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荒城の月

2020/11/29 21:43

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る

土井晩翠の『荒城の月』の冒頭が由来で、実際に仙台で教師を務めた土井晩翠が作中にも登場する。夏目漱石の『三四郎』を意識したような、明治期の大学で上京した青年が主人公の小説。作中で「青春」という単語が叫ばれるが、途中で主人公は社会運動に巻き込まれ、そこで病弱な親友の妹に恋をする。それが死別という顛末を迎えるのだが、そうした純粋な悲恋が成り立ったであろう時代への憧れのようなものがうかがえた。どこかノスタルジックな小説。

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