「子どもを本好きにするには、どうすればいいの?」「子どもにどんな本を選べばいいの?」その答えがここに!
2015/06/14 11:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
50年もの間、子どもと本に関わる仕事を続けてきた松岡亮子さん。
彼女が伝えたいこと、それは「子どもたちに本のたのしさを伝えたい」
その溢れんばかりの思いを全ページからひしと感じました。
子どもを本好きにするには、どうすればいいの?
子どもにどんな本を選べばいいの?
その具体的な答えが明瞭に書き記されています。
「子どもに本を選ぶということも、
つきつめれば、ひとりの人がおもしろいと思った本を
ひとりの子どもと分かち合う。
それが基本だと思います。」と松岡さん。
ほんとうに、そう!と思いました。
そうして少子化の今、子どもたちも多忙になる中、
「子どもに本をすすめるうえでは、
子どもの来ない公共図書館より、
必ず子どもがいる学校図書館のほうが、
より大きな役割と責任をになうようにならざるを得ないでしょう」と書いてあるところでは、大いに納得したのです。
まさに、今、学校図書館は、子どもたちのために、今以上に
開かれた場所にならなければならない。
それがいかに大切なことか!
この一冊を読みながら、何度も何度も思い知らされました。
「本を読むことを子ども時代の幸せのひとつに加えてくださるよう、
子どものまわりにいるおとなの人たちに訴え続けていきたいと思います」とあとがきで松岡さんは言います。
まずは、子どもたちのまわりにいる大人がこの大切なことに気づき、
行動を起こすために、読んでおきたい一冊です。
2005年から書評投稿をしてきて、ちょうど10年。
こつこつ積み上げてきた書評が今回の『子どもと本』で、777冊目となりました!
私も「本のおもしろさを伝えたい」一心でした。
今まで、ほんとうにありがとうございました。(●^o^●)
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「『子どもの図書館』刊行から半世紀……「その後」は?」という帯にひかれて、購入した。
東京子ども図書館の理事長である著者による本。
昔話の本・東京子ども図書館のブックリストつき。
私は、あまり本を読んでこなかったことがコンプレックスだ。
でも、その卑屈さが少しやわらいだ。
文庫関係者にも子育て中に絵本や児童文学に魅せられた人もいること、「最も決定的な読書は、子ども時代の終わりから、中年までの間に起こっている」こと、などを知ったからだ。
本書の内容では、アメリカでの図書館員の仕事の話が特に興味深かった。
選書がとても入念で、児童書の予算の四割をいたんだ本の買い替えにあてることがあるということに驚いた。
あと、寝る前に、その日あったことを、子ども(○○ちゃん)が主人公のおはなしとして語るのも、いつか試してみよう。
さて、私は、これからどうしよう。
光がみえるような、みえないような。
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アメリカで図書館学を修め東京子ども図書館を設立した児童図書館員のパイオニア松岡享子さんのお話。米国留学と就業体験からのエピソード、家庭での読書の役割とあり方、昔話の力、選書の実際、日本の児童図書館のこれまでと現状について、共感すること、なるほどと思うことがたくさんあった。
字をおぼえるのは遅いほうがいい、昔話の分析や研究が昔話の良さを裏付けてくれるのはありがたいけれど、一語り手としてはあまりくわしい種明かしは知らないでおきたい、という気持ちには、そうそう!と共感した。学校司書のこと、公立図書館の人事のことなどを嘆く気持ちも。
アメリカの図書館の選書や図書整理、廃棄までの判断基準やプロセスが興味深く勉強になり、ロングセラーの良書ほど図書館からの定期的な買い替え需要があって出版社と図書館は持ちつ持たれつの関係である(それにひきかえ良書もあっというまに絶版になる日本…)というのは眼から鱗だった。
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アメリカでは図書館員として働くためには先行が何であれ、大学院の図書館学科で図書館学を学ぶMAを取得しなければならない。専門職が本の選択や利用者へのサービスを提供する。非専門職が貸し出しサービスなどをする。
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子どもの本が好き、子どもが好きな方はもちろん、本好きな方、すべての人におすすめ。
日本の図書館(行政)、教育の貧困に暗澹たる気持ちにもなるけれど…
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東京子ども図書館の理事長であり、児童文学の翻訳、創作、研究の第一人者である松岡享子さんからの、児童サービスに携わる者、子どもたちに本を手渡す活動を続ける者への、プレゼントのような珠玉の1冊です。何のために子どもたちに本を手渡すのか、子どもたちのために本を選ぶこととはどういうことなのか、また図書館はどのような場所であるべきなのか、豊かな経験と、温かい眼差しを通して語られることばは、どれもが心を打ちます。そして、それこそが私たちの拠って立つ足場なのだということを再確認できる1冊です。児童サービスや、子どもたちに本を手渡す活動をしているすべての人に、それだけではなく子どもと本に関心のあるすべての人に読んでほしいと願う本です。
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松岡さんが、数十年来の依頼を経て、書き上げた児童図書館論。
ひとつひとつうなずける安心感。
新鮮さは特に無いけど、らしい本です。
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子どもは好きだし、本も好きだ。子どもの本も好きだけれど、子どもの本ばかりが好きなわけではなく、いろいろな本が好きだ。だから、子どもの図書館だけでは満足できそうにない。4,50年前に比べると、公的な図書館の状況はずいぶんよくなっているだろうが、それでも、子どもの本に詳しい職員がしっかり配属されているわけでもなさそうだ。学校図書室についても同じようなことが言えるだろう。私のパートナーはほとんど本を読まないが、そういう人間が図書の係りになったりもする。それで、予算があるからと本を選ぶ。仕方なしに私がかなりの部数を選んだ。中学生くらいならばちょっと背伸びをして大人の本を読んでほしい。西京高校が入学前に出している課題図書を見せてもらったが、レベルはかなり高い。そういう内容に興味を持つことが入学してくる生徒には期待されているのだろう。このあたりの年齢の子どもたちに接することが私にももっとも興味深いし、やりがいがある。たぶん、今のところ。だから、本書で取り上げられる子どもの本にも興味はあるけれど、ちょっとそれだけでは物足りなさを感じてしまう。
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子どもと本が好きで、ついには東京に私設の図書館(現東京子ども図書館)まで作った松岡さんが語る、「本と子ども」について。
図書館が、社会のなかで、どのような役割を果たしていきたいのか、あるいは果たすべきなのか、その目的・理念を形に表すものが、その図書館の蔵書構成なのです。(p165)
図書館における図書選択の基本は、読者(住民) の要求に応えることです。ただ忘れてならないのは、顕在的な要求だけでなく、潜在的な要求をも見極めることです。(p165-166)
自分の勉強不足を痛感する本でした。
もっとたくさんの本を読んで、もっと勉強しないとなあ・・・。
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本のはじまりに・・
「こども時代は、どの子も幸せでなくてはなりません。
本は、子供を幸せにするひとつの手だてなのです。」
by アイリーン・コルウェル
・・本を読み進めていく幸せが感じられる言葉です。
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自分に子どもができたら絶対図書館に通う。
自分もそうやって子ども時代を過ごさせてもらったことが、今に通じてるから。
本を読むと、人の心は豊かになる。
もう一度そう思わせてくれた本。
日本の図書館がもっと発展してほしいなと思わされた。
そしてそのために、自分ももっと本に携わる仕事がしたいなぁ…
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戦後の児童図書館界をリードしてきた東京子ども図書館の松岡享子氏が、自伝的要素を含めながら、これまでの実践に基づいて、とりわけ子どもの読書・本のことに興味・関心を持っている初心者の人たち向けに書いた本。
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あ、なんかうまく言えへんけど、こういうのが本来の「本」やったんちゃうかな、とか思った。静かやけど、伝わってくるものがある。ぜんぜんいやらしさもなく。このひとが書くと、絵本ってそんなにいいものか、とかって思ってまうもん。子どもの発達についての知識もちゃんとあって、信頼できる。文字の大きさとかも、ぜんぶがよく見えた。いい本に出会えた。
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子どもと本の接し方や,昔話の分析等,目から鱗が落ちるような内容.著者の子どもと本との両方の愛が伝わる.
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2015年9月20日に開催された第1回ビブリオバトル全国大会inいこまで発表された本です。予選E会場チャンプ本。