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もはや古典。エンタメ作品としての読み応えは現代のエンタメ志向のミステリには劣る気がするが、作品に漂う独特の雰囲気は心地よいものがある。あの時代の空気感を味わいながらスローペースで読んだ。
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分厚くて時間がかかった。約一年かかった。
初めてチャンドラーを読んだ。人気があるのがわかる。マーロウが気障でカッコよかった。あと、アイリーンがお茶を入れているところが上品で好き。
清水さんの本と比べたらすごい分厚くなっているから、“また、村上春樹が注釈いれて半分エッセイみたいになってるんやろう”(ティム・オブライエンの本がそうだった)と思ってたけど違うかった。清水さんの本が省略している部分が多いらしい。解説も少しだけ。解説のニック・キャラウェイとマーロウが同じ役割をしているという『グレート・ギャツビー』との比較が面白かった。
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イライラしたり、ハラハラしたり、ドキドキしながら読了。
村上春樹が言うチャンドラーの文章のうまさを感じるには自分のレベルが足りない気がする。
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だいぶ前に清水訳を読んで以来の再読。内容については名著すぎて言うべきことはほとんどないが、村上春樹訳は、あっさりめだがくっきりはっきりと書かれていて細部がよく分かる印象で、作品そのものの文学性を味わうにはこっちの方がいいかも。
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何度でも読みたい。
確かに時代背景は古いのだけど、
心地好い重さで自分の中に落ちてくるような。
あまり古さは感じませんでした。
マーロウがなんとも渋く、好ましい。
最後までカッコいい。
話そのものも最後までカッコいい。
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いつか読みたいと思っていたけれど、文庫になったし、その文庫のカバーもシンプルで素敵だし、というわけでついに手に取った。
翻訳者の名前というのは、やっぱり一種の品質保証。
スピード感重視でぐいぐいと読み進ませる最近のミステリー小説と違って、シンプルなのに細密な構造や言葉の選び方、文章の運び方はさすがの質感だった。
ところどころでびしっと決める台詞のかっこよさ、スタイルがあるってこういうことかと納得させてくれる。一読の価値ありです。
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翻訳でも村上春樹っぽい感じがするのは不思議。ミステリーとはいえ、ぐいぐい引き込んでくる感じではなく、淡々とした印象で途中少しつらかった。主人公マーロウにいまいち惹かれなかったせいもあるかな。
ま、読み終わってみると、まぁまぁ面白かったかな、という感想です。
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何を以て「面白い」とするかは、ひとえに決着のつけ方にあるのだと思います。
「終わり良ければすべて良し」がすべての事柄に当てはまるとは言いませんが、少なくとも小説においてはいくら序盤中盤が面白くてもラストに満足いかなければ、それは手放しに面白いと言えるかどうか。
この小説はそういった面で「面白い」と言うに足ります。最後まで一環したハードボイルド調の文章は、淡々とした物語と相まって中盤は読むのが辛くなりがちですが、ラストではそれが生きてきます。
決してハッピーエンドというわけじゃない、切ないとも悲しいともどこか違う感情が読み終わった時に残ります。
村上春樹の最早あとがきの範疇に収まっていないあとがきも圧巻。
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清水版は2度、これで3度目。村上春樹のパスティーシュを本人訳で読んだようなヘンな感じ。もちろん本末転倒な感想だが。改めて例の有名な台詞の破壊力は凄いと感心。その台詞自体が凄いのではなくそれが発せられるまでの長い過程が凄いのだが。まさに殺し文句。
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The Long Goodbye(1953年、米)。
ハードボイルドの代名詞、私立探偵フィリップ・マーロウのシリーズ。同シリーズの中で一般に最も評価が高く、チャンドラーの代表作として知られている。
マーロウはふとしたことからテリー・レノックスなる男と知り合いになる。大富豪の娘を妻とし、何不自由ない生活をしながらも、彼はどこか蔭を宿していた。幾度か杯を重ねるうち、二人は友誼を感じ始めるようになる。だがある夜、テリーの妻が惨殺され、容疑者と目された彼は、逃亡先で自殺してしまう…。
マーロウ、ラブ! タフでシニカル、でも実はロマンティストで、結構センチメンタル。ヒーローとしてはお約束のようだけど、彼が元祖みたいなものだから、やはり敬意を表するべきかと。破滅的なテリーは勿論、噛ませ犬っぽいメネンデスも何となく憎めなくて好き。「さよならを言うのは少しだけ死ぬことだ」とか、「ギムレットには早すぎる」とか、ちょっとした決め文句の宝庫でもあり、村上春樹氏に「準古典」といわせるだけのことはあると納得。
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村上春樹訳でもやっぱりフィリップ・マーロウは
ハードボイルドでした。
さすがにあまりのコテコテのハードボイルドっぷりに
辟易したものの、それはチャンドラーや村上春樹のせいでなくて、
膨大なフォロワーやパロディのせい。
1950年代の作品で古さもあるが、
練られたプロットや気の利いた(やや鼻につく)会話など、
得ている評価にふさわしい名作と思う。
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村上春樹訳の「長いお別れ」
私立探偵フィリップ・マーロウは、一人の男と出会う。男をめぐる謎と、その別れ。
ハードボイルドというと、なぜかハンフリー・ボガードの顔が浮かぶのである。で、その印象とは全く違うマーロウ像に戸惑いつつ、結局のところひきこまれる。
確かに、物語はハードボイルドなんだろうけど、卵っていうより、もっと無機質なものを感じた。
というのは、ようするにマーロウを描いているようで、実際にはテリー・レックスという不器用で純粋な男を描いているからなのだろう。直接その像を見るのではなく、投影された影を見るように。
影は、無機質なものだ。
そして、とても情緒的で詩的な文章が、いやおうなしに切なくさせてくる。
やっぱり、名作なんだなと実感した。
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アメリカ古典は苦手なんだけど、これは推理小説風ということもあり苦にせず読めた。
村上春樹は翻訳しただけなのに、なんだかとっても村上作品ぽい。
もともとチャンドラーが同じ雰囲気を持っているんだろうか。
劇的に何かが起きるわけではなく、わりあい淡々とストーリーは進んでいくんだけど、何か目が離せない、そんな感じ。
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私立探偵とかいう怪しい職業のオッサンがお酒飲んで警官やらならず者と喧嘩するだけの話なのに表現力豊かでめちゃくちゃ面白い。
長いし言い回しも凝ったものが多いから読むの大変かもしれないけどすごいおすすめ。
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結末は早々に想像できたが(この手のストーリーの元ネタになってるのかも知れない)そこまでの流れがまどろっこしく、思わせ振りで(これがハードボイルドの様式美?)好きな人には良いのだろう。
私も好きだ。