南宋と金の全面対決
2020/08/29 14:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
金軍が三十万の大軍で南宋へ侵攻し、南宋は岳飛を中心に迎え撃ち、全面対決に突入した。岳飛は騎馬軍への秘策を用意し金軍は
対応に苦慮する。双方全力での対決ではあるが、これまでの梁山泊対宋(童貫)や方臘戦との違いを感じた。南宋も金も、軍と文官(宰相や丞相)との間に戦へのスタンスが違う点があり、一枚岩になっていない。そのためなのか、死力を尽くしつつもその裏で蠢くものを思うと虚しさも感じてしまった。
一方で、南方に新天地を求めた秦容たちの開拓の物語には前向きなものを感じ、読むのが楽しい。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kon - この投稿者のレビュー一覧を見る
金軍と南宋の激突ですね。南宋は何といっても岳飛軍です。これは勝負がなかなかつきません。秦容が南方へ行くこの展開も予想外ですね。次回以降別の展開が待っているのでしょうね。まだまだ4巻です。やや展開が早く今後どうなるのか益々楽しみです。
投稿元:
レビューを見る
読み終わった。今回は金と南宋特に岳飛との戦い。決め手が無く、引き分けに終わった感じ梁山泊はどうなるかと言うことはまだまだ続く話の中ではまだ語られず。次へ。 まあペリーローダンみたいなものか。
投稿元:
レビューを見る
いよいよバトルシーンがメインになってきて、熱いオトコたちが前面に出てきてはいます。ただ、本人たちですら憧れの中で思い出している、ひと世代前の面々の方が、どうしても大きく見えてしまうんですね。これまで織りなされてきた物語を、ひとまわり小粒にした感じに思えてしまう。相変わらず読ませられる小説には違いないんですが、やっぱり”水滸伝”のパワーには…って思えてしまいます。岳飛のキャラも、もちろん好きなんですけどね。
投稿元:
レビューを見る
金と南宋の激突、兀朮と岳飛の対決、力の限りの闘い
その裏で、金国も南宋の内政にも変化があらわれる。
戦いながらさらに混沌としていく。
変化する梁山泊も含めて、五里霧中。
投稿元:
レビューを見る
「次の戦いでは、おまえたちには耐えに耐えて貰わなければならん。それが総指揮官としての俺の命令だ。岳家軍は、いま他国に蹂躙されている漢土と民のために、闘い続ける。臨安府で、それを認めないということも考えられる。その時は、俺の指揮下を離れるだけだ。それでいいな」
「臨安府で認めないというのは、どういうことでしょうか?」
雷恭が言った。
「臨安府では、金国との最終決戦は、10年後、20年後と考えているふしがある。それが、いまの南宋の国力なのだとな。しかし、国力とはなんなのだ。いま他国の手にある漢土も民も、ついこの間までは、漢の国力だった」
「つまり、この戦は、どこかで収束が計られる、ということですか?」
「間違いない、と俺は思っているよ。兵站は、ぎりぎりだ。つまり北へ攻めのぼっていくには、絶対的に不足している」
「それは収束ではなく、戦の遂行が不可能ということではないですか?」
「岳家軍は、続けられる。そのために、岳家軍でいたのだ。北へ攻めのぼれば、いるのは、漢の民がほとんどなのだぞ。つまり、同胞がいるということだ」
秦檜には、当然それもわかっている。ただ国力の差をつけて、金国を圧倒しようと考えているのだ。そのために、どれほどの歳月が必要なのか。金国を圧倒するだけの国力を得られる保証があるのか。
攻めるなら、いまだった。金軍の主力と、対峙しているのだ。それを破れば、北へ進攻出来る。
「われわれはいま、岳飛将軍の指揮に従うだけです」
雷恭が、その話題を切り上げるような口調でそう言った。(187p)
岳飛と秦檜との考えの溝は深まりつつあった。岳飛がここまで「読んで」戦を遂行しているのが、びっくりというしかない。岳飛には、呉用も宣凱もいないのに、だ。
しかし、私には岳飛の「尽忠報国」の理想は、危なかしい。自分のすることは、武力で漢土を快復する迄、と思い定め、そのあとの構想がないのだ。あとは、秦檜に任せると気楽に思っているふしがある。それならば、秦檜が梯子を外したらどうするのか。
やっと岳飛伝らしく、岳飛が全面に出てきたが、まだ私は岳飛を主人公として認めたくない。彼の「志」に、まだ共感できない。
一方、梁山泊本寨では、「志」か「夢」か論争が起きていて、とても興味深かった。「志」は引き継げることができるのかどうか、という論争もメンバーの間で起きていた。
おそらく水滸伝が始まり「替天行道」が唱えられて、40年以上の歳月が流れていると思うが、「革命」の実現と継承は、そんなに容易いことではない、ということか。物語の推移を見守りたい。
2017年3月5日読了
投稿元:
レビューを見る
南宋と金軍の激突が続く中、梁山泊の側では秦容を先頭に甘蔗の栽培に乗り出します。何かが動きそうで動き出さない、ジリジリした展開にじらされます。
投稿元:
レビューを見る
全編に渡り金軍と南宋軍の全面対決が展開される第四巻。
大軍勢のにらみ合い、読み合い、ぶつかり合い。「水滸伝」らしいヒリヒリするような闘いの連続。金軍では沙歇、南宋軍では辛晃がその能力を発揮。金軍の騎馬隊の進撃に対し長刀隊を編成し応戦する岳家軍。そして大将同士の一騎討ち、幾度も激突するウジュと岳飛。
作中で辛晃が岳飛を「太い戦をする」と評する場面がある。ぴったりの表現だ。童貫の卓抜さや楊令の鋭さとも違う、この「太さ」が岳飛の魅力であり強さの正体なのだろう。
投稿元:
レビューを見る
岳家軍と金軍との戦い。格好良くてひりつく展開と戦闘描写は流石。梁山泊、特に秦容はもはや何を目指しているのか?と思ってしまうが、これはこれで漢達の物語。知らぬ地を開拓していく様にも戦いがあり楽しい。北方さんが自分で経験したことを元にしているのでは、と思うほどディテールが凄い。この話も今後の展開が楽しみだ。
投稿元:
レビューを見る
豊かな中原を巡って金国と南宋がついに戦いの火蓋を切った。
そんな中、交易で独自の存在感を示す梁山泊。
梁山泊とは一体何か。
多くの漢の志で作られた梁山泊は、最早国土など必要としない、理想を具現化したような何かなのだと思う。
義務に縛られるのではなく、自分たちが主体的に守っていく理想?
ただ、なんだろう。
初期メンバーに見られた、熱くたぎるもの、生々しい心のぶつかり合い、喰いしばった歯の間から漏れてくるもの。
そういうものがなくなり、セリフも行動も地の文も淡々と進む。
だから、読んでいても心が震えなくなってきたんだよなあ。
“別に、夢を志と言ったっていいさ。しかし、夢は夢なんだ。志ほど、自分を縛りはしねえよ。捨てたけりゃ、捨てる。だけど、なかなか捨てられねえのが、夢ってやつさ。血が通っちまってるからな。”
そうなの。
そうだと私も思うの。
でも、理屈っぽいなあとも思うのよ。
もっと感覚でわかりあえたはずなのに。
投稿元:
レビューを見る
秦容の冒険記。みたいな感じになったなぁ~。
南の地でどうのような開拓を行えるのか。
やや楽しみ。
投稿元:
レビューを見る
南宋というか、岳家軍と金の戦いが始まった、が、やっぱり梁山泊軍のいつもの面々がいないと物足りない感じがする。
王貴はいけると思ったけどダメだったか…
投稿元:
レビューを見る
ウジユ率いる金軍と岳飛率いる南宋軍の戦が長びいていた。南宋の秦檜は講話を考えるが岳飛の活躍が邪魔だとも感じている。
岳飛の立場の微妙さが目につき始めた。
投稿元:
レビューを見る
誰もが自分に問いかけ考えている。
組織、チームの在り方と進む道を、そしてそれは自分の生き方を問い、考える事でもある。
投稿元:
レビューを見る
本巻は岳飛VSウジュの総力戦
ウジュは金国の総力を挙げた30万
対する岳飛は南宋、張俊軍を集めて20万
岳飛には兵力差を埋める為の秘策があった・・・
南方の開墾地の秦容の方も徐々に厚みが増してきて読んでいて楽しいです!
梁山泊が完全に外野にまわり、物語は歴史に限りなく限りなく近付いてきたようです・・・