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2017/10/31 00:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:NATSU - この投稿者のレビュー一覧を見る
成瀬かの『狡い男 上・下』
冴えないドルオタリーマン受けと押し掛け女房攻めの、倦怠期から始まる連作短編形式BL。
主人公の日下は、狡いというより酷い男である。読んでいる限り、良いところは一つもない。因みに攻めの満木も大概だ。相当酷い。途中からは受けが可哀想になってくるレベル。
だが、居直り彼氏と化した無神経でガサツな俺様攻めと、童貞で攻め志望でムッツリな受けが繰り広げる、軽妙でいてボディブローのように後から効いてくる日常の遣り取りに、いつの間にか病みつきになっている。
イヤよイヤよも好きの内的な古き良き王道ラブコメ感もたまらん。
受けのトラウマの秘密が明かされたり、ゴチャゴチャと絡み合う複雑な人間関係と、ベースに重苦しいパートが横たわるものの(しかも身も心もしっかり付き合うまではオール朝チュン)、ハードな人間模様と彼らの野放図な性格が適度に混じり合い、絶妙なバランスを保っている。
これは救済と再生の物語。
こういう終わり方はどうかと思わない部分もないではないけれど、この物語に限っては最上だと感じた。
相変わらずサブキャラが光っているというか、狂言回しが複数投入され、2人きりの世界では一歩も進めず何処へも辿り着けそうにないストーリーを、当初思っても見なかった様な高みに着地させている。長い期間に渡って書かれた作品特有の年輪みたいなものもあって、何とも言えない読了感を得た。
それにしても、ホモの痴話喧嘩が飽きるほど繰り返されるアパートって何かイヤだな・・・(笑。
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