「信長の血脈」を読む
2015/03/28 11:20
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投稿者:モーツァルト - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルとイメージが全く合わない短編集である。加藤廣さんの著作というより、編集者がつけた「売らんかなタイトル」であろう。短編はそれぞれもっと地味なテーマとなっていて、
掘り下げているそれぞれの主人公(平手政秀、片桐且元、三宅藤兵衛など)の凡人ならではの人生がえがかれている。
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投稿者:ランディ・B/M - この投稿者のレビュー一覧を見る
信長の棺などの3部作がよかったので読んだが、期待外れ。
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信長の棺からの3部作を書かれた加藤氏の最新作です。昨年末に本屋さんで文庫本として山積みされているのを見つけました。久しぶりの加藤氏の新作で中身も見ていないのに感激してしまいました。
ワクワクしながら空けて読んでみると、第一章は信長の守役として名前だけは知っていたものの、信長の若いころに切腹してしまった平手長政を中心に扱ったものでした。この本を読んで初めて、信長と平手政秀との関係を知り、信長がいかに彼を慕っていたかもわかりました。
他の三章も、著者の加藤氏が述べているように、今までの三部作を書くために調査している最中に明らかになった人々が主人公になっています。とても楽しく読ませてもらいました、是非、続編も期待したく思います。
以下は気になったポイントです。
・岩倉城を居城とする守護代の嫡流織田伊勢の守(信安)、清須城を居城とする守護代の傍流織田大和守の二大系統に分かれて、上四郡と下四郡(知多含む)を分割支配していた(p13)
・屠蘇とは、酒に、山椒・肉桂・桔梗・ミカンの皮・赤小豆等の7種類の薬草をいれたもの(p17)
・尾張の守護代に過ぎない一家老に過ぎない信秀が大きな城を構えたわけは、この居城から1キロ以内に津島を領有していたから(p33)
・たわけ者とは、戯けと書き、頭の良し悪しとは違って、悪ふさげすることで、多くの場合は近親相姦を示した(p74)
・平手政秀が自害したのちに信長は変身した、3か月後には数年来の約束であった舅である斎藤道三との会見をした(p94)
・淀の方は敬語、淀君は侮蔑語である、当時、女の「君」には、だれにでも肌を許す遊君という意味があった(p174)
・富岡城が幕府の一国一条令の例外として、唐津城のほかに認められている。対岸の交易港・長崎を異国の侵入から防ぐという意味もあった(p260)
・当時の日本において明智光秀の謀反に一番理解を示したのは、徳川家。数多くの明智の関係者を迎え入れている(p279)
・江戸城内では、十万石の大名は、詰所7か所の上位二番目にあたる「大広間」に殿中席次を与えられていた(p310)
・キリスト教が、メキシコを含む中南米、アジア諸国で、なぜ日本ほどの宗教的抵抗や摩擦がなかったかという理由として、国民の識字率が低く、ほとんど無知であった。さらに、日本の武士のような幅広い知識階級が存在しなかったことにある(p324)
・島原の乱が一般の百姓一揆と異なるのは、戦う理念が明確、為政者よりも農民側が迅速で組織的、農民の兵器が充実していた、ことにある(p359)
2015年1月1日作成
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【『信長の棺』著者、渾身の文庫オリジナル】信長の守役・平手政秀自害の真の原因は? 秀頼は淀殿の不倫で生まれた子か? 島原の乱の黒幕は? スリリングな歴史ミステリー。
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「信長の棺」でデビューした筆者が、戦国時代の脇役的なテーマを4つ採り上げ掘り下げる。いわゆる時代小説とも違った趣のある書。
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短編集。
平手政秀、伊吹山の薬草のこと、秀頼の父は?、天草のキリスト教弾圧の四作品。
そういうこともあったかもしれないのだねぇ、という感じで読んだ。
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大好きな信長の周囲を固める登場人物にスポットを当てた短編集・・・初見の方もいて時代がより膨らんで見えます
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著者の長編・本能寺三部作を知らずに読んだが、脇役の視点をもって、うつけと称される信長の成長期、戦国時代における薬草と火薬の伝播、秀吉の嗣子・秀頼の出生秘話、そして徳川治世に至る最後の大戦・天草四郎の乱の経緯という、歴史の不明瞭な大事について推論を仕立ててくれる。文章が平易で読みやすく、展開は史料をもとに独創的で惹かれる。出雲の阿国の念仏踊りにカブキ踊りの描写は、その真偽は別としてそそられた。どうやら本能寺三部作を読まぬわけにはいかない。
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名だたる武将ではなく、歴史の流れの狭間に生きる「たいして有名ではないけどその人物なりに一生懸命生きたであろう人間」模様が面白い。
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四編の作品から構成されている。特に「山三郎の死」は、阿国を登場させ、秀頼の生誕に纏わる隠された真実をテーマに面白い短編に仕上がっている。
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焦点を当てる人物が絶妙だった。信長に関係するそれぞれの人物が目に浮かぶような感じで、丁寧に描かれていた。
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作者が「置き去りがたく、捨て去りがたく思いながら、書き残した人物」たちの短編集。
作者の思い入れが強すぎてか解説が多くて物語の盛り上がりに欠ける気もするけれど、視点が楽しくて最後までワクワクした。
信長を幼少時代から見守る平手政秀。
南蛮人に占拠された伊吹山の薬草園の謎。
秀頼に関わる只ならぬ噂の真相とは?
幕府とキリシタンの板挟みに苦渋の決断をする天草富岡城城代。
ドラマや小説ではヒーローとしては登場しない、権力に翻弄される人々から語られる、信長、茶々。
権力を手にした人間の醜さに弱々しくも立ち向かいながら、進む道を模索する。
それぞれが信念を貫いている様子が心地よいのかも。
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「信長の棺」を書いた加藤廣の作品。
四部作の短編集になっていて、
平手政秀の証
伊吹山薬草譚
山三郎の死
天草挽歌
この中で個人的にこれは!!と思ったのが
平手政秀。
男の中の男だわ、政秀。
史実云々どうであれこれはこれで素晴らしい
信長の最後の変身っぷり。
あんまり世に出ないというか、どちらかというとサブ的な?描かれ方の多い
登場人物が主になっているので
また普段の時代小説とは違った楽しみ方が出来ると思う。
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2016年16冊目です。
取り上げられている武将は、確かに大物戦国武将の物語の数行に登場する人達です。私が知っていたのは、信長の傅役の平手政秀と豊臣家に仕えた片桐且元だけでした。三宅藤兵衛に関しては知識がありませんでした。
それぞれの人の視点で物語を紡ぎ出したanother-stroryという感じです。相当な史実調査の上に描かれていると思いますが、想像力の高さに敬服します。
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I thought that there would be a lot of Nobunaga in this book, but Chapter 1 ended Nobunaga's story.