理論と現実のバランスがよい
2016/02/16 17:36
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投稿者:希望の民 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞記者としての著者の蓄積が生きた本。バブル崩壊後の日本の銀行界の動きを丹念に追っているのに加え、経済理論や歴史的な背景の説明もあって読みやすく、わかりやすい。最終章には、個人の利用者、経営者、監督官庁など様々な視点を踏まえた筆者の提言があり、参考になる。一般読者向けのベストセラーなどからの引用も興味深く、一気に読み終えた。
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90年代以降の銀行業界を取り巻く再編の流れ、その内幕。過去から未来への銀行業界の過大などがとてもわかりやすい文章で書かれている。
とても参考になった。
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前半のドキュメンタリー部分はまあよかった。いかに銀行が適当に運営されてきたか、とか裏話的に書かれてた。しかしその中の考察で経済学的部分に怪しさが散見され始め、最終章の提言部分では引用されるものが勝間和代にワイン内藤、最後は恋愛工学藤沢ときた。日経新聞大丈夫なのか。
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2016/05/03読了。
歴史を知らないと、ビジネスマンとしては絶対に一流になれない。
金融業界を取材してた著者ならではの臨場感のある記述は、銀行の歴史をライブで体験しているかのような気分にさせてくれる。
一方で、銀行の課題や未来に関する部分については、本質をついているか疑問を感じる部分も存在。
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内容云々以前に、読みづらい本だった。
筋がはっきりせず、横道にそれまくるので、結局何が言いたいのかわからなかった。
着眼点は悪くないだけに、残念。
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副題にあるように1995年頃からの銀行をはじめとする金融機関の再編の歴史が、経営トップなどの取材などを元に描かれている。
複数の経営者の視点を取り込んでいるので、時間軸が行きつ戻りつしている部分があるが、再編の裏事情が良く分かった。
このドキュメントの部分はお勧めです。
また、数多くの本の引用が出典と共に記載されているので、気になった部分の原本を見ると良いだろう。
いくつか原本でおもしろそうなのもがあるが、すべて読むのはかなり大変なので、この本はそれらのエッセンスを取り入れているという意味でもお勧めです。
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1から4章までは日本の金融危機以降の銀行再編の話が関係者からのヒアリングも入り上手くまとまっている。大和銀行から始まり、次が長信銀でメガバンクが3手目というのは良いセンスをしている。
ただ、最後の第5章が銀行論的な話を展開しているのだが、それまでの章と比べて内容がかなり薄っぺらい。この章はない方がよかったのではないかと思う。
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ドキュメント 銀行 金融再編の20年史─1995-2015
2015/12/26 著:前田 裕之
銀行とはどんなところで、何を考え、どう行動しているのか、よく知っている人は少ないのではないだろうか。
メガバンクを中心に日本の銀行は今、経営が安定しているようにみえるが、銀行は本当に安全なのだろうか。バブル経済が崩壊し、不良債権問題を抱えて瀕死の状態に陥った銀行界が立ち直ったと言えるのは、ほんの10年前である。日本の銀行は総じて影響が小さかったが、2008年秋のリーマン・ショックが引き金となり、世界の金融機関の経営が大きく揺らいだのは記憶に新しい。
「銀行業とは何か」、「銀行は安全なのか」という疑問に答え、これから銀行とどう付き合うべきかを考えるヒントを提供するのが本書の狙いである。構成は以下の5章から成る。
①金融危機の「入口」と「出口」
②消滅した長信銀
③メガバンクは変身したか
④進まぬ新陳代謝
⑤銀行に未来はあるか
業界にお世話になっている身としても十分に理解できていなかったことが多いと痛感させられた。20年という期間は金融史からみれば短い期間であるものの確実に激動の濃い20年であることは疑いの余地はない。
大きな動きの中でも動いているのは「人」。しかし、大きな歴史のうねりの中では「人」の「想い」だけではどうしようもないことも多い。
歴史から学ぶこと。反省すべきことはたくさんある。
未来を変えるには過去を受け止め、今を把握することが大切。
また違った思いで仕事にも従事できそうである。
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この20年間で大きく統廃合が進んだ銀行業態の歴史を紐解いた本。その時々のキーマンの視点で物語が進むので面白い&生々しいし、複雑な統廃合の流れがだいたいわかるのです。
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なんのレビューを見て買ったのかを全く覚えていなかったけど、だいぶキンドル内に積ん読していた本。結構長編だけど意を決して読んでみたら銀行の歴史や銀行の存在についてなどが、銀行員などにフォーカスを当てて書かれていたので面白かった。
あとがきより
筆者は 、この 1冊を読めば 「銀行とは何か 」 、 「バブル崩壊後 、日本の銀行に何が起きたのか 」 、 「銀行を巡って今 、何が議論されているのか 」をつかめる本を作りたいとの思いで本書を執筆した 。
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処分しようかと思いその前に再読した。ところが、改めてその完成度の高さに驚いた。業界の復習用、そして参考文献を参照するために、もう少し手元に置いておこうと思った。
本書の内容は、金融業界、なべても銀行業界の現代史である。業界そのものが小難しい固いイメージがあるが、本書は非常に読み口がなめらかでまとまり感が半端ない。従い、業界人が概観を復習するのみ読むのにも適しているし、銀行業界に興味のある方、あるいはそこを目指そうという方が近年の状況を勉強する為にも非常にお勧めできる。
改めて述べるが、本書の内容はタイトル通り、金融再編の20年史である。この端緒を大和銀行事件とし、次に長信銀、そしてメガバンクの再編を順に詳述している。加えてネット銀行の隆盛についても付言している。この一連の再編を通底しているのがバブル崩壊と護送船団方式の瓦解、そして金融ビックバンである。
筆者は上記の再編の流れと日本の金融行政の変化を、自身の各方面への取材での印象や各行トップの著書なども取り混ぜることで実にビビッドに描いている。ここから実に見事に、出来事の中心人物たちがどう思いどう考えていたかを考え、述べている。本書はこの点で銀行史について深い理解を与えてくれる。
本書の最終章は「銀行に未来はあるのか」というタイトルだ。当然のことながら明快な答えなどはない。ただ私は、通読して改めて、旧来の護送船団方式にも或いはアングロサクソン型の自由主義的な経営もどちらにもプロコンがあると気づいた。時代にあう運営という要素も必要だろうが、地域や文化に根差した運営も考慮すべきかもしれない。その意味で、政治家や官僚、そして経営者に必要なこととは、変化を続ける世の中にプロアクティブに対応する・試行し、ベストミックスを探ることなのかもしれない。
ふと思ったが、おじさん(私も含め)や経営者が愛読書として辛気臭い歴史書を挙げることがままあるが、その理由は、こうした時代の変化への対応に対し解答やヒントを過去の歴史や事例に求めるからなのかもしれない。
・・・
まとめると、本書は日本の現代金融史を学ぶ上では非常にまとまっていており、お勧めができます。ただ、たった20年ばかりで世の中の建て付けがいかに変わってしまうかが良く分かります。銀行業界を含め、常識や慣習が実はたった一時のことに過ぎないのだと思うと非常に感慨深いものです。