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筑波大学教授、若槻尚斗 著。
音楽愛好家と研究者の図書。
大学の「卒業研究」の参考書として使用。音楽が好きな人も、振動(物理・工学)に関心がある人も、双方が1ステップアップできる。物足りなさを感じる部分もあるかもしれないが、少ないページながら割と、へぇ~と思えるトピックも有り、専門的な勉強を始める導入にちょうどよい。
見開き2ページに1項がコンパクトにまとめられ、その項の並び順がよく工夫されていて流れが非常に良い。
ただし章ごとに取り上げるトピックに統一感が無く、楽器ごとのバランスが悪い。弦楽器の章だけに楽器製作家が著者に入っているからだろうが製造法や材料についてページをさいているのに対し、管楽器その他ではほとんど触れられないのは不満である。電子楽器については適度にまとめられており、それまで関心が無かった人でも概観をつかみやすい。
Q&Aは「素朴な疑問に」答えるとあるが、知ってる人がウンチクを語りたいがために強引にQ&A形式にしたような感じで、しかも質問項目が少な過ぎる。
目次
0.序
○いろいろな楽器
1.空気の振動にもとづく楽器(気鳴楽器)
2.弦の振動にもとづく楽器(弦鳴楽器)
3.膜の振動にもとづく楽器(膜鳴楽器)
4.楽器そのものや小片の振動にもとづく楽器(体鳴楽器)
5.その他の楽器(電鳴楽器)
6.Q&A
7.用語集