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歌舞伎の世界を旧劇と呼んでいた時代のお話。 殺人予告が本物の事件となり解決へ関わる事となった大学講師 桜木次郎。封建的なこの世界で役者や下働きの者の権利を訴える労働運動はまだまだ時期尚早なのか... 大好きな松井今朝子だからもっと何かあると思いすぎでしまったかも知れない。
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関東大震災の影響が残り、世界恐慌に労働争議という昭和5年の社会情勢。いつの世でも世の中を映す歌舞伎の世界。
そんな社会情勢の影響を受け、歌舞伎のバックステージで起きた殺人事件。
事件の決着の付け方は、歌舞伎の台本の様にも思える。
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関東大震災から7年後昭和5年の旧劇(歌舞伎)界に起きる殺人事件。時代背景を大いに浮かび上がらせながら調査と捜査が始まる。
多くの登場人物が世相を映し出し、多くの言葉の端々に大小さまざまな石ころのように結末へのヒントが転がっている。
しかし物語があっちへこっちへ…
読むペースが落ちるも、さすがに最後はスピードアップした。
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歌舞伎の舞台裏で事件が起きるバックステージ・ミステリだが、昭和初期、ニューヨーク発の世界恐慌の波が押し寄せて、急速にきな臭くなっていく世相を描く時代ミステリでもあり、そちらの色の方が濃いかも知れない。ただ、ミステリと言うよりミステリ仕立てで、ため息が出るほど細やかに伏線は張り巡らされているものの、フーダニットのつもりで読んだなら、不満は出そうな気はする。極悪人の印象が強い登場人物まで、その心情にフォローが入っていたりして、人が大勢殺される話なのに、主要登場人物には本当の悪人がいないお話。当然、読後感は爽やか。桜木はもちろん、澪子の将来など、時代を考えたら、到底平坦には思えないのだけどね。