淡々とした文章で語られる不思議な話
2017/07/24 18:11
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投稿者:黒 - この投稿者のレビュー一覧を見る
古い箪笥を引き取ったことをきっかけに起こる不思議な話が、淡々とした文章で綴られている。怪異を描いた作品ながら怖さは感じず、落ち着いて読める感じが心地良い。日常のすぐ隣にある不思議な世界を覗き込むような物語。
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長野作品なのに一般向けで超びっくりした! 何このほのぼのした話!
箪笥、という言葉はやはり魅力的ですね。古い空気と独特の懐かしい香りがある。それらを言葉にしたような話です。読みやすい短編形式です。
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ほう、長野まゆみってこういう雰囲気の話も書くんだ。というのが第一印象。譲り受けた箪笥から現われる怪異。聞こえないものを聞こえてしまう少年期の弟、それらがすごく日本的な感覚なんです。
此岸と彼岸、夢と現、過去と現在、それらがない交ぜとなり境界線が薄れていく。しかし登場人物たちはきちんと地に足のついた生活を送っている。どちらかに片寄るのでなく、たゆたうように境界線の辺りを漂う文章が気持ちよかったです。
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パート仲間さんに借りました。 不思議な香りのする短編連作集です。 連作だから〜お話のトーンは同じ。。。です
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「そうそう、そうなんだよな〜」「あぁ、そうだったよね〜」
小さなエピソードに妙に共感できたのは子供時代を送った「昭和」が感じられるから?
箪笥の引き出しをめぐる不思議な短編連作は、どれも郷愁を覚える心が和む作品。
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視点も時間もあやふやでふわふわしていてなんだか新鮮でした。
姉弟とあやかし。ハトくんがとてもかわいいです。
音とか。
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長野作品では一番好きかもしれない。長編は中だるみになるのでごくみじかい話の方が巧い作家さんだと思う。珍しく女性主人公
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長野女史の作品では珍しく、大人の女性が語り手。
文章の雰囲気もなんとなく、長野女史らしくないという印象。
すっきりさっぱりしすぎている。
やはり長野作品は初期だなあ、と思ってしまった。
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親戚から貰ってきた、重厚な、昔ながらの箪笥。
それをもらった『姉』と、それを姉の家まで運んだ『弟』の
文章だけの箪笥話。
会話文はあるのですが、かぎかっこで、というわけではなく
ただ文章があるのみ。
淡々と話が進んでいくので、状況その他が分かりやすいです。
しかし、年代が分かりません。
今なのか、それとも少し昔なのか。
名前を言ってはいけない、という事で、唯一? 登場して
他者から名前を呼ばれている甥っ子も、あだ名。
…そこが謎です。
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少年アリスからの読者にとっては年齢を感じさせる作風になったなぁというのか素直な感想です。
妖との遭遇が日常的に淡々と綴られていくのは長野作品らしいです。
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長野まゆみってそういえば読んだことないと、図書館で借りてきてみました。
不思議な淡い色合いを持った作品で、進んでいくテンポが好きだった。且つ、ちょっと妖が関わる感じがほのぼので。
何故か長野まゆみはBLなイメージだったのだけど、違うのかな?もっと他の小説も読んでみたいかなー。
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すべてを語られてしまうほど退屈なことはない。
それは親切でも丁寧でもなく、ただ、無粋というものだ。
この世とあの世をわけなきゃいけないなんてことはなく、
あっちとこっち、ゆるゆると行き交い、交錯する。
しろとくろに分けろなんて、だれも決めていないのだから。
「私」は「弟」にくらべると、こっちに重心を置いて生きている。
それが、読者を安心させて、物語に深く入り込ませてくれる。
「弟」があれやこれや、正体不明の存在を引き寄せてしまうのは、彼がそういう存在も、あって当然と自然に受け容れているからだろう。
ただ、物語を楽しむだけでなく、いまは耳にすることもめっきり減った言葉や名称に触れられることも、また一興である。(片手に辞書があると良い)
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見える人の弟と、たんたんと家族をやっているお姉さん。
多少の不可思議なことには動じない。
弟のお嫁さんも動じない。
不思議な風景が、"住む場所を選ぶ箪笥"を中心に語られていく。
短編集だけれど、一編読んでは余韻にひたり、短編の数だけ日数が過ごせる本。
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これほど不思議な雰囲気の漂う小説。という説明がしっくりくるものもないでしょう。
次へ次へと言葉を求めていく。それは小説として求められるべき文章力なのですが、この作品では言葉をじっくりと噛みしめながらよみたいという欲求がわき上がります。
長野まゆみ先生の初期作品のような、総じてほっこり出来る雰囲気をもつ小説でした。
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子供の頃よく想像した、ドアの向こうにある異次元の世界を髣髴とさせる。
この書ではドアではなく箪笥なわけだが、異次元の世界へこちらから赴くのではなく、向こうの住人がやってくるのである。
ワクワクしながら読み進めることのできる1冊。