内省を行うための良書
2019/01/03 22:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pika - この投稿者のレビュー一覧を見る
人が変わろうと思って、「改善目標」を設定しても変われないのは、「裏の目標」が存在するからである。分量は多く、読破するのに時間はかかりますが、知識のインプットとは違う局面で、自分の成長に頭打ち感を感じている方は、多くの気づきを得ることができるかもしれません。
投稿元:
レビューを見る
前々から気になってた1冊。旅行中、読もうと思い、持っていくも全然読み進められずにいてやっと読み終わることができた。
最初の出だしの「心臓病患者がなぜ変われないのか」という問いからグッと引き込まれる内容。
要は変わる必要性も分かっているし、変わりたいという想いもある。どうすれば変わるのかという方法も分かっている。
なのになぜ人は変われないのかというメカニズムを解き明かしていることに本書の意義がある。
簡略に言うと、それは人の固定観念に基づいているから。
行動だけを変えても何も変わらない。その行動の裏にある価値観を変えないと変われない。
それが「技術的な課題」と「適応を要する課題」の差。
そして最も驚きだったのは、人が変わろうとする際には「変革をはばむ免疫機能」がそれを阻害するということ。
変わりたいと思う自分が表だとすれば、裏では実は変わりたくないと自然に思っている自分がいるということ。
要はアクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態。
だから進もうと思っても進まず、人は変わらないのであるというわけ。
正直、変革のための具体的な方法まですべて理解できたわけではない。何回か読み込む必要あり。
でも、留学の価値の本質について確信を深められた。
留学に行って人が変わるのは、やはり内面が変わることに関係していることは間違いない。
そしてどうしてその内面が変わるかというと、それは自分の固定観念が明らかになるから。
日本にいたときには気づきもしなかった固定観念があぶりだされる。
そしてその固定観念に支配されないで、自分を支配していたものを「客体」として客観視できるようになる。
こんなことは今明らかになったわけではないけど、学術的な側面から証明されたのは大きい。
投稿元:
レビューを見る
前半面白く読みました。
後半、失速。
ううううん。
でも、仕事を遂行するにあたってなぜうまくいかんのか、
という思考のクセについてなるほどと思ったのだ。
やっぱり自分が読むより、リーダーに読ませないといけない本。
投稿元:
レビューを見る
変われないのには、変わらないことで守れている何かがある。変えたいのであれば、そこへ焦点を当ててアプローチをする。
訳本なだけに読むのには苦労したけども、読むだけの価値がある本と思いました。
投稿元:
レビューを見る
印象に残ったところ。
ハイフェッツは人が直面する課題を「技術的な課題」と「適応を要する課題」に分類する。盲腸の手術や、旅客機を無事着陸させるのは「技術的な課題」。
その種の活動で得られる知識と技能は、言ってみれば、コンピュータに取り込む新しい文書やプログラムのようなものだ。そういう知識と技能にも、それなりに価値はある。しかし新しい文書やプログラムをどこまで活用できるかは、コンピュータのOSで決まる。
本当の能力開発(成長)を成し遂げるためには、単に知識や行動パターンのレパートリーを増やすだけでなく、OSそのものを進化させなくてはならない。
今日と明日の世界で直面する課題の多くは既存の思考様式のままで新しい技術をいくらか身につけるだけでは対応できない。この種の課題に対応するためには、知性のレベルを高めることによって、思考様式を変容させなければならない
つぼみがいずれ綺麗な花になり、イモムシがやがて美しいチョウになってはばたくと知っていたら、
目の前のつぼみやイモムシにいらだちを感じることはない。
メンバーの知性の発達を促すために、リーダーが取るべき大切な行動がある。
つぼみを力ずくで開花させたり、イモムシを特訓してすぐに空を飛ばせたりすることはできないが、
チューリップを豊かな土壌に植え、イモムシにみずみずしい葉っぱを与えることはできる。
支援と試練
「他人に弱みを見せるのは、相手に銃弾を与えるようなもの。みんなの関係が良好なうちは問題ないかもしれない。でも、誰かがその弾を銃に装填して、背後から撃たない保証はありません」
(さわ)
投稿元:
レビューを見る
成長する為には変化が必要とされて久しいが、多くの個人や組織は変われなくてもがいている。その変化への処方箋として改善目標、阻害要因、裏の目標、強力な固定観念からなる免疫マップを提唱する。
改善目標とは、権限委譲して重要課題に時間とエネルギーをつぎ込むなど、自分が目指すこと。阻害要因は新しいことに手を出して仕事を増やしたり、他者に仕事を頼めないなど、目指すことができない理由。裏の目標は他人に依存しない万能人間でありたい、自己犠牲の精神の持ち主でありたいなど自分の中の別な部分が望んでいる結果。強力な固定観念は、他の人に頼ったり、多くのことが実行できなければ自尊心を失うなど本人が無批判に事実と認識していること。
このような分析やコンサルティングで改善目標へと導く多種多様な個人そして組織を描くことで、変化への考え方をとても分かり易く描いている。実際に行うのは自分の心との葛藤が大変で一人ではかなり難しそうだ。
投稿元:
レビューを見る
ザ・アメリカ!という感じ。
要するに集団でやるデブリーフィング+認知行動療法ってわけか。裏表のないアメリカ人には向いてるかも。日本人には馴染まないやり方とはいえ知性的な集団ならできるかもね。
ただ「裏の動機」も所詮は意識化できる範囲の動機なんやろうし、となると、感情を扱ってますよ、従来のコーチング技法とは違いますよ、と言いつつも所詮はコーチング技法のひとつか。
投稿元:
レビューを見る
人や組織に限らず、
問題解決など「変化」を語る前に是非読みたい本。
個人的には星5つでもたりないと思うぐらい満足。
人間は弱いものである。
そして弱さゆえの無意識の思い込み(固定概念)にふりまわされる。
その思い込みにきちんと目を向け、
人や組織の本当の問題解決を目指す。
それを免疫マップという表現で洗い出している。
実際しっかり実践するのはなかなか簡単ではないだろう。
普段意識下にもない無意識に向き合うことをやるのだから。
だからといって諦めてはいけないのだと思う。
我々が固定概念に囚われているということを念頭において、
うまくいかない理由は隠れた無意識にあるかもしれないと
「意識下におこうとする」ことから始めたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
立てた目標に向かって歩き続けられないのは意志が弱いというよりも、自分でも気づかない強い固定観念に基づいた裏の目標があってコンフリクトしているからではないか、との考え方を提示している。いわば、アクセルを踏みながら同時にブレーキを踏んいるかのように進んでいないのに疲れてしまう状態。その時に必要なのは、やり方を変える(技術的に解決しようとする)ではなく認知を変える(適用する)こと。そのための固定観念と裏の目標を導き出すステップを具体的に提示している。
固定観念がもし違っていた状況を想定して安全な範囲で検証してみるというアプローチが非常に良いと思った。これまで色々なことが三日坊主になっていて、続かない性格だなあと思ってたけど新たな視点でやってみようかと思わせる良書。
投稿元:
レビューを見る
免疫マップにおける、改善目標、阻害要因、裏の目標、強力な固定観念のうち、裏の目標、強力な固定観念は凄く同感。改善目標、阻害要因が表面的である一方、裏の目標、強力な固定観念に人間の真因が隠れていると感じた。特に勇気を持って裏の目標をさらけ出すことによって、本音で語れるのではないだろうか。
投稿元:
レビューを見る
免疫マップというフレームワークを使って自己変革を促す理論と方法について書いてある本。
フレームワーク自体が分かりやすく、事例やチェックシートまで準備されているため導入しやすい。
私はNLPの理論にそって、どちらかというと行動重視の考え方をとっている(行動が変われば思考が変わる)。しかし、行動が変わっても考え方は元のままということもあるため、両方を変える手段として活用してみたい。
投稿元:
レビューを見る
人と組織が、テーマとされているが、個人として活用するのであれば前半の半分程度で良い。
自分の中に潜む無意識的な部分(障害)を炙り出し、何をどうすれば解決できるかが丁寧に解説される。
実際の行動に結びつくようにまとめられていることが素晴らしい。
投稿元:
レビューを見る
理屈は明快。ただこういうアプローチで本当に人が変われるのかは疑問。
会社の研修で使ってみたが、改めて何を変えたいのかと問われても思い浮かばない。これこそが、このアプローチの限界と思われる。つまり他人から見て『あの人チョット変わった方がいいぜ』と思う点が、当の本人には取り立てて変えるべき点と認識されない。特に歳を取ってくると自己肯定が強くなるから、そもそも自分を変える動機がゼロである。
投稿元:
レビューを見る
http://baigie.me/nippo/2015/01/05/2015%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%8A%B1%E8%B2%A0/
「社内制度」に「ハーバード流自己変革プログラムの実践」というものがあったため。
投稿元:
レビューを見る
"こうありたい、こうすべき、と頭ではわかっていても、実際にはそれを妨げる行動をとってしまう。自分を大きく飛躍させるような成長は、このような困難がつきものである。これは、成長目標を達成しようとすると、それまで大切にしてきた何かを危険にさらすという、健全な自己防衛本能が発揮されている場合が多い。一歩引いて、どのようなジレンマが起こっているのかを観察することにより、段階的に変革が達成できる。具体的には、『免疫マップ』というツールが効果的である。
免疫マップは、4つの列の表で、左から、変革目標、阻害する行動、裏の目標、強力な固定観念を入れていく。各欄の注意点は以下のとおり。
①変革目標を自分だけで考えてはいけない。仕事に関するものである場合は、自分の気持ちと組織への貢献の両面で考える。また、単にやるだけの技術的な課題ではなく、今まで知らなかった自分を変える『適応を要する課題』であること。②阻害する行動は、解決策や原因は置いておいて、変革を阻害する具体的な行動をリストアップ。③裏の目標は、阻害する行動と逆の行動をとった場合の、最も不愉快な、恐ろしい事態に対する不安感を言葉にして考える。④強力な固定観念は、何らかの面で正しいと感じていて、裏の目標とのつながりが明確であること。
TOCのクラウドにおける、D’とCと、その前提、あるいは、抵抗の4つの側面におけるマーメイドと、その前提に対応している。しかしこのツールの良い点は、ジレンマが見えた後の解決のステップである。あえて阻害する行動に反する行動をとり、本当に恐ろしい事態になるかを観察するという、仮説検証的な手法をとる。この際も、いきなり大きな行動をとるのではなく、小さく安全な行動から少しずつ試して、強力な固定観念がどんな場合に正しいのか、を検証していく。これは、TOCで取り入れたらよいのでは、と感じるくらい、科学的なステップである。