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タイトルにナンバリングがないのに、当たり前のように1巻完結じゃないんだ。
同年代の異性の親戚と同居することになった主人公が、メインヒロインである親戚の女の子を徐々に好きになったり、幼馴染みにアタックされたりする話。起伏のない毎日が丁寧というか淡々と描かれるので、物語としてはスローペース。胸や太ももといった異性を感じる要素を主人公が少しずつ意識するようになっていく過程は伝わってきた。
1巻ではあまりにも起伏がないし全然完結しないし、一冊の小説として困る。続編ありきで考えた場合アリなのかなぁ。ヒロインが好みなら楽しいのかも。
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『東雲侑子〜』を彷彿とさせるストーリー。ここまで正統派を貫いたのを久々に読んだ。
恐ろしいほどゆっくり淡々と描かれる高校生の日常にもやもや。山場らしい山場もなく、焦れったい展開が続くけど必ず最後まで読んでほしいなと。
唯一の心配はマンネリ化のみ!
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同居ものっていつの時代だよ!!と思いつつも、今だと逆に新鮮かもしれないと思い、手に取った。
ラノベにしては、読みやすい文章。
あとがきによると、著者は「描写」を大切にしているそうで、確かに細かく丁寧に書かれている。
しかし、細かく書きすぎている。
会話だけで進むラノベも問題だが、描写が細かすぎて物語が進まない。
学校→部活→家の繰り返しばかり。
それぞれのシーンでも何もイベントが起こらない。
中身がスカスカで、古い同居ものの劣化と言わざるを得ない。
イベントが起きないから、主人公たちの内面も全く見えてこない。
それどころか、一緒に住んでいるだけで特に親密に接しているわけでもない男が、同居人の下着とか湯上りの姿に興奮して、彼女に言い寄る男には嫉妬するって、そりゃもう怖いわ。
それにずっと細かい描写が続くものだから、淡々としていて印象に残らない。
重要なシーンに力を注いで描写したほうがいいのではないか。
起伏が大事だと思う。
そもそもその描写も特別美しいわけではなくて、なんというか脚本のト書きのようなのだ。
加えて、私の読み取りが間違っていなければ、主人公の心情と描写がリンクしていない。
冒頭の健一と里奈が出会うシーンでは、お互い初対面で、二人ともおとなしい性格のために、沈黙が続く。
そこは単に緊張のシーンだと思うのだが、「雨の降る薄暗い夕方、駅前を歩く人たちは一様に寡黙で、まるで影が歩いているようだった。」はあまりに暗いイメージ過ぎないか。
由梨子との突然のキスがあって迎えたラストも、夕陽と雨に濡れて輝く街を見ながら「梅雨が明けたことを、俺は感じた。」とか書いてるけど、そこは幼馴染に言い寄られて戸惑ってるところじゃないのか?
何を清々しいこと言ってんだと突っ込んでやりたくなった。
著者は文章を読むことそのものに快感を覚えるそうで、それには全く同意する。
しかし、情景描写というのは物語とリンクすることで初めて意味があると思う。
たった十七文字の俳句だって、景色を歌えば読み手の想いが込められて物語になる。
文章と物語はセットなのだから、物語とかけ離れた文章を書き連ねたところで、それが美しいものとなるはずがない。
キスシーン自体にも違和感を覚える。
由梨子が健一のことを好きなのは幼馴染だからラノベとしては当然で、そんな事序盤からわかっている。
里奈の登場で焦りはじめたことも。
でも、その一歩を踏み出す前のシーンに情緒もへったくれもなくて、意図はわかるのだが唐突さを感じる。
きっとこの先は三角関係にしたいのかもしれないが、里奈とは何のフラグも立っていないけどいいのだろうか?
この内容で続刊に引っ張るようだが、それを読む予定はない。