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特派員時代の執筆記事まとめ+裏話以上のものではない
2024/09/25 10:38
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投稿者:flowerofzabon - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本に3年間、メディアの特派員で滞在した外国人が書く『日本の野望 没落する「技術大国」』という本があれば、あなたは読む気がするだろうか?読む前から、外国人ならではの独自の視点が少しはあるだろうけど、まあ全体としてはなんだかなあという本だろうなあ、と予断を持ち、実際読後感がその通りだった。そんなストーリーはいかにもありそうだ。
残念ながら本書もその類の本を超えるものではない。イランについて集中して学ぶ際に読む10冊の1冊としては十分だけれども、それ以上でもそれ以下でもない。しかも、いかにも政府のメディア規制に体を張って挑みましたよ、という自意識過剰的エピソードが頻繁に挿入される割には、この人の書いた記事が日本やイランの誰かの行動を変えるような強さを持ったとは思えない。傍観者的というか。居酒屋で隣り合わせたら、興味深い話をしてくれる方だが、専門家としてお金を出して意見を聴くために雇おうとは個人的には思えない。念のため付記すれば、鵜塚氏の能力や姿勢に問題があるわけでなく、日本のメディアの人事制度からはこれが限度だろうなあということ。入社してからイラン一筋でペルシャ語ペラペラで、イラン人の人生やイランや日本の政策に影響力を与える記事を書ける人は大手メディア所属の人には存在するべくもない。
具体的にちょっとだけメモ。
私が好きなエピソードは、2010年にペルシャ人のヘビメタ(といようりハードロックか?)ミュージシャンが、許可を得てライブを行えた話かな。核兵器の規制をめぐる不平等、実態についても、イランの視点からの解説はわかりやすい。教室のたとえ話は効果的とも思えないし、無理やり身近な話に例えるのは日本の大手メディアの悪癖だと感じているが、繰り返し語られるので理解は進む。
女性の社会的地位に関する記述は、日本で語られる女子高の意義と同じで、実証研究の裏付けもあるので、なるほどと思わせる。
2024年の視点からはイスラエル関連の記述は気になるところだが、「ユダヤ人というと、どうしてもイスラエル国民という固定した考えがつきまとう」という記述はいくらなんでも、そんな人いるのか?と突っ込みたくなる。「イスラエルがたまたま国教をユダヤ教と定めただけで」に至っては、なにかタチの悪い冗談だろうか。
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