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組織社会の中でリーダーとして求められる能力を、歴史上の人物の評伝を交えつつ語った本です。
『三国志』や『平家物語』、『太平記』といった軍談、あるいは、荒木又右衛門の伊賀上野の三十六人斬りや岩見重太郎の狒々退治などの講談は、史実に忠実ではないところはあるものの、過去の時代に生きた人物があたかも眼前に生き生きと動いているかのような印象を読者に与えてくれます。本書は、そうした気楽な軍談的座談を著者が試みた本です。そうした話を通じて、、今リーダーに求められている資質が何なのか、著者自身の考えが示されています。
取り上げられているのは、ドイツ参謀本部のモルトケとその組織論、豊臣秀吉の「英雄的資質」、乃木希典の「統率力」、大久保利通のリーダーとしての手腕などです。
著者自身が「気楽に話したものであるから気楽に読んでいただければありがたい」と述べているのですが、「情報力の高め方」や「後継者育成のノウハウ」を、講談調の歴史語りから引き出そうというコンセプト自体が何だか貧乏くさいと感じてしまいます。