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「ベント・ロード」も「彼女が家に帰るまで」も読み応えがあったので、エドガー賞のこちらは更に期待して読み出す。2つの時代の、それもともに姉妹のストーリーが交互に進むため、最初混乱しそうになる。頭を整理して入っていくまでが少々手こずった。
しかし好きなフラナリー・オコナーやフォークナーのような南部ゴシックの匂いをまとっていて、次第にミステリはどうでもよくなり、そのねっとりした世界に…。
この人には今後も注目です。
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ミステリを期待して買ったのに違うじゃないかーーと、途中で投げそうになった。
アメリカの田舎が舞台の時代小説ぐらいに思って読んだら別印象だと思うので残念。
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2つの時代の物語が交互に語られる。魔女とみなされた行方不明の叔母の存在が一家の上にのしかかる。姉妹と、その姉娘のふたりの娘。実は姉娘は実母である叔母から、魔女の力を受け継いでいた。叔母は、実は姉に殺されていたらしいのだが、なんだか結末が釈然としない。当時のアメリカ中西部の寒村の閉鎖的な雰囲気はわかった。
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1936年テキサスにおけるアメリカ最後の絞首刑。実際に起きたその題材をもとに、作者は全く別の絞首刑を中心とする南部ミステリーを作り上げる。南部と言えば、ジョー・R・ランズデール、ジョン・グリシャムなどの印象が強いが、このローリー・ロイはまさにテキサスの農地に根付いた家族たちの物語を、土地に纏わる土俗的で濃密な時間や空気を書き綴る独特な筆力の持ち主である。
ミステリとしては、衝撃度や明らかな犯罪や犯人といったわかりやすさをむしろ放棄し、物語ることの中で、敵対する隣家との緊張した空気、その中で犠牲となった少年、そして絞首刑に晒されることになる青年の真実、といったミステリ要素を次第に浮き彫りにさせてゆく。
語り手は1952年のアニー、と1936年のサラ。アニーはサラの娘である。またアニーはジュナという霊感の強い叔母を持ち、アニー自身も霊感の強さを感じて生きる少女である。舞台となる彼らの農場はラベンダー畑。抒情性に満ちたテキサスの田舎町を舞台に、二つの時代に起こった事件は途方もなく乖離して見えるのだが、二人の娘の二つの時代の物語を通して、そこに起こる二つの家族の間に起こってきた歴史や愛憎が見えてくる。
光に満ちたラベンダー畑と、夜の闇に包まれた隣家の謎とが、古い公開絞首刑の祭りのようなクライマックスとともに次第に別の様相を見せてくる展開と、なによりもその語り口が見事な秀作である。
アメリカ探偵倶楽部最優秀長編賞受賞作品。翻訳年度の遅い某出版社とは比較にならぬスピードで読ませてくれる早川書房の辣腕も正直大したものである。
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この世界に入り込むまでちょっと時間がかかった。女が結ばれる相手で人生が決まる時代。ジュナはそれを拒んだのだろうか。男だって女を選び違えると、とんだ目にあうけど。処刑された者が地上に出てこないように、うつ伏せに埋めるって、ゾッとする慣習。死者の名誉の回復は?デイルの死に責任ある者は罰を受けたのか?
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地中の記憶(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
著作者:ローリー・ロイ
タイムライン
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