すごいトリック・・・なのか?
2016/09/18 02:02
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投稿者:ヒロユキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある別荘で女性が殺害され、警察の捜査により女性の夫、夫の双子の兄が容疑者として浮上する。しかし、犯行があったと思われる日時、夫は九州に、双子の兄は東北にそれぞれ確かにいたという鉄壁のアリバイがあった。2人は本当に犯人では無いのか、はたまた何らかのトリックを用いたのか・・・
有栖川氏が学生時代からあたためていたという、いわゆるアリバイもの。
正直、読み終わったあとに感じたのは、一卵性双生児の特性を生かしたトリックがこれ?ということです。
作中あるように、確かに日本の公共交通機関の発着時間はかなり正確であり、だからこそ日本のミステリ小説ではアリバイトリックが一大ジャンルとして確立された、というのは理解できます。
それにしても今作のトリックは、懲りすぎているが故に綱渡り的な要素が多すぎると感じるのです。むしろ犯人が何らかのミスを犯し、そのせいでほんの些細な(しかし決定的な)証拠を現場に残してしまい、それを探偵(或いは警察)が暴く・・・という方がまだ納得できます。
さらに登場人物の一人であるミステリ作家の行動には首を傾げてしまいます。いくら犯人が憎くてもそれは如何なものか・・・
結局、今作は有栖川氏が作中で『アリバイ講義』をやりたかっただけなのか?
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文章が若くて、大阪のツインタワーも出来たばかりで(笑)
やや時代が古い感じがするが、作者の意気込みがヨシ!
文中のアリバイ講義が面白い!
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謎解き・トリック解き・アリバイ解きが好きな人にはよさそう。
犯人は最初から最後まで「あー、あの人ねー」ってわかる仕上がりにしてあって、とになくアリバイトリックを楽しむ感じの内容でした。
でもそういうの面倒くさい人には…w
マジックミラーの喩えはなるほどなと思いました。
初有栖川クリアー!
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殺害された女性。女性の夫と双子の弟に容疑がかかるが二人には鉄壁のアリバイが。女性の元恋人で推理作家・空知。殺害された夫。遺体の首と手首が切断。消えた弟。
2010年1月26日購入
2010年1月29日読了
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双子と鉄道ミステリーを組み合わせた作品。
どうも鉄道ものは相性が悪く、時刻表を相手に没頭する気持ちになれません。
読後に残るちょっとした悲壮感はあったのですが物足りなさを感じてしまったのは、密室ものに毒され過ぎてしまったからでしょうか。
作中に『アリバイ崩し』をパターン分けした講義が行なわれるのですがこれは必読かも!?
月光ゲーム、孤島パズル、双頭の悪魔のシリーズが非常に面白かっただけに、今回は趣味にあわず残念。
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アリバイ講義が目を引きます。
曰く、
1. 証人に悪意がある場合
2. 証人が錯覚をしている場合 (a.時間、b.場所、c.人物)
3. 犯行現場に錯誤がある場合
4. 証拠物件が偽造されている場合
5. 犯行推定時間に錯誤がある場合 (a.実際よりも早く偽装、b.実際よりも遅く偽装/A.医学的トリック、B.非医学的トリック)
6. ルートに盲点がある場合
7. 遠隔殺人 (a.機械的トリック、b.心理的トリック)
8. 誘導自殺
9. アリバイがない場合
さて、犯人はどのようにしてアリバイを確立したのか。
そして謎の真相は??
本格的で読み応えのある作品です。
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やられた!って感じでした。
はらはらして読んでいて、とにかく引き込まれました。有栖川有栖さんの本の中で一番読み応えがあるんじゃないかと思います。
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えーと、時刻表トリックは苦手です
古い時刻表なのか、それとも私が見慣れてないだけか、時刻表見せられてもそもそも見方がわかりませんでした…ああ…バカすぎる…
犯人自体は、後半で分かりますが、ハラハラして読めて楽しかったです
作家アリスシリーズも読んでる人は、同じ編集者の片桐さんが出てくるので、同じ次元なのか、作家アリスの作品なのかで色々想像したら楽しいです
すごくロマンチックで切ない話でした
鉄道ミステリがわからなかったわりに、すごく好きな作品です
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双子、アリバイ、時刻表という古典的な材料ですがとっつきやすく、新鮮なトリックに感じました。
悲恋物語の側面も持った、濃密な推理小説だと思います。
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琵琶湖に近い余呉湖畔で女性の死体が発見された。殺害時刻に彼女の夫は博多、双子の弟は酒田にいてアリバイは完璧。しかし兄弟を疑う被害者の妹は推理作家の空知とともに探偵に調査を依頼する。そして謎めく第二の殺人が・・・。犯人が作り出した驚愕のトリックとは?
有栖川作品の原点ともいえる傑作長編。
(「BOOK」データベースより)
アリバイもののミステリを読むと、この作品のことが解説なり作中なりに出てくることがしばしばある。そこで、ミステリ好きとしては読まなくては話にならないと手に取った次第。有栖川氏の作品はこれが初めてである。
小説でもドラマでも時刻表を用いたアリバイトリックは苦手だ。細かく考えるのが面倒になる。これもその類かと最初は少しガッカリした。しかし、それだけではなかった。本作は「アリバイ講義」が有名。登場するミステリ作家である空知がとある大学でミステリにおけるアリバイトリックについて講義しているのだ。ディスクン・カーの「密室講義」に対抗(?)して。実際にいろんなミステリを例に挙げながらの「アリバイ講義」は興味深かった。
第一の殺人の犯人は冒頭であらかた見当がつく(最後にどんでん返しを少し期待したが)。第二の殺人は、起こったその後の不自然さから、これもすぐに見当がつくだろう。そう思いながら読んでいても、そのアリバイトリックとは一体どのようなものなのか、全くわからない。種明かしされて初めて、なるほどと頷くのだ。
読み終えた今、このタイトルの意味するところがわかる。このミステリ全体にわたって関わってくるもの。それが「マジックミラー」。一方からは相手が見え、他方からは見えない。
有栖川作品はもっと小難しいものだという先入観があった。なぜだかわからないが。しかし、実際にページをめくってみると、そんなことはない。こんなに読みやすかったのか、と驚いた。綾辻作品にも同様の先入観を持っていた。これから数年間は読みたいミステリが山積みの状態が続くだろう。
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アリバイものは少し苦手なんですけど、でもなかなか面白くよかったです。
最後にサプライズもあり、いい感じでした。
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1つめの犯行はアリバイも破り犯人もわかりました
2つ目の犯行は、犯人は確信するのにアリバイは破れなかったのが歯がゆかった!
まっとうな推理小説でした!
おもしろかったです。
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トリックもアリバイもちんぷんかんぷんだったから、普通に読み進めてた。犯人はなんとなく想像ついてたけど、最後にびっくり。
こういうのを推理しながら読めるよう人になりたいなぁ。
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最初の犯人はすぐに分かったんだけど
次の犯行は、最後までわからなかったーー!
まさかまさかでした!!
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琵琶湖に近い余呉湖畔に経つ家の中で、女性の死体が発見された。
殺害時刻に彼女の夫は博多へ出張しており、
その双子の弟は酒田にいて、双方アリバイは完璧。
しかし、彼らに対して微かな疑念を抱いた被害者の妹、ユカリは、
推理作家の空知とともに、双子の調査を私立探偵に依頼する。
だが、警察や探偵が知恵を絞っても彼らのアリバイは崩せなかった。
そして事件から半年が経った頃、第二の殺人が起きる。
現場はまたしても余呉湖畔のあの家で、被害者は双子のどちらか。
死体からは頭部と両手が切断されていたため、
被害者がどちらであるか特定ができなかったのだ。
はたして殺されたのはどちらなのか?
犯人はいったい誰なのか?
驚愕のアリバイトリックの全貌は?
新本格世代を代表する作家、有栖川有栖の初期の傑作。
これまで「月光ゲーム」「孤島パズル」と
有栖川作品はふたつだけ読んできて、
どちらに対してもあまり良い感想を抱かなかったのだが、
今作は、それらに比べればはるかに読みやすかった。
おそらく、今まで読んだ2作品に漂っていた
妙なロマンチックなムードがなかったことがその理由だろう。
あの肌にあわない甘ったるい感じがこの作品にはなかった。
これは良かった。
ミステリとしてはよくできていると思うが、
トリックは看破できなくても真相はある程度読めたし、
ストーリー性もあまり高くないため、
やはりどうしてもただのパズル小説といった趣が強く感じられる。
作中で空知が用いた表現を借りるなら
「推理小説的手法の表現のための推理小説」
にあたると思われる。
このへんは個人的な好みの問題になるだろうが、
それらの「手段が目的になってしまった推理小説」には
今の自分はそれほど強く惹かれない。
自然、評価も低くなってしまうのは避けられない。
ただ、嫌いではないので、これからも有栖川有栖は読み続けるだろう。
綾辻行人や、法月綸太郎の作品のように、
積極的に欲して、というわけではないにしても。