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憲法で読むアメリカ現代史 みんなのレビュー

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みんなのレビュー5件

みんなの評価4.3

評価内訳

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5 件中 1 件~ 5 件を表示

次作は「憲法で読むアメリカ映画史」お願いします

2018/03/27 14:05

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る

米国憲法政治を俯瞰する阿川尚之氏の著作が現在にまで到達した。前著「憲法で読むアメリカ史」の後を継いで、レーガンからオバマまでの時代を、大統領・議会、議会の上院と下院、連邦と州という各権力が、権力闘争として訴訟に訴えるという手法を選択し、憲法を通して問題解決を図り、そこで最高裁の司法審査が大きな役割を果たしていることが記述される。一つの例は、2000年大統領選挙で、結果を見れば最高裁がブッシュ大統領を選出したBush v. Goreである。つまり暴力ではなく、法の支配による問題解決が米国政治の発展とダイナミズムを形成してきたのである。
前作Reviewで最高裁の「国民統合」機能について述べたが、この時期はむしろ逆に「国民の分断」が目立つ。最高裁判事の政治的任命により、保守派・進歩派・中間派に分断され、国論を二分するような問題では、拮抗した評決結果になる現状が描かれる。そのきっかけは、妊娠中絶を憲法上の権利として認めたRoe v. Wade (1973)事件。この判例を巡るプロライフ派とプロチョイス派の争いを中心軸に、これに政教分離・銃規制等が絡む構図。事件毎に判決理由がモザイクのように変化し統一的な見解が分かりにくくなっている、という評価もある。トランプ時代になって最高裁は「国民統合」に向けてどのように舵取りするだろうか。
阿川氏は「憲法改正とは何か-アメリカ改憲史から考える」(新潮選書2016)を上梓されているので、「米国憲法政治史三部作」が完結したといってもいいだろう。ただ、読みやすく、また、手際よく米国憲法政治をまとめたシリーズが終わってしまうのは残念である。そこで米国研究の泰斗である阿川氏にお願いしたい次なる「憲法で読む」シリーズがある。それは「映画」である。
「訴訟社会」米国なので、いわゆる「法廷」映画は多い。その中で、最高裁がフィクション・ノンフィクションを含め登場するものもある。例えば、ジョン・グリシャムの同名原作小説をもとにしたリーガル・サスペンス『ペリカン文書』。最近では2015年の『ブリッジ・オブ・スパイ』(Bridge of Spies)と『黄金のアデーレ 名画の帰還』(Woman in Gold)がある。前者では、ソ連のスパイの弁護を引き受けた主人公が、憲法の令状主義は人種に関係なく平等に適用されるとしたYick Wo v. Hopkins (1886)により違法収集証拠排除を主張して最高裁まで争ったAbel v. United States (1960)が、後者ではナチに略奪されたクリムトが描いた親族の肖像画「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 」の返還を墺政府に返還を求めたRepublic of Austria v. Altmann (2004)で外国主権免責法の遡及適用を審議する最高裁判所での口頭弁論が映像化される。ハスラー出版者・編集者のラリー・フリントの台頭と法廷闘争を描いた1996年『ラリー・フリント』(The People vs. Larry Flynt)でもHustler Magazine, Inc. v. Falwell (1988)でエドワード・ノートン演ずる弁護士として颯爽と登場する口頭弁論のシーンが登場する。
近未来のSF映画でもまだ最高裁は健在である。『アイ・アム・レジェンド』(2007I Am Legend)ではガン治療薬の投与を最高裁が認めた、というニュースが冒頭少し流れる。『サロゲート』(2009Surrogates)では、脳波で遠隔操作できるロボット「サロゲート」が普及した近未来社会で、サロゲートを使った契約は有効と最高裁が認めた、というニュースが流れる。
このように映画の世界でも最高裁が自然と登場するところは、国民の間でそれだけその地位と権威が定着しているということであろう。阿川先生、映画+憲法/最高裁の視点で米国市民社会の姿を書いた新刊をお願いします。

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レーガン期からトランプ政権発足後ゴーサッチ判事の指名承認までのアメリカ史を、最高裁と大統領との攻防を通じてわかりやすく生き生きと描き出す

2020/07/21 13:35

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

トランプ大統領のもと、ゴーサッチ氏が最高裁判事に任命された。スカリア判事の急死を受け、オバマ政権下でまとまらなかった新判事の任命を、新しく就任したトランプ大統領が実現させたもの。ゴーサッチ氏自身は良識的で骨のあるエリートだが、それでも民主党は抵抗して指名承認のプロセスは政治化。時に大統領に対峙し、議会や地方政府の決断をひっくり返す力を持つ最高裁の矜持は、アメリカにおける三権分立の確かさを守る重要な一角。大統領の指名と議会承認のプロセスが高度に政治化してしまうのは、政治から独立している最高裁の持つ力の大きさゆえ。著者は、レーガン期からトランプ政権発足後ゴーサッチ判事の指名承認までのアメリカ史を、最高裁と大統領との攻防を通じてわかりやすく生き生きと描き出す。最高裁で争われてきた憲法解釈をめぐる立場の違いは、そのままアメリカ政治における保守とリベラルの価値観の分断と重なる。その中心的なテーマの一つが、中絶を容認するか、もしそうならばどこまで容認するか。これは「プロ・ライフ」=命を守る立場に立つか、「プロ・チョイス」=女性の選択の権利を守るか、の違いだ。アメリカでは社会が左右に分かれて争い、共に真摯な主張をぶつけ合ってきた。アメリカを理解する上では、このような社会の特性に即してみていく必要がある。それは、強い大統領を擁きつつも、憲法観や社会観が不断にせめぎあうアメリカ社会の姿そのものである。

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2022/08/31 22:30

投稿元:ブクログ

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2022/10/09 17:12

投稿元:ブクログ

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2024/06/22 14:22

投稿元:ブクログ

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