五月の花はまだ咲かない【電子限定特典つき】 みんなのレビュー

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▼あらすじ
母の恋人・怜一と同居することになった高校生の椿。
やさしく頼りがいのある怜一を兄のように慕い始めた矢先、突然キスをされる。
恋愛事に疎い椿は揶揄われただけだと思っていたが、怜一から好きになってしまったと告げられる。
怜一に惹かれていることを自覚した椿は罪悪感を抱えながらも、彼を受け入れてしまう。そして次第に無垢な身体を暴かれていくが――。

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電子書籍の方で試し読みして面白そうだったのと、絵が綺麗だったので購入しました。
予想に反して丸々一冊表題作だったのは良かったのですが、全体的にあっさりし過ぎていてどうにも釈然とせず、読み終わった後も「うーん…」って感じでした(^^;)

まず、攻めのキャラクターがあまり好きになれませんでしたね。
最初は面白半分で受けに近付いたという事ですが、はっきり言ってどこから本気になったのか、あるいはどこまで本気なのかイマイチ分からず最後の最後まで誠実さに欠ける印象でした。

また、母親の恋人を寝取る話であるにも関わらずあらすじで期待したような背徳感やドロドロした雰囲気が全く感じられなかったのも残念に思いました。
設定は良いのにどれも中途半端な所為で結果的にストーリーが浅くなってしまっているように感じましたし、母親は母親で自分の恋人(しかも入籍まで視野に入れていた)が息子に取られたっていうのにやけに落ち着いているので何だか色々と理解出来ない点が目立つお話だったな、と(^^;)

因みに受けは個人的にはかなり好きなタイプだったので余計残念です。
絵が綺麗でライトなBLが好きという方向けの作品かな、と思いました。

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つらい環境で生きてきた中で見つけた光に惹かれる攻めですが、これは単行本1冊に収めずにせめてもう1冊分増やしてしっかり描いて欲しかったです。
過去のつらい経験から幸せに暮らしている人に妬みを持って近づいたものの、純真無垢な受けに惹かれていくっていうストーリーはよくある感じです。
ページ数がもっとあれば駆け足で終わることもなく、なだれ込むように体をつなげる必要もなかったのでは…と思います。
書き下ろしの一年後とカバー裏が良かったのでおおむね満足です。