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読みやすい、全体的にゾワゾワ気持ち悪い
最後に「ああ、よかった」と思わせといて、本当の最後の最後にギャーっ!!ってなります。
サスペンスというよりはホラー。
映像では見たくない。
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これってミステリーなんでしょうか?
お母さんは病気なんでしょうか?疑問がたくさん。イェンスも障害っぽいなぁ。
ホントに「一家はなぜこうなってしまったのか?」って思った。
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ロアルがリウを男の子だと思ったシーンで、ひょっとして双子のうち死んだのはカールではなくてリウという、その手の叙述トリックかと思ったが、そうではなかった。やーな話だった。イェンスがおかしくなった理由がイマイチ腑に落ちない。
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デンマークの僻地にて暮らす一家。ものすごい表面的な場所から見るとネグレクト。でもさ、ちっともいやーな感じ受けないのよね。娘は推定10歳。子供だから父親の言うことを聞くけど、頼ってるし純粋に好きだから。しかも依存してない。優しい賢い。器用で何でも出来る。全然歪んでない。
時々こういう本にぶち当たるとさ、なんで幸せに生きなきゃいけないの?って思う。誰だか知らない人が何だかわからないまま押し付けてくるけど。多分この娘は、幸せっていう言葉は知らないと思う。人に強要されて生きてないから。
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『果たしてミステリか?』という疑問は残るが、非常に面白い小説だった。無理矢理ミステリに当てはめるならイヤミス的なサスペンス? ラストシーンの独白にはざわざわする。
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あらすじ
リウは、半島の外れに家族と住んでいる少女。外界とはほとんど接点はない。時々、リウと父が本島の家や店に盗みに行くだけだ。リウには双子の弟がいたが赤ん坊の時に頭を打って死んでいた。原因や誰がやったのかも不明。その後お母さんはぶくぶくと太り、ベッドから出られなくなった。
そこへ一旦家を出た祖母が帰ってくる。祖母は嫁である母と仲が悪い。母が妊娠したこともあって父は祖母を殺した。その後リウは溺死したと見せかけられコンテナで生活したり、生まれてきた弟は死産だったが父が樹脂で保存しようとしたりする。
つまらなかったわー。ガラスの鍵受賞ってあるからすごく期待したけど全然だったわー。そもそもこれってミステリー?なんかの文学じゃないの?そういえば前にもガラスの鍵作品で幻想文学っぽいのあったなー。
とりあえず私には合わなかった。
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デンマークの片田舎。本島と地峡で繋がる離れ小島〈頭[ホーエド]〉に住む唯一の家族、ホーダー家。廃品を素材に使った大工仕事を得意とする父イェンスと太り過ぎだが優しい母マリアの元で、娘のリウは学校に行かず父と共に夜な夜な森で狩りをしながら暮らしていた。しかし、本島に移住していた父方の祖母エルセが帰ってきて状況は一変。閉鎖的だが満ち足りた家族の日常をエルセが壊そうとしたとき、イェンスはリウを伴って凶行に走る。何一つ失くしたくないというイェンスの執着が暴走し、静かな狂気に包まれたホーダー家は救われるのか。家をゴミ屋敷にしてしまう人の心理に迫ったデンマーク発のスリラー。
タイトルの『樹脂』は作中でイェンスが大事に持っている蟻入り琥珀のことであり、そこから着想を得た死体の保存方法にもかかっていく。どろりと重たい蜜のような愛情が家族を包みこみ、窒息させるまで追いこんでいくというメタファーでもあるだろう。妙に淡々と、それでいて着実に進んでいく狂気の描写もゆっくりと浸み出し垂れ落ちる樹液を思わせる。
本文はリウの一人称視点、マリアからリウへの手紙、イェンス/エルセ/ロアルに寄り添った三人称視点が入り混じる多声的な構成。イェンスの暴走を止められず、自身も娘が盗んだものと知りながらそれを食べ続けたマリアの手紙が、父と母を唯一の〈世界〉だと信じこんでいるリウの憐れさを強調する。ロアルはリウが食料を盗みに入る宿のオーナーなのだが、その状況から幼いリウを救おうと行動を起こしてくれるまともな人(でも一人で行かずに児相に連絡してほしい)。終盤は彼がホーダー家に潜入するサスペンスとそこからの逃走アクションが繰り広げられるのだが、リウもまた狂気に取り憑かれた者だとわかる最後の一文のキレ味がすごい。この小説はこのラストのために読んだ!と思わせてくれるようなゾクゾク感は久しぶりに味わった。
老女を窒息死させたあと夜の野で火葬する、赤ん坊を生まれた瞬間くびり殺してミイラにするなどグロテスクなシーンは多いのだが、本当に良い意味で描写があっさりしていて露悪的にならず、生理的嫌悪感がふしぎなほどないのも他にない読後感だと思った。とはいえ怖いところはしっかり怖く、特にロアル視点で見たホーダー家のなかは暗くて狭い上に足元をかけていくウサギたちの生ぬるい感触がぞわぞわする。ベッドに抑え付けられ、解放されたと思ったら人を塩漬けにするためのバスタブを持たされるのも怖すぎる。
家族と死体との共存生活はイアン・マキューアンの『セメント・ガーデン』にも近い。イェンスも上手く大人になれなかった子どものままだったのだろう。「生き物は闇の中で殺すと痛みを感じない」という欺瞞を必要とし、ついには食料の盗みをリウ任せにしてしまうのも子どもっぽい。そんなイェンスの頭の中をトレースしたのがゴミ屋敷と化したホーダー家だったのだろう。
だからといってこの一家は最低最悪なだけでもない。イェンスに教わって作った弓でロビン・フッドのように獲物を仕留めるリウは健やかだと言ってもいいと思うし、森で集めた樹脂を濾過する静かな時間や天井から吊るされた本物のクリスマスツリーなど、憧れのスローライフ的��側面も(笑)。
なぜ彼らの悪事がずっと露見しなかったかは〈頭〉という立地ゆえに人目がなかったことに尽きるので、本作をミステリーと言うのかは疑問だが(作者自身もそう思ってるらしい)、罪が罪と思われなくなるようなある種の聖域がどのように形成されていくか、という視点のホワイダニット/ハウダニットではあるのかも。あ、この既視感、『陰摩羅鬼の瑕』か。今気づいた。
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子供の死という父親としての最悪の不幸を経験した時、自分がどのような精神状態に陥るかは想像もできない。イェンスの状態は、本書の帯のように狂気と言えるのかもしれないが、同時に、十分にありうる、もっというと極めて自然な反応だとも思えた。外部を遮断し、残った妻と娘とだけ心を許す。娘との絆はどんどん深くなりつつ、深くなりすぎて、自分の悲しみまでもを、子供に押し付けてしまう。子供はそれをけなげに自然に受けとめようとする。それがどんどん、いびつな世界となっていく。
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内容自体は面白いと思うが、訳のせいなのかもともとの文章のせいなのか読みにくく感じてしまった。
外の世界を全く知らない子供を可哀想だと思う反面、親子には愛情と信頼関係はあったのでただのネグレクトとも違う。そんな親子関係の描き方は上手いと思ったが、カールのことやイェンスの兄など、もう少し深く描いて欲しかった。
樹脂についてなんて初めて聞いたので、もうちょっと読みやすかったらすごく興味深い作品だったと思う。
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閉鎖され、破綻に向かう家族の中で、力強く生きる少女の物語。グロテスクな表現もあるが、自然に逆らわない生活には考えさせられる部分も。終盤はハラハラさせられるが読後感は良い。
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よもや2作続けての父親の狂気を題材とする物語を読むことになるとは。
デンマークのとある島のそのまた離島、”頭(ホーエド)”の奥地に世間から隠れるように暮らす一家。
クリスマスイブに父親のイェンスは娘リウの目の前で祖母を枕で窒息死させ、庭で焼いてしまう。
「闇は痛みを取り去るから大丈夫」と早速の狂気を見せつつもリウはそれをすっと受け入れている。
なんなの!?この不穏さ。
サイコファミリーの話か?と思うも、リウの反応は他者との関わりが極端にない世界で生きてきたが故の素直さによるもの。
父のイェンスが、これでもかというくらい心の平衡を失っていく物語。
どんなものにも価値があるという信念から、家の中はところ狭しとガラクタが山積まれていく。
一方、母親のマリアはかつての美しき面影を失い、どんどんと大きくなっていき、しまいにはベッドから動けなくなってしまう。
そんな閉塞感たっぷりの狂気の家庭で、人目から隠されるように(実際死んだことにされてしまう)育てられる、というよりもはや一緒に暮らしているだけのリウ。
とある迂闊なリウの行動をきっかけに”頭(ホーエド)”での暮らしに外界から注意が向けられることになり、一家のテリトリーに他人が踏み込んでくることに。
そこで描かれる、それまで内部目線からの語りだったちょっと不穏な家族の生活を、一転、外部から一家の異様なまでの暮らしぶりとして見せつける対比に、とてつもないグロテスクさを感じた。
狂気からの救済の物語なんだろうけど全編を覆うなんとも言えない歪みにより、モヤモヤ感残。
『殺人者の顔』、『ミレニアム』、『冬の灯台が語るとき』、『猟犬』など数々の北欧有名作が受賞している「ガラスの鍵」賞受賞とのこと。
ごめんなさい、正直ちょっと冠負けしているかな。
独特ではあったけどね。
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不気味な…とても不気味で恐い。
デンマークの僻地に住む一家族の物語。
双子の弟は死んでいて祖母のせいだと父は思っている。
クリスマスに父は祖母を殺す。
母は、まったく動かなくなり巨大化していく。
父と娘は町へ出ては盗みを繰り返す。
学校も行かず死んだことにされる娘。
ゴミ屋敷化していくその家のそのあとは…。
もう、閉塞感しかない家で希望だとか夢だとかはいっさいないのが、ある意味凄いとしか言えない。
樹脂の意味を考えてしまったほどに…。
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デンマークのある地。地峡でつながった「頭」(ホーエド)にすむ私リウ。家族はお父さん、お母さん。そして双子の弟、お祖母さん。地峡は狭い面積でつながったところ、ということらしいが、その「頭」にはリウ一家しかいない。が、ちょっと行けば小集落はあり、さらに船で行けば大きい町もあるようだ。そこで語られる父母、祖父母、父とその兄、の樹木の中の物語。
とっぴょうしもない設定と物語なのだが、針葉樹の中で自然に溶け込んで、さらには溶けてゆく? 父と娘の姿に引き込まれる。父に恋した母だったが、やがて巨大に太って身動きがとれなくなる。巨大な母とその最期がちょっと「ギルバート・グレイプ」を思わせる。
2015発表 デンマーク
2017.9.15発表 図書館
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読み終わったというか脱落しました。
なんていうかヨーロッパ北部の小説でときどきこういう本にあたる。とりとめなく、不穏な不気味な雰囲気が始終漂い、不気味さではなくとりとめのなさに疲れる。描き出される演出ではなく作者自身やその文化的なものにどんよりした固執を感じてすごく疲れる。厨二病とかじゃなく本物の病的さみたいな。