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投稿者:ジル - この投稿者のレビュー一覧を見る
「日経夕刊のプロムナードや「文藝春秋」など雑誌に掲載されたエッセイを単行本化したもの。「週間現代」3/3号で本書が取り上げられたのも、『銀河鉄道の父』で第158回(2018年1月)直木賞受賞というタイミングと思われる。
作家を目指したサラリーマン時代の丸谷才一との交流など、興味を覚えるものも何編かはある。また、宮沢賢治を全集発行回数で夏目漱石との比較の土俵に上げるなどは『銀河鉄道の父』作者の面目躍如か。
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【「平成後の日本」を考える五十一篇の歴史エッセイ】現代になぜ明治時代のことを書くのか? 司馬遼太郎は「艦これ」ブームを予言した? 博覧強記の作家が考えた新・この国のかたち。
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私とさほど年齢が変わらないのですが
学生時代に露伴全集を24万で買ったとかすごいですね。
こういう 厚い読み方をする方は
もう珍しいと思ってしまいます
私の読書って軽薄だなぁと思いました
確かに 知れば知るほど面白い
歴史ってそういうものですね
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早い話が、私たちは政権交代とは言うけれど、政府交代とは言わない。お上が入れ変わるとも言わない。政府やお上は常にそこにあるもの、他への転嫁ができないものとして私たちの意識または無意識にあるのだ 江戸時代の人々は、案外、ローマ市民の正当な子孫なのかもしれないのだ 言語とはこの国の入れ物、この国の器に他ならないのだ
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博覧強記と紹介されているので期待したのだけど、掘り下げが浅いものや、強引な論理展開もあったりする。
ほぼ自作の紹介で、江戸、幕末、明治に偏り過ぎているので、このタイトルふさわしくない。
いい年したおじさんがアニメの女の子を可愛いと書くのはいかがなものか。
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「慶喜」と名付けられたことで江戸史幕末史への関心が起きた/学生時代、古本屋で幸田露伴全集44巻24万円を購入し2ヵ月間食パン2枚づつで3食で読み耽った。文語文に通暁。現在では3万円程度/「書評試作」二十数篇を丸谷才一に送付。思いがけず返信あり「よく書けているが深みが必要」/サラリーマン作家の頃の習性で、四時半起床して執筆…午前中に昼寝が至福の快楽/『坂の上の雲』は〈艦コレ〉の源流という。明治時代の男たちは軍艦をどれほど誇らしく眺めただろう。日清戦争当時、清国の海軍力は日本を上回っていたが奇勝、それから十年
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1971年群馬県生まれ、門井慶喜「にっぽんの履歴書」、2018.1発行。艦これ(艦隊これくしょん)と司馬遼太郎、お人よしの台湾統治、漱石書簡の文体秘密の3部構成からなるエッセイ集です。門井慶喜は本名のようで、幼いころから良きにつけ悪しきにつけ徳川慶喜を意識されたようですw。慶喜を名君と見るか臆病者と見るかは別にして、32歳から隠遁生活、45年の暇つぶし、狩猟、謡、油絵、囲碁、将棋、写真、自動車・・・、風流人であったことは間違いないですね。
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著者、門井慶喜さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。
---引用開始
門井 慶喜(かどい よしのぶ、1971年11月2日 -)は、日本の小説家、推理作家。
群馬県桐生市生まれ。同志社大学文学部文化学科文化史学専攻(現・文学部文化史学科)卒業。
---引用終了
で、本作の内容は、次のとおり。
---引用開始
第158回直木賞(平成29年下半期) 受賞第一作
――戦前の日本は、お人よしだな。
そう思うことがある。植民地のために人をやり、金をついやし、わざわざ政治的、軍事的困難に足をつっこむ。
そうして台湾のみならず東北アジア地域そのもののなかで出る杭になった末に、あの領土の奪い合いでもない、人民革命ののろしでもない、何だか理由はよくわからないがとにかく日本の膨張が一因らしい対米戦争へずるずる入って行ってしまった。
(「お人よしの台湾統治」より)
新直木賞作家が平成の終わりに考えた「この国のかたち」。
・元号は平ったく言えば天変地異の占いの道具だった
・植民地経営に乗り出した戦前の日本はお人よしだった?
・宮沢賢治と夏目漱石の文体の「秘密」
・「艦これ」の隆盛を司馬遼太郎が予言していた!?
・新聞はほろびたという議論は明治時代からあった
・刀は物体、剣は精神である
・女工哀史は本当に「哀」なのか
・人口減少で「邪悪な正義」も減る ほか、 全50篇。
フェイクでもヘイトでもない。この国の豊かな歴史にふれる渾身の歴史エッセイ集。
---引用終了