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シミタツさんの初期の傑作
2008/02/01 22:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新刊本が出るたびに北上次郎さんがいつも絶賛するのが、
このシミタツさんこと、志水辰夫さんです。
読みたい、読みたい、と思いつつ、何故かいままでずーっとpendingでした。
(反省しるっ!!)(してます)
シミタツさんも、最近は作風が変わり時代小説まで書くようになりました。
(「青に候」のことです。これも読まなきゃ、、、)
そのシミタツさんの、初期の傑作のひとつが本作、
「背いて故郷」です。
船乗りの柏木は、スパイ船の仕事に嫌気がさし、この仕事を友人の成瀬に譲ります。
ところが、その成瀬が死亡。
責任を感じた、柏木は、一人友人の死の真相を探るべく東北の大地で戦うのですが、、、。
友人の成瀬の墓参りから始まり、
寒風吹きすさぶ、東北の大地で柏木が一人戦うのですが
東北って何度も書いていますが、それは、シミタツさんの情景描写が素晴らしいからです。
主人公に挑むかのような過酷な自然描写は欧米(取り分け、英国)
の初期冒険小説の定番アイテムのひとつですが、
これを、日本の小説でここまでやっている人がいたとは、、、。
シミタツ節ってファンの間では、言うそうですが、
色んな作家、それぞれ節回しみたいなものを文体に持っていますが、
シミタツさんは、取り分け、凄いですね、、、。
特に、小説そのもののテンションが上がる、後半になると
(それも、主人公の生い立ちがわかる最後半などどうでしょう、是非読まれたい!)
作家そのもののテンションまで上がっていくみたいで、
文体が、どんどん(濃密って言葉をamazonは使っていました)
情緒的に、詩的にパワーアップしていき。
読んでいるこちらまで、テンションがあがります。
欧米の冒険小説チックな展開をそのまま
平和ボケしていると言われる現在のありふれた日本の道具立てで再現できないか、
そして、それを自分の(シミタツさんの)独自の文体で語りあげられないか、
そういった、主旨の元に出来たのがこの作品って感じです。
シミタツ節、充分に堪能いたしました。
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