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今年はお休みの日によく雪が降る。今日も朝目覚めると一面の雪。この本の舞台の鶴岡や築別には遥かに及ばないけれど。
「おすすめ文庫王国」に北上次郎から“志水辰夫はこの五冊を読め!”とあり、今更ながらにシミタツである。
悲惨な物語で、主人公はあがけばあがくほど状況は悪くなり、話が進めば進むほど暗い出自が明らかになり、何のためにこの闘いに挑んでいるのか、救いようのないお話が展開する。
しかししかし、物語の筋立てはこの際置こう。
この本の読みどころはそれまでもそこかしこに顔を出しながら、ラスト三十章あたりからどこを引こうかと迷う程延々と続くリリカルでハードボイルでセンチメンタルでめくるめく文体。じんじん痺れる。
救いがない中で差し伸べてこられた、二本の手。『人は必ずやこういう平凡な時間の中で老いていくことに悔いを残さないはずである』と喝破しつつそうでない人生を選んだ主人公への最後の救い。
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船乗りの主人公、自分が船長をつとめる船がスパイ船ではないかと疑い始めその職を同じく船乗りの親友に譲る。その後、親友はなにか証拠をつかんだのか殺害されてしまう。真相を探るため、冬の北の地に向かう。
追われるシーンのすごい臨場感!闇の中で迫る追っ手との攻防!
後半とうとう証拠をつかみほっとしたとき、まだ左手に持つ残りページが割と厚くありこの先まだ何があるのか怖かった。
そして全く予想できなかった種が明かしの最後は、悲しくむなしかった。
有無を言わせられない壁がある限りそうせざるを得ない。
物語とは別に、こちらもまた、女性が美しかったのが印象的。
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この主人公の情報漏えい力に驚くばかりでした。
うーん。いやもう最初からワナに掛けるつもりとしか思えないよ!
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初めての志水辰夫さんの本、船長の身でふとした依頼でスパイ船長の依頼を友に譲り、友の死に隠された真実を暴いて行くが。。。友の死の前に撮った写真に秘密が有り公安と組織の詮索が始る、昔の恋人、スパイ船の乗組員が絡み最後がやり切れない訳が判明する。描写が少ししつこい部分も有るがストーリーとしては面白かった。