とてもややこしかった・・・
2021/01/30 13:00
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投稿者:うささび - この投稿者のレビュー一覧を見る
とてもややこしくて読んだ後何を読んだんだか分からないままだったけど、すごく面白かったという感覚だけは残りました。
作中作ものとは聞いていて覚悟はしてましたが、キャラの多さと物語の長さで途中からワケわかんなくなって、メモ用紙に二つの世界線でのキャラ設定と出来事をメモしながら読みました(笑)
あのキャラはこっちの作中では生きてるけどあっちでは死んでて、あっちの作中では陰険だけどこっちでは気が良くて・・・などメモ書きしてなかったら大パニックでした。
なんちゅー本だこりゃ!と思いながら、でもすごく引き込まれて途中でやめることはできず、ニヤニヤしながら進めていきました。
人にどんな話?と聞かれてもとても私では説明できないな・・・と思いましたが、これだけは言えます。読んでる間楽しかった。いろんな意味でとても心に残る作品です。
忘れられない読書体験
2023/03/16 21:07
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投稿者:破壊神小畑 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第四の奇書と呼ばれている本作。
前々から評判を伺っており、満を持して読んでみました。
結論から言うと、めちゃくちゃ面白かったです。
内容は複雑で、仮想と現実が入り組んでいたり、他分野に及ぶ専門知識の話であったりがあるのですが、それも含めてすごく面白いです。
読み終わった後は「こんなの読んだことない・・・・・・」という感覚になりますので、分厚いですが頑張ってください。
この作品は日本三大奇書から影響を受けていますので、これを読む前にそれらを読んでおくとさらに面白くなります。
最後に、解説は先に読まないほうが良いです。ネタバレになっていますので。
何度でも読み返す価値のある1冊
2022/01/29 20:37
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投稿者:yino - この投稿者のレビュー一覧を見る
「第4の奇書」とも称される竹本健治氏のデビュー作。作中に登場する人物達の実名小説である作中作と、本筋の境界線がどんどんと曖昧になっていく様は、なんとも独自の読み応えがあります。一応の謎解きは行われるものの、この複雑怪奇で不安感を煽る構造そのものがこの本の魅力だと思います。この本に対しての、色んな方の意見、考察を聞いてみたい。
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推理小説マニアの大学生・曳間(ひくま)が、密室で殺害された。しかも仲間が書いている小説の予言通りに。現実と虚構の狭間に出現する5つの《さかさまの密室》とは? '78年、弱冠22歳の青年によって書かれたこの処女作は「新本格の原点」、「第4の奇書」と呼ばれる伝説の書となった。いまだ色褪せない未体験の読書を今こそ!
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『四大奇書』の1冊。他の3冊は持っているのだが、何故かこれだけちゃんと読んだことがなかった。理由は自分でもよく解らないが、偶々その時、手に入りにくかったとかそういう単純な話なのだろう……多分。新装版が出てくれて良かった。
ペダンティックで登場人物がよく喋る、影響という意味では『虚無への供物』からの影響が最も強い。その次に『黒死館殺人事件』だろうか。やっぱりこういう『ミステリ』が一番好きだなぁ、と思わせてくれる1冊。
尚、新装版では『匳の中の失楽』が収録された。こちらは本編の幻想味だけを抽出したような短編。
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12/19 読了。
楽しかったー!『虚無への供物』を読み返したくなる。しゃべくりで持ってくミステリーがまず好きだし、入れ子式の構造も好きだし、不完全な神様オチも好きー!
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前に双葉文庫版を読んでいるから、一応再読に入るのかしら?やはり凄い作品だ!一体どちらが現実で、どちらが作中作なのか全くワカラナイ…この終わり方では彼ら自体もしかしたら存在などしていなかったのでは?・・と、思ったり思わなかったり。とにかく頭の中がパニックになること必須。これを機にたくさんの人に読まれますように。ちと高いけどw
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2年前に新装版講談社文庫が再発されて、特別短編「匳」が収録されたので購入して再読。
たしかン十年前に講談社文庫で「虚無への供物」に続く第四の奇書という謳い文句で紹介され、手にとって寒い夜に読んだのが初見だった。
始まりからして霧のかかった夜に一人歩きしている大学生のシーンだったんで、あまり期待はしてなかったのだけど埴谷雄高の「死霊」と比較すると、ああなるほどとは感じた。この作家は後に発表する「ゲーム殺人事件」や「ウロボロス」シリーズの方が理解しやすいので、そちらを読んでからチャレンジされるといいかも。
2019年は「匣」の記念限定豪華本を上梓するとかでちょっと楽しみ。
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ページの多い本だったけど、集中して面白く読めた。
勿論、古い作品で謎な部分も多いので、全てを読みつくしたのではないことは
わかっているが、それでもやはり面白い。
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『虚無への供物』の後に読むとほんとに工夫されてるなと思う。別の角度から再表現してるというか。虚無への供物もそうだけれど、酩酊感で作中に気を取られているところに終盤のラッシュがあって、正気に戻って現実世界に立ち返ると、現実にいながらにして作中に巻き込まれてる。哲学の思考実験とか、不確定性原理とかスリット実験とか、ラプラスの魔とか、そういう知識を面白がって中学くらいから調べて読んでいた無意味と思われるような趣味が『匣の中の失楽』で普通に語られているのがほんとに嬉しい。四大奇書読破の最後の一冊に相応しかった。
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双葉文庫版を10年以上前に読んだきりですが、今回こちらに「匳の中の失楽」も併せて収録されるということで購入。久しぶりの再読になりました。
この作家さんにしか出せない空気感みたいなのが濃厚に漂ってて良いですよね。あの章が変わる毎に襲い来る酩酊感を楽しみながら、今回も作品の中を漂ってきました。
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本編は講談社ノベルス版で読んでいたけど、小説はやっぱり文庫版サイズで統一したいという思いと、ノベルス版になかったサイドストーリー目当てで。サイドストーリーは本編の前日譚にあたるのかな。ナイルズとホランド、そして黒魔術師曳間の、現実と現実の狭間のお話。
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五年以上積読だったのを、ようやく読む。
「虚無への失楽」と「死霊」に大きく影響されているなと思いながら読んでいたが、解説を読むと確かに「ドグラ・マグラ」や「黒死舘」からの影響も。
ミステリはとくに、登場人物が魅力的かどうかが重要視されるが、
本作では人物の描きわけができていない、というより、されていない。
(女性の魅力のなさも)
そしてそれがメタミステリゆえに現れる特徴としても機能している。
若書きの作品としては巧妙すぎて卑怯だなーと思う。
登場人物たちは、いや「人形たち」は全員平板な顔つきをした、紙に書かれたままの顔で、語る、語る、語る。
とにかく独特の空間を作り出している。
メタミステリというところだけでなく、文体や描写という点からも、インパクト大。
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この本を読んで、最初『読解力が足りないんじゃないか?』そう思った。
しかしもう、そう思った段階で作者の罠にはまっていたのだけど(笑)。
読んでいくうちに、幾重にもかこまれた迷宮に落ちていった。
そして、真実とかそういうものがあまし意味をなさなくなっていく。
仲間の殺人を信じ、それを暴こうという狂気。しかし、誰もそれに気づかない。
そして、狂ったったまま静かに迷宮の中でゆがんだ真実と、現実をすりかえる。
そして、そのまま音もなく本当に静かに物語は終焉してしまう。
読み終わったとき何となく、これがフィクションで本当によかったと思った。
■追記■
この作品が竹本さんのデビュー作(1978年)であるらしいが、非常に完成度の高い繊細な作品である。しかし残念ながら、この作品以上のものに出会ってはいない。デビュー作以上のものに出逢っていない作家は実は他にも多い。綾辻行人『十角館の殺人』森博嗣『すべてがFになる』・・・。綾辻さんのものは、これ以上のものに出会っていない・・・というより、他作は冒頭の消防法を無視したような館の見取り図で挫折してしまった(笑)。ちなみに実は奥さんのアニメ化された某作品も冒頭の地理学上ありえないような地図で挫折してしまった(駄目すぎ)。森さんの作品については、シリーズほぼ全部を一応読んで、やっぱし最初の作品が一番よかったと思っている。そして逆に『月光ゲーム』でデビューした有栖川有栖氏は、これでよくデビューできたと別の意味でびっくしした。多分、最初にデビュー作を読んでいたら絶対に他の作品を読むことはなかったと思う。しかし、一番驚いたデビュー作といえば清涼院流水『コズミック』である。何に驚いたって・・・もう、そりゃ厚みである。しかし、読んでさらにびっくりしてしまった・・・その内容のあましの薄さに。
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いやー、奇書。奇書だ奇書だとは聞いていたが、やっぱり奇書だった。22歳の青年がこれを書いたって?うそでしょー!?
さしずめ現代に蘇る黒死館殺人事件ってとこか。全編を通じて醸し出されるペダンティックで奇妙な空気は、僕のようなある種の人間を熱狂させる。
次から次へと姿を見せる謎、そして謎解き→その謎解きの否定といった推理小説の王道の繰り返し。もう、心躍らないわけがないって感じ。
ただ惜しむらくは、最後がしりすぼみだったこと。
結局、回収されていない謎がむちゃくちゃ多くないか?
なんかこう「ああ、惜しい。あと1ミリだったのに」感が漂うなあ。
ま、という欠点を補ってあまりある結論までの流れなので、星5つ。しつこいが奇書だ。