巨大岩石が、津波によって陸にうちあげられ、今も宮古島に残っているという。
また、震度3の地震でも津波が起きたり、他の被害は全くないにもかかわらず大津波によって多くの人命が失われたり、火山による崩落で津波が彦起こされたりと、「大地震→津波」という自分の感覚を裏切る事例も多い。
防災教育という観点からというよりも、純粋に日本列島と津波災害のつきあいを知る楽しみで読める一冊。筆致が淡々としているだけに、歴史に興味がないむきにはやや厳しいかもしれないけれど。
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今回の津波災害で、歴史に教訓を求める動きが高まった。そのなかでも中高生向けの新書ながら、よくまとまってる感。個人的には「島原大変肥後迷惑」までおさえてあることに感心した。地震だけでなく山体崩壊も津波の要因となる。
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日本って、本当に津波多いんですね・・・。
私は海とは遠いところで育っているし、
初めて体験した大きな地震が阪神大震災で、
津波被害のない地震だったから、
地震!=津波、ってすぐ思い浮かばなかったんですよ。
だから3.11の時は、津波ってこんな恐ろしいことになってしまうんだ・・・って。
本書では、過去にどれだけ津波が多く日本に到来したかが書かれています。
これからも、津波は繰り返し日本にやって来るでしょう。
海は、日本に大きな恵みをもらたしてくれています。
けれど時に、大きな災害をもたらす。
でもそれは、「害」というより、命の、地球の営みなんですよね。
私たちは、それと共存していかなければいけない。
そして、過去の津波と違って、
日本の社会は、原発やインフラが急速に発展しました。
過去の教訓を活かすとともに、
「今」「未来」を見通した対策を練っていくことが大切だと思いました。