「天路の旅人」との併せ読みもオススメ
2024/09/30 22:41
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
沢木耕太郎著の「天路の旅人」からの
「芋蔓式読書」の流れで手に取った作品です。
本書では、西川一三と木村肥佐生両氏
それぞれの、上述書におけるそれとは
やや異なった横顔が描き出されていることに
大きな興味を覚えました。
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戦前〜戦中にかけて、チベットに赴いた10人の日本人の記録。
それぞれに目的や目標があって、成し遂げたことも全く違うのだが、どの人物も個性的で圧倒される。
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明治から戦後にかけて、命をかけて神秘の国チベットに潜入した10人の日本人の記録。僧侶や冒険家や諜報員と彼等の身分や目的は違っていたが、ヒマラヤ山脈などの困難な旅路を越え、未知の国にたどりつこうする、意思と胆力は全員に共通する。
現代の人間には驚異だ。
当時のチベットはアジアとヨーロッパを繋ぐ地政学にも重要な拠点だった為に、太平洋戦争前夜のキナ臭い情勢に巻き込まれてゆく。他の登場人物も面白い。東本願寺の怪僧大谷光瑞やロシアのスパイ、ラマ僧ドルジェフ(帝都物語の世界だね)、日本陸軍。もちろんダライラマ十三世も登場して、陰謀と野望が交差する。
ダライ・ラマ十三世に寵愛された素朴な僧侶 多田等観とチベットの底辺をみつめた諜報員西川十三が生き様が興味深い。
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19世紀末から20世紀半ば、「鎖国」下のチベットに「潜行」した10人の日本人の記録。経典を求めた仏僧、政府や軍の密偵・諜報員、野心的な冒険旅行家など、それぞれ目的やバックグラウンドは異なるものの、「点」が「線」となるごとく接触・邂逅を繰り返す様が興味深かった。当時から初めてラサ入りに成功した河口慧海のみが突出して有名だが、著者はむしろ西本願寺僧の青木文教や多田等観の埋もれた「業績」に高い評価を与えている。当該時期のチベットは、英国、ロシア、清国・中国など列強による圧迫・侵略を受け、本書が記す10人の日本人のチベット接近も、それぞれ温度差はあるが、すべて日本の大陸政策や戦争の影を背負っていて、思考や行動にける植民地主義の拘束性を著者は見逃さない。単なる旅行記・冒険記ではない、日本・チベット関係の綺麗ごとでない「政治」を含んだ重厚なノンフィクションとして価値がある。
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明治の終りから昭和にかけて チベットに潜入した10人の日本人がいた。目的はそれぞれ違うけど、その行動力に圧倒される。