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まぁ、漫画読みってのは大抵、単純に出来ているな、と思う
『はらへりあらたの京都めし』のような食べ歩き系の食漫画を読むと、美味しいと噂の名店に足を運びたくなるし、『ろんぐらいだぁす』のようなロードバイクで遠乗りする漫画を読むと自転車に乗りたくなる
なら、この『これからコンバット』を読んだら何をしたくなるか、それは言わずとも解かるだろう。そうだ、サバゲーに挑戦したくなる
きっと、この漫画を読んで、サバイバルゲームに対する野蛮なイメージが薄れた読み手は多いだろう、かなり。主役のゆりが、こんだけ全力でゲームに取り組んでいる姿を見たら、誰でもカッコいい、と思ってしまう
セクシーなシーン、コメディなシーンだけでなく、リアルさを感じさせるアクションを濃厚に描ける森尾先生だからこそ、ここまで質の高い青年漫画になり、サバゲーの魅力を読み手に自分の目線と意見を交えて伝えられるのだろう
好きな事を全力で楽しむ事が、人生でどれだけ大切か、が読むと判るだろう
巻を重ねるごとに、ゆいがアタッカーとしてだけでなく、リーダーとしても才覚を発揮し出し、ますます応援したくなる
また、この巻からは、彼女の良きアドバイザーである神田さんも、少佐のチームに入り、戦略にもストーリーにも幅が出た。彼女がサバゲーの魅力に憑りつかれた理由ってのが、少佐にホの字になったからってのも、また、森尾先生らしい
これから、ますます熱い対戦が繰り広げられ、人間ドラマも深くなりそうなので楽しみだ
この巻で、私がお勧めるのは、やはり、霧島さんの男気がピカッと光る、30th shotだ。真の王は言葉でなく、その技で凄味を醸す
この台詞を引用に選んだのは、何気にグサッと来たので。今、正直、私は土壇場で劣勢を引っくり返せるだけの、人間力を高められている自信がないなァ。道具を使いこなすのも大事だけど、その道具が使えなくなった時、どうするかも普段から考えておかないと、やはり、ダメだな。ド根性が泥臭い、と馬鹿にされる昨今ではあるが、結局、人間として根っこの部分がしっかりしていなきゃ、相手にも、自分の弱さにも負けてしまう