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私が、他人の煩わしさも鬱陶しさも面倒くささも愛しく思えるのは
人の暖かさにいつもどこかで触れていたからなんだと、
その暖かさだって押しつけるようなものじゃなくて
その人の凛とした気持ちからの暖かさなんだと、
私はいつもそんな暖かさにどこかで見守られていたんだと思わせてくれた一冊。
人と関わることはいつだって面倒で、
だからこそ優しいことなんだ。そうだった。
この本を読んでほしいなんて、何だか押し付けがましいし
たまたま私がすきなだけなんだけど
それでも誰かがどこかで読んでいて
優しい気持ちになっていたらなぁと願ってやまない。
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旅先で読んだ1冊。
こういう本が今読みたかった。
様々な「さきちゃん」が主人公の短編集。
日常生活を営むうちに何となく封をしてきたものが、少しのきっかけで優しく紐解かれて、あるべき場所にそれぞれを戻してあげるような、暖かいお話だった。
好きなはものはもちろん好きで嫌いなものだって好き。だから悩むし面白い。
留まってる場所から自由になるには、
きっかけや人との触れ合いやアイテムが必要で、
自分にもし何かあったら、そういうものを見つける目を、最低限の元気を、大切な人を、、、そして、たっぷりの時間を使えばどうにかなる!とジワジワと無駄な力が抜けてく気がした。
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「さき」という名前の女性&女の子が出てくる5つの短編集。それぞれいろんな環境(状況)にいる女子なのだけど、みんな強くて、さっぱりしていて、すごく賢い。世の中を見る目が真っ直ぐ。
よしもとばななは、決して甘くて、生ぬるい上辺だけのお話しを作らない。世の中には「鬼っこ」にあるような闇な渦があることも必ず書いてある。でも、それを越えて行ける「勇気」みたいなものが女子には備わっているんだよ、とちょうどいい塩梅で書いてある(ように思う)。だから、私はよしもとばななのお話しを読むと、いつも泣けてしまう、そして、とってもフラットな気持ちになって、前を向いて行こうという気持ちになる。辛くなった時の気つけ薬のような本。
「鬼っこ」紗季ちゃんが一番うらやましかった。このくらい強くて、周りがよくわかって、自分の進み方がわかったらいいのに。
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遠くを眺め続けて疲れてしまったときに、焦点を調節してくれる効果がある。簡単に癒やしとか言いたくないが。
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お話の中でも、「鬼っ子」と「天使」が好きです。前者は設定もあって1冊長編にもなり得たような、ただ最近の作品にしては重すぎて書けない感じの、昔の作品によく感じられたような不思議なところがかなり残っています。後者は本当にさわりだけの何かの作品の番外編みたいな短編という感じで、逆に最近の作品らしさが出てる、女性の女性らしさみたいな女性らしい悩みや幸せみたいな。人によってどの作品がしっくりくるのか変化してくると思います、ただ、話の順番が絶妙で話の間に余韻がなくても読めます。「鬼っ子」以外は。
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全くめだたない地味な生活をする人を「それでいいよ」とそっと応援してくれる本。普通のぱっとしない毎日の中に隠れている素晴らしいものたち。ものすごく素敵な短篇だった。「さきちゃんたちの夜」も「天使」も「鬼っ子」も全部好き!
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色んなサキちゃんのお話が集められた短編集。
どの話も大好きでした!
ばななさんのお話を読むと、自分の感覚や感情を大事にしようと思える。
そして、もっと日常を丁寧に過ごそうと思った。
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なんか避けてたの。よしもとばななを読むと嫌な気持ちになるなと思って。嫌ってほんとうに嫌じゃなくて、なんていうか苦い気持ちというか。
全部リアルすぎるんじゃなくて、絶対フィクションだってわかるようなところがいい。リアルすぎると愛し愛されて生きるのさって感じに押しつぶされる。
全体的に好きだったけど「さきちゃんたちの夜」が好き。
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久しぶりに「よしもとばななってこんな感じだったよな」と思った。
大切なことは方々に散りばめられている。
読みながらやっと、目が落ち着いた感じ。
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4つの短編からなる作品。
主人公は皆、さきちゃん。
それぞれの、さきちゃん達が厳しい現実と向き合い、
周りの人々の優しい気持ちや、ドロドロした気持ちに
触れ、しっかり前を向いて明日へ向かって行こうする様が
描かれています。
私のお気に入りは
”癒しの豆スープ”
”さきちゃんたちの夜”
人は恐怖や不安を感じると
いつもの自分ではいられなくなり
周りに対してドロドロした感情をぶつけてしまいますが、
そういう人間臭い言動を、ばななさんは優しい気持ちで
包み込むように、描いているよう。
自分の中にもある感情だったり
あー、わかる、わかる‥といった場面が多々ありました。
そして、人間のドロドロを更々にする
きっかけのような物が子供、赤ちゃんといった
圧倒的な未来を予見させる小さな存在なんだなぁと
しみじみと感じた作品でした。
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読みが「さき」という名前の女の子が主人公の短編集です。
各々良くて、ひょうひょうとした主人公と、言葉を掴み取る力が強い、よしもとばななの表現と相まって、エンターテイメントと文学的表現が同居していると感じました。文学的なだけだとわたし飽きちゃうのよ。
ちなみに一番好きなのは、癒しの豆スープ。
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それぞれ、実際にはいくらでもシビアに考えることもできるけど、
どこかで翻って、軽やかに上向きに生きたいっていうのは、
防衛本能でもある気がして。
生やさしいだけじゃないんだーってばななさんの本読むといつも思う。
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学生時代、よしもとばななが好きで、よく読んでいた。
それを覚えてくれていた高校時代の友人が誕生日にくれた本。
本をプレゼントしてもらったことも、それがよしもとばななの本だったことも、タイトルが私の名前と同じだったことも、全て感動した。
大事に積読していて、やっと読んだ。
よしもとばななも久しぶりだった。
スポンジ、鬼っ子、癒しの豆スープ、天使、さきちゃんたちの夜の短編から中編の5編で、どれもよしもとばなならしい物語だった。
それぞれの物語全てなんてコメントすればいいのか分からなくて言葉にできないけど、読んでよかったなぁと思う本。
スピリチュアルな要素があるから、言葉にしづらい気がする。
よしもとばななは、昔から心が病んでるときに読むと、自然と救われるような気持ちになる。
元気なときに読んでも、何事も大丈夫だと思える。
今回の本もそんなよしもとばなならしいさがたくさん詰まった物語だった。
以上
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分かる。わたしも、たまに訪れるイレギュラーな夜が好きだ。だから夜を嫌いになれない。さきちゃんは10歳の頃のわたしに少し似ていると思った。生意気で、この世の中を10歳にして知っているみたいに話す、だけど少し当たっていて、強がりだ。豆スープのお話は優しさを履き違えてはいけないと忠告されたみたいだった。
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31.1.26読了
吉本ばなならしく穏やかな午後のような短編。やっぱり短編がいいわぁ。ばななさんは。 天使 が良かったなぁ。