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「どの作品が一番好き?」そう聞かれたとき
森沢さんほど返答に困る作家さんはいない。
この作品も、またすぐに読み返したいほど
大切な一冊になった。
村人たちをはじめ、関わるみんなの視点で交互に描かれているから
それぞれが抱える思いや諦め、希望がわかるだけに
やきもきしたり、一緒に悩んだりしながら
これがどんな風につながっていくんだろう
どうなっていくんだろう…って思わず先を急いで読んでしまう。
同じ経験はしてなくても、人知れず不安や悲しみを抱えていた直子にはとっても共感したし
母、富美子との関係性や2人の雰囲気は
いまのわたしには眩しすぎて、羨ましい。
そして、命をいただくということ。
先日、友人と食べたスープカレーには
ラムの他に新鮮な野菜がごろごろ入っていて
あれほど強く感謝と大地の恵みを感じながら
食べたことはいままでなかった。
そんな自分に驚いたし、嬉しかった。
それは直子のヒカルの卵への熱い思いと重なる。
父ちゃんが遺した養鶏場を守っているムーさん。
悲しいこと、悔しいことがあったとき
幼いムーさんが父ちゃんに言われた言葉。
それを読んでいたとき、涙が溢れてきた。
なんの涙かはわからない。
泣き崩れて顔を下げてばかりだったあの頃の自分を思い出したんだと思う。
もうだめかもしれない
もしまた、この先自分のことを諦めそうになったら
わたしは、泣きながらでも絶対に顔を上に向けるんだ。
この一冊まるごと、どのシーンにも
自分と重なるものがあった。
森沢さんの作品は、いつもそう。
わたしの日常と静かにつながっている。
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心が疲れている時にお薦めの一冊です。蛍原集落の豊かで美しい自然の中、不器用だけれど温かい集落の人達に囲まれて、読み終わった頃にはまるでパワースポットを訪れたかのようにほっこりと心を癒してくれます。作品の中には幸せになるヒントが沢山散りばめられていて、まっすぐ前を向いて生きる勇気が湧いてきます。
『いつだって雄鶏みてえに胸張って、顔をいまより五度上に向けて歩けぇ。たったそんだけで、未来はきっといい方に変わっからよぉ』
もしかしたら人間はそんな些細な事でいくらでも幸せになれるのかもしれませんね。
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森沢明夫の文章は好きだ。裏表や何かを匂わせる表現は少ないが、その分ストレートに優しく入ってくる。作中の自然に包まれているようで、体が緩む。それでいて田舎の肝っ玉母ちゃんや偉大なお父の、シンプルだけど力強い言葉がすごく胸にささる。
財産を失うのは小さな痛手、勇気を失うのは人生を失うのと同じ。
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最近よく読んでいる、森沢明夫さん。
舞台はとある田舎の集落。
そこの養鶏場で卵を育てる、のんびり屋のムーさん。
直ちゃんと大吉、2人の幼馴染の前で、藪から棒に「卵かけご飯専門店を始める」と言い出す。あまりの突飛の話に、大反対する大吉。
だけどムーさんは着々と店作りに向けて動き出す。
語り手は集落で暮らす登場人物たちの一人称でリレー形式で進んでいく。
ムーさんの卵専門店「ヒカルの卵」は、思いがけず大流行りとなる。そして観光客が集まり、集落全体の経済が潤っていく。
しかし、それにはあるからくりがあった…。
マイペースで空気も読めないしデリカシーもない。でも憎めない。ムーさんが周りのみんなに愛される理由がよくわかる。
辺鄙な場所にある卵かけご飯専門店は、ある時テレビに取り上げられたことで話題を集めてブームとなる。
そして第二、第三のプロジェクト、と、とんとん拍子で成功していく。
これは非現実的過ぎるな、とも思うが、ムーさんもまた応援したくなるキャラクターだから、多少無理のある設定でも良しとしよう。
なによりも、ものすごくこの卵かけご飯が美味しそうなんだよね。
実際にある卵かけご飯専門店がモデルになっているようだね。
今回の勝手にキャスティングはこちら。
ムーさん→星野源さん
直子→水川あさみちゃん
大吉→桐谷健太さん
ワカメくん→志尊淳くん
源さん→本田博太郎さん
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村おこしのため、集落の森の中にタダで食べられる卵かけご飯屋さんを作るというムーさん。反対されても1人でも夢に向かって突き進む。ムーさんの人柄がほんとに良くて。名言がいろんなところに散らばってた。
人間は過去も未来も生きられない。生きられるのは一瞬のいまだけ。だから、いまこの瞬間を感謝の気持ちで生きて、それをただひたすらずっと続けていくだけ。それが幸せな人生を送るってこと。
あー卵かけご飯が食べたい。
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モデルになったお店を知っていて、知人から勧められたので読んでみた。
あとがきにある通り全体の風景などは違うものの、脳内はしっかりそのお店を思い描いていた。
森沢明夫さんのやさしい文体がとてもよく合う題材で読みやすかった。全てがうまくいきすぎ...な感は否めないけれど、それが森沢さんだと許される気がする。笑
しかしモデルをよく知ってるとどうしても知らず知らず現実と比べてしまって良くないな。もう少しフィクションに浸りたいなって勝手な感想です。
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この読者は間違いなく美味しい卵かけご飯が食べたくなる
「ツイてる」が口癖の憎めない性格のムーさんの前向きな行動が 馬鹿にされながらも夢を現実にしていく
人と人の関わりの大切さも実感できる
柳生のジジイがいい。
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いつも通り、森沢明夫さんの本温まったーー
いろんな登場人物の目線で書かれていて全然飽きない。みんな人が良くてずっと心がポカポカしてた。
明日は卵かけご飯にしよう。
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森沢作品の優しい余韻に浸りました。
優しくて木訥なムーさんののほほ~んとした話し方や方言にホッとしました。
存在で人を安心させられる人って1つの才能だと思う。
過疎化の問題を取り上げながら、ワクワクするような展開になっています。
養鶏農家のムーさんが営業する卵かけご飯専門店。森の緑に囲まれ、川のせせらぎを聞きながら食べる至福の卵かけご飯。
いいなぁ。都会にはない贅沢。
集落唯一の居酒屋でトミ子婆の作る料理も美味しそうだったな~。
とびきりの素材で大自然の中で味わうご飯、みんなが集う馴染みのお店で食べる絶品お惣菜。
幼馴染みの直ちゃん、ムーさん、大吉の三人。
ケンカしながらも何だかんだお互い大事に思い合っている。
大人になっても変わらない関係って本当に羨ましい。
幸せのエッセンスが隅々まで届いていて、心お腹も満たされる1冊でした♪
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限界集落の村起こしのために世界初の絶品卵かけご飯専門店を開く男の話。
登場人物がみんな優しくて良い人たちで読んでいて気持ちが良い。こんなにトントン拍子に上手くいくかしら?と思いきや、兵庫県に実在する「但熊」というお店がモデルになっているみたい!行ってみたいな
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自然豊かな村の描写と、超ど田舎に住む人々の優しさで、とても温かい気持ちになりました。ムーさんみたいな人は身近にいると苛々しちゃうんだろうけど、憎めないんだろうなあと思う。
「ヒカルの卵」の卵かけご飯が本当に美味しそうで、こんな店があったらなあと思ったらなんと、兵庫県の「但熊」がモデルらしい。また旅の目的地が増えました。
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私、この本好き。
涙が出たりはしなかったけど…何度も読み返したくなる本。
数個出てくる名言?的な表現も私の好みだった。
人は傷つかないってやつとかムーさんのように前向きに生きられる気がする。
ストレートな表現、物語の展開がさくさく読めてしまう一冊だった。
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優しく、ストレートな表現の文章に、優しく善良な登場人物が印象的でした。
些かトントン拍子で進んで行くとは思いつつも、優しい気持ちになれる作品でした。
卵かけご飯が食べたくなります。
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森沢明夫さんの本を読むと、田舎暮らしに憧れる。
ところどころで名言と思う言葉も出てきて素敵な本だった。
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ついてると信じて行動するといい結果に結びつくのかな?言霊?100%そうならないとしても悪いことは口にしてはいけないね。周りの人達も温かい。久しぶりに(普通の卵しかないけど)卵かけご飯食べたいな。