分かりやすい「ブルーオーシャン戦略」といったところか
2016/05/30 23:43
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競争しない状態をつくり、利益率を上げて消耗戦から脱する戦略を示したいーというのが本書の主旨。ビジネス書ではよくきく戦略で、言い換えると「ブルーオーシャン戦略」と呼ばれるもの。とはいえ、数々のこの手の本の中でもかなり分かりやすく、競争しない戦略を3つにしぼって、実際の企業の例を出しながら体系的にまとめたものとなっています。
競争しない戦略は、特に資金・資源の限られている中小企業が採りたい戦略で、私も自社がどのような強みを持っていて、競合する企業とまともに闘うのではなく、どの部分なら戦えるのか、という勉強会をよくしていました。この方法は競合相手と戦わず、「棲み分ける」という戦略ですが、ほかに小回りの利かない大企業の弱点をついて「共生する」という戦略もあります。いずれにしても、競合相手を敵か味方かの2拓で分けるのではなく、ある部分ではライバルだが、ある部分では味方である、という考え方をすることが、本書の特徴。
様々な戦略とその事例、そして失敗例、が非常に端的に分かりやすくまとめられているので、自社がどのタイプに当たるのか、あるいはどのタイプで攻めるべきか、当てはめやすい。ビジネス書として久しぶりにお勧めの1冊。
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ニッチャーがリーダーからの同質化を回避し、自身の競争優位を維持するための競争戦略が分かりやすく書かれている。
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150430/
青山フラワーマーケット
多くの生花店は、BtoCだけでなくBtoB事業も持ち、ホテルや冠婚葬祭に定期的に花を納めている。彼らはセリで落としてきた花を、一週間ほど店内の冷蔵庫で寝かせ、開花し始めた頃に納品しているため、寿命の長いツボミの状態で仕入れることが必須であった。一方、青山フラワーマーケットは、2〜3日で売り切ってしまうため、店内に冷蔵庫を置かず、セリにおいては、ツボミだけでなく、少し開き始めた花も仕入れることもできる。すなわち、青山フラワーマーケットは相対的に安い価格で仕入れ、それを短期間で売り切ってしまうビジネスモデルといえる。しかし、既存の大手の生花店は、青山フラワーマーケットのやり方に同質化をしかけられない。多くの生花店では、BtoBビジネスが仕事のベースロードになっており、これを急に止めることはできない。また、そのために高価な冷蔵庫に投資をしており、それを除去してまでBtoCだけに転換することは難しいからである。/
イギリス最大のユーティリティ(電力・ガス)供給企業のセントリカのコアコンピタンスは、実は競合企業が教えてくれたものである。国営のブリティッシュガスが民営化されて製造と販売が分離化された際、販売会社としてセントリカは誕生した。民営化と同時に、BP、シェルなどの石油会社が原料の支配力を武器にガス事業に参入し、価格競争をしかけてきた。セントリカは一時こうした企業にシェアを奪われたが、石油系に切り換えた顧客の多くが、再びセントリカに戻ってきた。顧客が求めていたのは、価格の安さだけではなかったためだ。石油系企業の価格は安かったが、1軒ごとの家庭の検針や料金決済に関しては融通が効かず、ミスも多かった。そのため、クレームが絶えなかった。セントリカは国営時代から料金決済はしていたが、その業務が競争の武器になるとは思っていなかった。しかし、競合企業にその優位性を知らされ、今度は「必需品のお世話をします」というスローガンとともに、決済システムを軸に、クレジットカードや保険事業などにも参入した。同社のコアコンピタンスは「ガスの販売」ではなく、「正確な決済」にあったのである。
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リーダーとなる業界の大手企業に対抗する競争しない戦略について書かれた一冊。
競争することのデメリットを孫子の兵法と生物学の観点から書いたうえで競争しない戦略をニッチ戦略、不協和戦略、協調戦略の3つに区分して、実例をもとにそれぞれの戦略について解説されていました。
読んでいて、自分も知らない色々な企業があることや
前に読んだゲームチェンジャーの競争戦略とも繋がる部分があると感じました。
また、現代の日本で様々なサービスが飽和状態にあるなかでとある部分に特化した事業や様々なニッチな商品やサービスを提供する企業があることを本書で知りました。
一定水準の満足を得られる生活ができる今日の私たちがますます便利で快適な生活をしていくために、今までの競争により切磋琢磨して商品やサービスの向上を図るのではなく、痒いところに手が届くニッチな市場やリーダー企業と協調して利便性の向上を図る市場などを形成していくことが企業側として今後求められてくることではないかと本書を読んで感じました。
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非常にわかりやすいうえに、戦略的思考のいい刺激になりました。
この本が素晴らしいのは、示唆に富む戦略論に加え、その構成にある。
まず著者による戦略理論が述べられ、その後に具体的な事例が豊富に紹介されることにより、各戦略論がスムーズに頭に入ってくる。
そして、理論と事例だけでなく、その戦略を採用するうえでとるべき基本的な方針や注意事項が述べられていることで、実行を視野に入れた議論が可能となっている点も好感がもてる。
さて、本書ではタイトルのとおり、「競争しない」戦略論が、豊富かつわかりやすい事例とともに述べられている。
「競争しない」というのは、マーケットリーダーとの真っ向勝負をしないという意味。いわゆるフォロワーや価格攻勢などといった、しのぎを削る戦略ではなく、リーダーと住み分けたり、バリューチェーンに食い込むことによってリーダーと共存していくという考え方が中心となる。
著者によれば、「競争しない」戦略は、1. ニッチ戦略、2. 不協和戦略、3. 協調戦略の3つに分類できるという。
1. ニッチ戦略
リーダーが導入するには固定費がかかりすぎるような特殊な技術(マニー、ローズなど)や、規模の大きくない特殊な市場を狙いにいく(スリーエム、小林製薬など)ことがニッチ戦略の基本的な考え方。一方で、アナログレコードやインスタントカメラなど、時代に取り残された小さな市場ではあるが、根強いニーズに支えられているところを狙いにいくというものも面白い(東洋化成、富士フイルム「チェキ」など)。
ニッチ戦略を実行するには、リーダーに目を付けられないように市場の量や質をコントロールすること、容易に侵食されないために常に技術と資源を磨いていくことが重要となる。
2. 不協和戦略
リーダーの強みとなる莫大な資産を負債化してしまう戦略。営業職員を豊富に持ち、複雑な契約内容をきめ細かく説明できる資産をもつ大手生命保険会社に対し、ネット専業で成功したライフネット生命保険。また、「いつでもどこでも」がコンセプトのジョージアコーヒーに対し、朝専用を打ち出したアサヒ飲料ワンダモーニングショット。
不協和戦略を取り入れるには、リーダーの強みを負債化してしまうアイデアを生むために、企業がもつ情報・ノウハウが多い「情報の非対称性」を下げることで、バリューチェーンを解体していくことが重要となる。
3. 協調戦略
バリューチェーンの機能の一部を代替したり、新機能を追加したりすることでリーダーとの共存を可能にする戦略。
自社商品・サービスの提供だけでなく、他社も含めたメンテナンスやコンサルタント、仲介業務を行うことによって、市場での補完関係を実現することが中心となる。
他社製エンジンの整備も行うGEや、他社に向けてコンサルタントを行う星野リゾートなどが典型例。
また、協調戦略をとる付加的な価値のひとつとして、「情報が集まる」ということが挙げられる。たとえば医薬品業界のIMSジャパンは医療分野のあらゆるデータを集約することにより、製薬企業や卸し企業が戦略を立てるうえで欠かせない状況を作り上げている��
協調戦略においては、共存が重要であることから、バリューチェーンの一部を担うことはあってもその前後を侵食してはならないということが重要である。
いずれの戦略においても、同様の戦略をとってくる競合他社との競争は避けられず、自社の役割を狙い定めたら、その市場においては寡占を目指すべきとされる。
つまり、「競争しない」ためには、(ニッチ戦略にもあるように)自社が優位となる技術や資産を磨きつづけることが必要であり、止まることのない変革を続けられる体質を構築・維持することが重要なのでしょう。
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ニッチ戦略が、事例とともに、分類されている。事例は、豊富で、わかりやすく、大変面白い。たとえば、イオンの葬儀ビジネスは、地域の葬儀屋と提携し、利用者を斡旋、思わぬ追加費用がかかる…と、これまで不透明だった葬儀費用を、明朗にし、利用者の便宜をはかった。葬儀屋にとっては、稼働率UPと、互いにウィンウィンの関係だという。グリコやアスクルは、自社製品とともに、他社製品を取り扱うことにより、スイッチコストを高める効果があった。ホギメディカルの手術キットは、これまで、看護師が時間をかけてきた手術の準備を短縮し、かつ、ヒューマンエラーを防止した。また、手術キットから、手術の人員配置、資材の量等、データを蓄積。手術室の原価計算をし、不透明だった手術室コストを明確にすることにより、病院経営コンサルに進出した。あらゆるニッチ戦略に成功した、企業の事例が、とにかく面白い。おすすめです。
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ニッチ戦略、不協和戦略、協調戦略の三本柱で構成される”競争しない競争戦略”。其々の戦略について実在企業を例に挙げて詳しく解説されております。参考文献も凄い量で、それらの書籍のエッセンスを上手に纏められた傑作だと思います。とにかく素晴らしい本!
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様々なビジネスモデルが紹介されてあり非常に参考になった。棲み分けと共生。
☆ニッチ戦略:成功の復讐と評価尺度に留意する必要がある。
☆不協和戦略:環境変化があると資産と負債は次々と変化し、いったん負債となった資源が再び資産に返り咲くこともある。
☆協調戦略:何をもって他社との協調とするかのコアコンピタスの見極めが難しい。
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様々な企業の他者と差別化している戦略を、
いくつかのカテゴリーに分類して説明している。
自社の戦略策定の助けになると感じる。
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日本の企業は国内外で価格競争にさらされ、利益率の低下に悩まされている。この状況でさらに価格で勝負しても身を滅ぼすだけである。競争しない状態をつくり、利益率を上げて消耗戦から脱する戦略を示したいーというのが本書の主旨。ビジネス書ではよくきく戦略で、言い換えると「ブルーオーシャン戦略」と呼ばれるもの。とはいえ、数々のこの手の本の中でもかなり分かりやすく、競争しない戦略を3つにしぼって、実際の企業の例を出しながら体系的にまとめたものとなっています。
競争しない戦略は、特に資金・資源の限られている中小企業が採りたい戦略で、私も自社がどのような強みを持っていて、競合する企業とまともに闘うのではなく、どの部分なら戦えるのか、という勉強会をよくしていました。この方法は競合相手と戦わず、「棲み分ける」という戦略ですが、ほかに小回りの利かない大企業の弱点をついて「共生する」という戦略もあります。いずれにしても、競合相手を敵か味方かの2拓で分けるのではなく、ある部分ではライバルだが、ある部分では味方である、という考え方をすることが、本書の特徴。
最近の例では三菱自動車の不正発覚で日産自動車も影響を受けているという記事を目にしましたが、両者はライバルでありつつ、三菱自動車の製品を日産も利用しているということを知れば、この記事の内容がだいたい分かるはず。
競争しない戦略の1つ、隙間を狙う「ニッチ戦略」はよく聞く戦略ですが、個人的な経験からいうと、この戦略は性質上利益は高いが、販路拡大はしにくいため、売上そのものは上がりにくい。そのため、社内でも「もっと広げないと売り上げが上がらない」と批判的にみられる傾向があります。この批判によく悩まされたのですが、本書では「ニッチ戦略は売上高よりも利益率を重視する戦略」とありました。理由はいろいろありますが、要するに単に拡大すればよいというものではない、ということで、また、結果的に拡大しなかった、というものでもなく、そこにはきちんとした戦略としてのやり方があるのだといいます。
このように、様々な戦略とその事例、そして失敗例、が非常に端的に分かりやすくまとめられているので、自社がどのタイプに当たるのか、あるいはどのタイプで攻めるべきか、当てはめやすい。ビジネス書として久しぶりにお勧めの1冊。
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「ニッチ戦略」「不協和戦略」「強調戦略」という、ニッチャーのとるべき戦略について事例を元に細かく解説してある。良書。フェーズが変わった段階でまた読む。
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競争しない競争戦略=棲み分け(ニッチ:特定市場に資源を集中・不協和:資源をもっていないことを強みに)共生(協調:バリューチェーンの一部に特化)
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手持ちの本を交換する社内イベントで頂いた一冊、この手のライトなビジネス書としては非常に面白く、またかなり実用的に役立てられるトピックに満ちた一冊だった。イベントにわざわざ持ってくるだけあって非常に良い一冊。
競争戦略といえばポーターだが、本書ではポーター理論に更なる「ニッチ」な解釈を加え、リーダー企業やフォロワー企業でない中堅以下の企業に向けた戦略を非常に分かりやすく紐解いている。
これはリーン・スタートアップに代表されるスタートアップの戦略にも通ずる解釈であり、正面切って競争するのではなく、如何に競争を避けながらポジションを築くのかについて考える必要のある人にとっては等しく役に立つ知識だと思われる。
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本日の本のタイトルは
「競争しない競争戦略 」です。
「競争しない状態を作る戦略をとることで利益率は高められる」
という趣旨です。
本日ご紹介する本は、
「競争しない」 ための
具体的な戦略を紹介した1冊。
ポイントは
「リーダー企業との関係」
競争しないためには、業界のリーダー企業と
棲み分けるか共生することが必要。
棲み分けるためには、リーダー企業が同じことができないことが条件。
共生では、より強い企業と協力して他の企業から攻撃されない状況を作ることが必要。
「ニッチ戦略 」
ニッチ戦略は一定数の顧客が存在するが
大手が手を出すメリットがない市場を狙うこと。
市場規模を大きくしすぎると、
リーダー企業の参入を招き、ニッチ戦略が成り立たなくなります。
ニッチ戦略は、売上高よりも利益率を重視する戦略と言えます。
「協調戦略」
協調戦略 は、他社のバリユーチエーンの一部の機能に特化して、
競争しない状態をつくる戦略 。
例えば、航空機エンジンでは世界の半分以上が
GEのエンジンを搭載しています。
GEは航空機のコアな部品であるエンジンに特化することで
競争を避けています。
また、オフィスグリコは
一般企業の仕事場にお菓子を置くサービスですが
グリコのお菓子だけではなく、他社のお菓子も
加えることで相乗効果を上げています。
いろいろな競争しない戦略があります。
競争で疲弊しないためにも
ぜひ、読んでみてください。
◆本から得た気づき◆
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自然界には多種多様な生物が暮らしている。そこには、「棲み分け」および「共生」がある。
「競争しないこと」が企業の利益率に良い影響を与える
「ニッチ=小さい売上」ではない。一定数の顧客が存在するが大手に支配されていない市場のこと
差別化はリーダーと戦う戦略であり、ニッチはリーダーとは戦わない戦略である。
ニッチ戦略は、「止まつてしまうといつかは浸食される」宿命にあり、常に技術や資源を磨いていく必要がある
競合企業のバリューチエーンの機能の一部を代替する
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◆目次◆
第1章競争しない競争戦略
第2章ニッチ戦略
第3章不協和戦略
第4章協調戦略
終章薄利の奪い合いからの脱却
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他社、特にリーダー企業とどう競争せずに、自社の成長を果たすか?
「ニッチ戦略」「不協和戦略」「協調戦略」、それぞれに関して、
非常に多くの企業の実例を挙げながら、実証する1冊。
良くも悪くもビジネススクール教授の書いた本に感じる。
もう少し例を少なくし、個々の事例を厚めにした方が個人的には良かった。
但し、考え方は極めて体系立てて書かれており、理解しやすい内容。