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痴呆症が進んでいく過程や、介護の大変さ(きっともっとずっと現実はたいへんだろうけど)を感じさせられつつも、ユーモアもあり読みやすい。
登場人物たちに日常生活のいろいろなことがある中で、父の痴呆症も進んでいく。自分の日常をどのぐらい犠牲にして介護に向き合うべきか、どのぐらいを金銭で解決するのが正当なのか、自分にも迫っているとはわかりつつ、いま致命的な問題がないからと後回しにしている「親の介護」について考えさせられた。
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認知症の夫とその妻、娘たちと孫の話し。
もっと認知症の描写がリアルなら私はきっと読めなかったと思う。
それでも伝わるしんどい状況になんとも言えない温かい勘違いのような受け答え。
曜子がいっぱいいっぱいになって、叫ぶとか泣くじゃなく「ギュー」って、すごくわかる。
読んで良かった。
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読了⭐︎3
「長いお別れ」中島京子著
仕事からあるある多いので介護の部分は置いておいて
家族の描写は中々いい感じですが、もう少し掘り下げてもいいのかなぁと…
家族みんなの関わりを浅く描写するから、テーマが重くても軽くいい感じになるように思いました。
お父さんの気持ちを書かないのがいいので、周りの考え、捉え方が違うのがそういうもんだなぁと思う。
家族を介護を通すと深くなる
#ブクログ
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ほのぼのとしていながらも切ない物語。
人はどう生きるかは自分で決められても、どう死を迎えるかは自分では選ぶことはできない。
自分の父や母が、夫が、自分自身がどう死を迎えるのか。
長いお別れを迎えることになったとき、私も「ええ、忘れてしまいましたとも、それが何か?」と言い切ることが出来るだろうか。
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認知症がゆっくり進行していく主人公とその家族。経験に裏打ちされていると思われる介護の描写がリアルで重い内容なのに、どこかユーモラスで、ラストを校長と孫の会話に持ってくるなど構成も洗練されているなあと感じた。
著者が自らを投影していると思われる三女が父と語るシーンが印象的。
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認知症になった夫と、老々介護の妻。
それぞれに事情を抱える3人の娘たち
重いテーマながら、明るく暖かなタッチで描かれる日常
認知症は誰しも「無関係」とは言い切れない。
考えさせられる1冊です
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実にリアルに介護の現場が表現されています。
家族が最後に突きつけらる問題、人工呼吸器をつけるか、胃ろうをするか、延命措置をどこまでつけるか、親を看取った時の事を思い出した。
親が病気になって最後を看取る時の参考になる本です。
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母親と三姉妹の娘達の2サイドの考えが最後まで交差していく感じが良かった。また、認知症が徐々に悪化しているということが自然な流れになっていて、読後に最初と比べてあまりの変化に、おお!ってなった。
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この書籍のタイトルが指すところ、すなわち、なぜ長いお別れ、というタイトルなのかがわかって少しいい気持ちになった。
が、全体としてはまあ、おそらく、介護をしている人には少し刺さるかなといったところ。
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小説だから、出来事はリアルでも描写は柔らかく、時にユーモラス。それが読みやすく、登場人物と自分のことを考える余裕も誘う。
今の時点で登場人物の誰に思い入れるかと言えば、やはり3人の娘たち。それぞれに自分の家庭や生活を回していく責任がある、でも父親への愛情もあって、母の代わりにはなれずとも、助けになりたいと行動する・・・はたして私もそうできるだろうか。親の介護をする自分がなかなか想像できなくて、つめたい娘かもと自分で思ってしまう。
冒頭の遊園地のシーンは他につながらず唐突のようでいて、その後の全体のトーンを決定づけているように感じる。夜のメリーゴーランドが帯びる、静かなきらめきや哀愁。周りに人がいない遠さ。それらは、語られない昇平の気持ちかもしれないな、と思う。
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なんか自分の未来を見せられたようで、せつなかった。でも、1章と最終章に救われて、中島京子さん好きになりました。
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認知症の父親とその妻、娘、孫の10年。
他人事じゃないなと思う。
自分の両親も60に近付き歳を取ったなと感じることも多くて、先を考えてしまうこともある。
もし、病気や認知症で介護が必要になったときどちらかに老老介護はさせたくないし、きょうだいは他県で家族をもっているから1番近いのは私だなとか、でもそのときはきょうだいで協力していかなくてはならないな、そのためには疎遠にはなりたくない、、とか色々。
この物語の家族はみんなが父親を思い、大変ながらも寄り添っている、本人を尊重していて、時にはほっこりな場面もあったり物語としても楽しめた。
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亡くなった母と重ねて、読んでいました。
うちの母の場合は脳梗塞からの認知症で
段々壊れていくのを見ているのは辛かったですが、手を力強く握り返してきたり
目で合図したり
言葉にならない言葉に頷いていると、肩をすくめて笑ったり
全てわからない訳では無いのかもって時々思っていました。
だから、娘が愚痴を言う電話に答えている所は涙が出ました。
言葉は通じなくても心が繋がっているって事なんだなぁと
介護は大変です。
一人でなんてとても無理です。
福祉施設を利用して周りの人と助け合いながら乗り越えなくては、身体が持ちません。
物語の中のお母さんが、お父さんが亡くなった後の人生が心穏やかに楽しく過ごせますように。
お疲れ様でした。
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認知症を患う父親の介護に関わる家族の葛藤をコミカルに描かれている。認知症になるという可能性が高まっていてみんな他人事ではなくなっている昨今、笑いながらも我が身に置き換えて読わんでしまった。家族構成や経済的環境、色々なことを考えると全く同じ立場の人はいない。QOLも十人十色。近い将来に両親の介護も覚悟しないといけないかもと色々考えながら読了。
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認知症状の初期段階から重度に至る過程が現実的によく描かれていると感じました。アルツハイマーからレビー症状を疑ったりリアルです。生きる術を忘れていく不安からの介護抵抗の様子など身につまされる思いがしました。認知症のひとりの老人の孤独と介護する側の家族の諸事情と現実が絡み合う状況が他人事とは思えなく身近な問題と捉えました。
認知症が始まった主人公がわけのわからない言葉を孫との会話で発する場面では孫がおじいちゃんの直近の状況、状態をその場の様子から理解しようとするがそれは介護の基本でありよい場面でした。なにげなく作者は認知症の方の接し方を優しく示しているようてした。
また、妻である曜子が何もかも忘れてしまう夫に対して夫は夫で何者でもない
ええ、夫は私のことを忘れてしまいましたとも。で、それが何か?
という心の叫びを発するところりっぱでした。
主人公と取り巻く家族の身になって(なれないけど)考えることをすこしでも出来ればなあと思います。