可愛らしいタイトルをして、その実ハードコア
2023/09/29 15:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
エッセイの妙は「体験の中で見落としがちな、言語化の難しい出来事」を著者独自の視点で赤裸々かつ軽妙な語りで書くことだと思っている。本書はまさにその妙をズドンと撃ち抜く妊娠出産育児体験談である。
赤裸々も赤裸々、自分がそう感じたんだからそう! 主張の首尾一貫性というか、その辺のルールが無用になってしまう妊娠って壮絶だな、と愉快な文体なのに空恐ろしく感じてしまう。出産の痛みとか母乳育児を信仰とか神話とか揶揄する表現をする割に、対抗して言及される無痛分娩とか粉ミルクもまあまあ同じステージ(というか相互互換の利く選択肢)でしかないよな、とか冷めた目で読む一方で、さすがは激変する母体、同一人物とは思えないほどしっちゃかめっちゃかな思考になってしまうのか! 親になる毎日は冒険の連続で、貴重な体験談が豊富に含まれた一冊だ。
それはそれとして、著者個人の信条を述べる段に差しかかると、しっちゃかめっちゃかさに拍車をかけていく感じがして合わなかった。
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けっこう話題になった出産〜育児エッセイ。
割と赤裸々に色んなことを書いていて吃驚した。余り自分のことをあれこれ語るタイプの作家だとは思っていなかったので……。
しかし、一般的に『育児エッセイ』と言われるものとは一線を画しているのでは、とも思う(この辺りは子供を産んだことがないからイマイチ解らない……)。
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2017.6読了。
共感ばかり。泣けてくる。
オニが哺乳瓶では飲まなくて、脱水症状になったらどうしよう、死んだらどうしようって思って急いで帰るとか、わかる。本当わかる。あーみんな一緒なんだなと。
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【ベストセラー異色エッセイ、待望の文庫化】芥川賞作家の鋭い観察眼で「妊娠・出産」という大事業の現実を率直に描きベストセラーとなった異色エッセイ。待望の文庫化。
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出産を目前に迎え、リアルな描写にびびってしまった。
出産って普通に行われているようだけど、本人も周りも命懸け。
そしてその後の育児も母親にとって、体力が削られた中で不眠不休の戦いを迫られているようなもので、子どもへの愛情だけで当たり前にすることと思われるのはあまりに辛いものだと感じた。
核家族化している社会の中で、母親を孤立させない形をもっと考えていかないといけないと思う。
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読んでいる最中ずっとうるうるしていた。
川上未映子の育児エッセイ、文庫化ずぅっと待ってた。
もう川上未映子にしか書けない壮絶な育児記録と、それにまつわる幸せの記し方がとんでもなくて、本当にとてつもなくて、油断するとすぐ泣けた。
母になるということ、母であるということの喜びも悲しみも孤独もさみしさも幸福も、川上未映子の持つすべての感情を総動員して等身大すぎるかたちで書かれている。全力で。だから泣ける、幸せの描写が本当にとんでもない、泣くしかない。いとしい、尊い、お母さんたちが言葉にはできないほどのたくさんの幸せを、この人は言葉にしている。最高に面白かったし、泣けた。
出産をひかえる人はもちろんのこと、これは旦那さんにも読んでほしいなあ。だから何かしろっていう意味じゃなく。
「おなかの赤んぼうは100%こちらの都合でつくられた命で、100%こちらの都合で生まれてくるのだから、それならば、われわれはその『生』を100%の無条件で、全力で受け止めるのが当然じゃないのだろうか。それが筋、ってもんじゃないのだろうか。」
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とても面白かった。軽妙で、少し生々しい。
特に母親が感じる孤独とプレッシャーに対する描写には共感するお母さん多いと思う。
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川上さん家に子供ができて、生まれて1歳になるまでの話。なんというか川上さんの感情の全てが読める本。
こういうものは結構表向きに近い感情を綴る人が多いけど、根元の感情が揺れ動いていく様とか、隠そうとする様まで全部さらけ出されている。きっと自分もこう思うという共感ができるし、川上さん自体に親近感を覚える良い本だった。
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自分は子供に興味はないのだけれど、それでも子供を作って産み、育てるということは物凄く大変なのだなという至極当たり前のことが改めて分かりました。
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産後クライシスがどんどんクライシスになっていき、男性性をどんどん叩いていくとこはすごく怖かったが、全体としては読ませる文体をベースに体験、考察、ノウハウのバランスの良い一冊であった。川上未映子はもっと読んでみよう。
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妊娠、出産の大変さがリアルに伝わってきた。
でも、かけがえのない命との出会い。私も経験することはできるだろうか。
その時にまた読みたい。
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私には出産の予定は全然ないんだけれども、改めて出産ってなんて大変なんだと思った。本当に毎日命がけのことがこの世の多くの女性の身には起きていて、改めてそのリスクの高さに慄いたのと、もし自分が男性だったらこんなにリスクの高いことを今の科学では子供を産むことができない自分が「子供を産むべき」とかそういうこと言うことは絶対言えないと思った。 Tsukasa
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妊娠したことのあるすべての人に薦めたい、妊娠から始まるひとりの女性のエッセイ。
妊娠中や育児中に感じたもやもやを、すっきり言語化してくれている。
「恐怖のエアロビ」で笑い「夢のようにしあわせな朝、それから、夜」で泣いた。
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あと何年一緒にいられるだろうか。
産後の夫婦関係崩壊を表すようなセンセーショナルな帯でしたが、わが子への愛情や、それを唯一分かち合える夫という存在への安心を確認できる一冊でした。
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これからお母さんになる人、
お母さんになりたい人にお勧めの本です。
とても面白くて夢中で読みました。
自分の母もこういう気持ちだったんだろうか…と考えるととても面白いです。