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2021/09/23
かなり長く掛かったが1回目読了。
再び評価を上げて⭐️4つ。
全体的に考えさせられる内容で楽しめた。
一つ⭐️を下げているのが「民族性」「種族性」を前提としている内容が多いこと。
確かに国民性とか民族性とかというものはある。それが何に起因するのか常々疑問に思っていたところ。
それが後天的な環境だけに依るのでは無いと私も考えてはいたが…
ル・ボン氏は
『発生学によって、生物の進化における過去の甚大な影響が証明されて以来…』(102ページ)とあっさりとこれを前提としている。
これってどういう理論なのか?
不明確なので⭐️マイナス。
もしかして…この本を読んでル・ボンさんを指導者とする「群衆心理」を信じる群衆になったかも笑
2021/09/12
まだ読んでいる最中だが…
三分の一ほど読み進んで違和感を感じる様になってきたので、
星⭐️5つから3つに変更。
これは社会学的に認められている書籍なのか。
この本は当時のフランス大衆を風刺した風刺小説なのでは。
NHKがスヴェトラーノフさんの「戦争は女の顔をしていない」に続けてこの本を選んだのには理由があるをじゃないかとか勘繰ってしまう笑
インターネット。特にSNSが普及する以前は大衆の意見形成に大きく寄与していたNHK。批判的になりたくなる?
2021/08/26
まだ読み始めたばかりだが…
本書の構成を見ていると、現代社会への痛烈な批判とも読める。
だからこそ『100分de名著』の対象に選ばれたのだろう。
「群衆の心理」を「SNSや記事へのコメント、いいね等をする不特定多数のお互いに関わり合いの無い人々の心理」と読むと、その性向を表す様々な分析は手厳しい程に当たっている。
その善し悪しを言う訳では無いが、自分がその渦中にいて、その心理に囚われている可能性がある事を認識する必要がありそうだ。
9月の放送が今から楽しみ。
また読みながら、放送を観ながら様々と考えてみたい。
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例えば、大地震などの大災害や戦時下の空襲された都市圏で起こるパニックの中で悪がどのように解き放たれていくか?
パニック下の人々の群集心理を説く本書を、ヒトラーもムッソリーニもスターリン、チャーチル、ルーズベルトも熟読して群集心理の抑制と誘発について考察したらしい(「希望の歴史 上巻序文」より)。
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100分de名著の今月の本。読んでみたら、いろんな意味で面白かった!ヒトラーがこの本を読んでいたことも納得。現代の私が読むといやいや、偏見が過ぎると思う描写も多いけれど、それも含めてこの本が書かれた時代感。自分も群衆であることを自覚したい。それを知っているだけでも、同じ過ちを繰り返さずに済むかもしれない。
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哲学書にある難解な言い回しが少なく、現代にも通じる内容なので、頭に入ってきやすかったのもあるが、かなり読みやすく感じた。
改めて人間の本質は時を経てもあまり変化していないということなのだろう。
難解な議論や理屈はほぼ効果がなく、断言、反復などによる感情と心象を想起させ、揺さぶりをかけることによる感染が群衆を従わせる有効な手段となる。
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「蟻は、ある一定数を超える集団になったとき、働かなくなる蟻が現れる」という話を思い出した。私はそれを、集団で争い事なく生きるための無意識的な心理、もしかすると本能的な反応とさえ解釈してきた。しかし社会心理学というものは、集団というものをそんな単純な理解で終わらせずに、集団がいかに本能的で感情的で偏狭な、暗示を受けやすく、論理が苦手でイメージで考えようとし、常套句のような単純化された標語に対して従順etcと、読みとっているらしい。そしてメディアや政治は、その心理を利用し扇動しているなんて。漏れなく自分がそんな群衆のいちピースになっているなんて。自分を小市民と自覚しなくはないが、やっぱり自分の頭でよく考えなくてはならないと、改めて思わせる学びの多い本であった。
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古典的名著。
穐山貞登氏の解説が現代視点でなるほどと思った。しかし100年も前の考察ながら人類としては大して進歩していないようで、考察はともかく内容は以前と変わらずと言ったところか?
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哲学書?の割には固くなくて読みやすかった。また、世界史の知識があったので筆者の挙げる例がわかりやすかった。結局、群衆は理論ではなく感情に左右され、そこには種族の特徴が大きく影響し、群衆を引っ張るには威厳が必要であるということが繰り返し述べられていたのでそれが結論なのだろうと思う。
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NHKの番組で紹介されていたので読んでみた。
群衆心理、そこには知識や正答などに基づくものではなく、断言や反復で人の心にするりと入り込んだ言葉で作用する。結局、人間一人一人は弱く、影響を受けやすく、そして集団になると個人の弱さは置き去りになって強くなる錯覚を起こすのかな。
ネットで正論を吐いて、いいねをもらって、個人では実際はとても犯せないような暴言で人を傷つけるような、そんな心理にならないように、現代にも通じる警鐘だと思った。
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群衆の性質について史実の考察は、現代にも当てはまることから、人の本質的な性質なのだろうと思う。
著者の知識には本書で紹介されない膨大な事例があり、それらも踏まえた考察であろうと思うが、挙げられた例だけで納得してよいのかは疑問だった。
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具体的にフランス革命時の例をとって、群衆(ここでは目的意識や地位などがバラバラな人たちがひと所に集まった状態)になった時にどのように行動するのか、そしてそれはどのような意識に基づいて行われるのかを説明する。
なるほどなあ、確かになぁ、今でもそうだなぁ、と思う。烏合の衆となった時、我々は平易に動かされてしまう恐れがあることを肝に銘じて、今の社会をおそるおそる生きていく必要があるのではないかと思う。
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群衆心理
19世末にフランスの心理学者ギュスターヴ・ル・ボン氏が、心理学者の視点で群衆の心理を考察した著書です。
群衆の中で生じる心理、群衆を操る方法などが論じられ、ヒトラーの愛読書でもあったという逸話もある名著です。
【本書で学べること・考えること】
- 心理学的な群衆の定義
- 群衆心理の特徴
1. 衝動的で動揺しやすく昂奮しやすい
2. 暗示を受けやすく、物事を軽々しく信ずる
3. 感情が誇張的で、単純であること
4. 偏狭さと横暴さと保守的傾向(単純かつ極端な感情)
5. 徳性(自己放棄、献身、無私無欲、自己犠牲、公正への要求
- 群衆の説得方法
1. 断言(推理や論証をまぬかれた無条件的断言、簡潔)
2. 反復(繰り返さないと定着しない)
3. 感染(閾値を超えると一気に広がる)
4. その他
- 誇張し断言し反復する
- 推理によって何かを説明しようと試みないこと
- 特殊な場合を直ちに一般化する
- 幻想を与える術を心得ている → 支配者
- 幻想を打破 → 群衆のいけにえ
- 感情に訴える、理性に訴えない
読んでみての感想です。
19世紀末に書かれた本ですが、自分の身近にも近しい事例が多くあり、人間は変わっていないんだというのが感想です。
実例としては、政治家やユーチューバーなどで大きな支持を集める人は、群衆をうまくコントロールする術を知っているなと感じます。
最近流行のTikTokなどで流行ったものが、若者に絶大な支持を得るのもわかります。
単純で短いフレーズで断言、反復、感染・・・
影響力のあるツールですね。
この本を読む価値としては、群衆心理を知ることで、自分が常に一歩引いて俯瞰する大事さを知ることにあると思います。
また、理論的反論は無意味なことも学びになります。
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Eテレ「100分de名著」を入口に、そのテキストと「まんが学術文庫」と進めて、ようやく原著を読了。
1895年の出版なんだけど、現代に十分に当てはまる指摘も多くあり、「恐っ」と口に出したか出さないか。でも確かにゾワゾワしながら読んだ。
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人々に同じ意見をもって、それに合意して動いてもらわないと組織は力を発揮できない
インパクトがあり、わかりやすいメッセージでないと多くの人は受け入れないし、耳を貸さない
ややこしくわかりにくいことは、聞き手でなく話し手の問題とされがちで、結果として「聞き手が聞きたいこと(幻想)」を話す人が、組織で力をもつようになる
パーパスやビジョンを言葉にすることの力強さもある反面、メンバーもわかったような気になり、立ち止まって考えることをしなくなる怖さがある
思考の体力と忍耐力を鍛えるにはどうしたらいいのか、が気になってきました
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数ヶ月かけてやっと読んだ本。通勤や移動の電車の中で読み進めた。読み始めて、これは自力で読み終わるのは無理だと思い、まず100分で名著の本書を紹介しているテキストを読み、再び本書に戻ってきた。結局、本書の内容を理解したとは言い難いが、人間は集団になると恐ろしいということを覚えておけば、まずはいいのかな。
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読みながら最近の事件を思い起こすことがめちゃくちゃ多かった。自らも群衆になり得るということに自覚的でありたいと思った。SNSの発達でより群衆化しやすい社会になっているとも思う。群衆を動かす方法も書いてあるのでマーケティングやらマネジメントやらにもちゃんと使えそう。
断言と反覆と感染
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論議の的にされる威厳は、もはや威厳とはいえない。久しいあいだ威厳を保つことができた神々や人々は、決して論議をゆるさなかった。群衆から称賛されるには、常に群衆をそばに近づけてはならない。
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諸民族が束縛に甘んずれば、悪い結果を生ぜずにはいない。諸民族は、あらゆる束縛に堪えることに慣れて、やがて自ら束縛を求め、自発性や気力をことごとく失うにいたる。それは、もはや空虚な影法師、意志も抵抗力も力強さもない、受動的な自動人形にすぎなくなる。