0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栗野モンブラン - この投稿者のレビュー一覧を見る
若林氏の罫線屋であるところが素晴らしい。円高96円、6月は、外れそうだが、全体としての読みには、説得力がある。いつも同じような内容の書き直しだが、いつも買ってしまう。
投稿元:
レビューを見る
最近は若林氏は毎年一冊は新作を書かれていますね、為替や株式市場、ゴールド、原油価格などを長期間にわたるチャートの形や、暴落した時からの日柄で予測して、それを今まで当ててきた凄い人です。
これから5年間(2022)まで、金利が徐々に上がる、株は暴落、円は急騰、と教科書的にはあり得ないコンビで動いていくそうです。株価が下がって円高になるのは、果たして日本人にとって良いことなのでしょうか。同じ給料でもドル換算で見ると給料が上がって見られてしまう外資系に勤務している私にとってどう考えるべきなのでしょう。
この本によればゴールドは上昇するようです、株は平均株価が下がるということですから、将来性のある企業の株価は上がっていくのでしょうか、将来の資産形成の計画を考えるにあたって考えさせられた本でした。
以下は気になったポイントです。
・1989年12月にバブルが頂点に達したとすると、27年後は2016年12月、そのタイミングに向けて株価上昇、円安が昂進したことを考えると、2017年はその動きが全部逆転するタイミングである。これから5年ほどデフレが進行し、強烈なドル安円高となる、2022年にヘリコプターマネーが実施されて初めてインフレへと変換する(p19)
・米国の主力メディアの多くは拠点をニューヨークを中心とする東部に置いているので、中西部・南部に住む人々が大統領選挙に対して何を考えているのか想像力が足りなかったのではないか(p29)
・そもそもは共和党が奴隷制反対政党で、南部はアンチ共和党であった。それば公民権運動という第二次黒人解放運動を民主党出身の大統領が推し進め、一方で共和党が変質したことで南部諸州は共和党支持となった。リンカーンは奴隷制を必要としなかった北部出身者で共和党であった(p36)
・白人非エリートが不満の声をあげて、いままで白人エリートの代弁者だった共和党エリートに反旗を翻したことが、政治家としては未経験のトランプを大統領にまで押し上げる原動力となった(p43)
・トランプは選挙人団の選挙で勝利を収めたものの、総得票数ではクリントンに対して285万票のビハインドであった(p48)
・1929年の大恐慌により当時のフーバー大統領が、国内産業の保護のために1930年6月に「スムート・ホーレイ法」が成立、平均関税率は40%となったので、米国への輸出は大きく落ち込み世界恐慌はさらに悪化した(p54)
・1931年12月13日、金輸出再禁止を決定して金本位制から離脱、1932年11月から日本銀行による国際直接引受を通じて、市場に大量のマネーを供給した。これは明治維新から62年目という黄金分割の重要日柄(p89)
・1939年に価格等統制令が発せられて生活物質、産業資材は公定価格となったが、これは闇市経済を増長させた(p94)
・太平洋戦争に投入された戦費は当時の金額で1900億円、現在価値では4000兆円、それが日銀国債引受によりなされた、一般会計の国家予算が27億円、70倍ものヘリコプターマネーであった(p95)
・1945年10月から1949年4月まで、3年6か月の間に消費者物価指数は、約100倍となっている、戦時中は戦時国債を個人に購入させることでインフレを抑えていた(p96)
・明治維新の1868年から108年目にあたる1975年9-10月には、長期金利10.05%という戦後最高水準をつけている、108はペンタゴンの内角の1角に相当する重要なタイミング、日本の長期金利は2016年7月につけた -0.29%をもって底を打ったと考えられる。40年半で一つの流れが終わった(p102)
・日経平均の再イ安値は2003年4月(7600円)だが、これは明治維新から135年目(540の4分の1)、数字の上では2008年に6994円があるが、これはリーマンショックという米国発の出来事により生じたもの(p103)
・為替は2011年に75円という最高値がある、これは1949年から62年にあたる、2022年は日本経済が破綻すると思われた2003年から19年目である。19も黄金分割の重要数字である(p105)
・金の二重価格制が採用された1968年3月をもって、ドルが紙切れになっとするのが正しい認識である(p107)
・1981年9月から40年半後の2022年3月まで、米国長期金利は下がり続ける=デフレであろう、これは日本の株安値をつけた2003年から19年目にあたるので、株価も為替レートも大幅安となだろう、一万円割れ、65円レベル(p112、113、135)
・2030年は1868年から162年目にあたる、このころに株価が最高値となるだろう、2022年から2030年までの日本経済は好景気を謳歌する(p114)
・2029年を契機にインフレ、高金利となり、これがピークとなるのは、13年半後の、2042-2043年、1975年の金利を抜くことになるだろう(p115)
・2022年に株価が下がるので株式・ドルは買っておくべき、実物資産としては、不動産や金が良いだろう(p117、118)
・ドイツのハイパーインフレを抑えたのは、不動産や工業機械を担保とする通貨で、1レンテンマルク=1兆ライヒスマルクとされた(p126)
・原油相場の起点は、1973年10月の第四次中東戦争である、このときからアラブの戦略として原油禁輸となり、バレル3ドルから12ドルまで上昇した(p154)
・原油価格は1バレル=34ドルまで下がる、2017年6月前後が目処である(p176)
・2022年にかけて先進国においていよいよデフレが深刻化、株価も下がる中で、ゴールドは2700ドルまで上がるだろう(p183)
2017年3月19日作成
投稿元:
レビューを見る
あくまでも予想は予想であるので、どこまで予想できるのかはともかくとして、
黄金分割という思考方法はたいへん理にかなっていて、
諸行無常との表現がふさわしく感じられる。
為替や株式も人間の行為のあらわれであると受け止めれば、
そして、それも自然の一部だと考えれば、
何らかの法則に支配されるというのも自明なのか。