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みもり先生、ありがとうございます
初っ端から、こんな書き方しますと、「え、この(10)が完結なの!?」と誤解されてしまうかも知れませんが、安心してください、『地獄堂霊界通信』はまだまだ続きます
ただ、みもり先生には、自分の体調を優先して連載してほしいです
本音を言っていいなら、なるべく休載はしないでほしいが、体調を完全に壊されて中途半端な終わり方をされてしまうくらいなら、がっつりと休んで、ちゃんと万全に戻してもらった方が、いくらかマシです
ほんと、嬉しいんですよ、みもり先生の復活
これまた、本音を言いますが、富樫義弘先生や青山剛昌先生の復活の時よりも、本当に連載再開のニュースを知った時は、テンションが上がりました
good!アフタヌーンをリアルタイムで読んでいなかったので、他のファンよりもそれをキャッチするのが遅れ、ちょっとばかし悔しい思いはしましたが、この(10)を読んだら、そんなつまんない引け目なんか、消え去ってしまいました
人それぞれだと思いますが、私はこの(10)が最も好きな巻です
次シリーズは、『地獄堂霊界通信』で最も大きい山場である、1stシーズンの締め、「最後の戦い」編であるのは分かっていますが、恐らく、(11)以降を読んで感動しても、この(10)を上回る事は無い気がします
あー、でも、みもり先生の実力を考えると、超えてくる可能性は大ですね
それは、さておき、竜也兄ファンにとっちゃ、この(10)が特別な巻になるのは、まず、間違いありません
この(10)は最初から最後まで、竜也兄のターンと言っても過言じゃないでしょう
もちろん、主役であるてつし、リョーチン、椎名も大活躍していますが、やはり、竜也兄の貫禄の前では、半歩ばかり引いてしまいます。ただ、この年齢で、竜也兄のカッコ良さを引き立てる役目を全うできるってだけでも、彼らの存在感に感心しつつ、末恐ろしさも感じます
竜也兄のカッコ良さは、ただ、カッコ良い、としか言えない所でしょう
強さと優しさ、甘さと厳しさ、熱さと冷たさ、それらを全て持ち合わせた上で、とことん、男前ってのはキャラが立ち過ぎてるな、と感じるんですが、竜也兄を見ていると、それだけじゃない凄味がある、と唸らされます
これほどにカッコ良いキャラを生み出した香月先生も凄いんですが、その魅力を損なうどころか、小説版にはない艶気を竜也兄に纏わせる事に成功したみもり先生は、ほんと、尊敬に値します
この(10)は、そんな竜也兄が、自分の力に苦しんでいる友達の為に戦う、「ひとりぼっちの超能力者」が完全収録されています
正直なところ、一から十まで語り尽くしたいんですが、そうすると、未読の方の楽しみを丸々どころか根元まで奪ってしまうので、我慢します
いや、でも、控えめに言っても最高なんですよ、この(10)の竜也兄
これまでもカッコ良かったんですけど、惚れ直しちゃいました
仮に、てつし達が「あちら側」に足を踏み込んでいなかったとしても、竜也兄は隆海の悩みを聞いたら、その方面に詳しそうなオヤジに話を聞きに行って、彼を救うべく、奮闘した気がしま��
でも、やっぱり、てつしらが術師になっているって前提があるからこそ、このストーリーはグッと来るんですよね
「え、そこか?」と、他の読み手からは訝しまれるかも知れませんけど、私がこの(10)でグッと来たシーンの一つは、196pの4コマ目で、神乃公一郎さんが、隆海が入院させられないと安堵して、嬉しそうな竜也兄の顔を見た時の反応です
息子の隆海も、力に溺れる事無く、弱く、困っている誰かの為に体を張れる、自慢の弟とその友人が無茶をしすぎて、危ない目に遭わないだろうか、信用と不安の間に揺れ動く竜也兄を見て、大人っぽい部分の中に潜む、等身大の14歳の顔を見て、彼もまだ大人ではないのだ、と感じています
この親子に似たような感想を抱かせられるのは、竜也兄だからでしょう
親子の絆、友達の縁を壊させないため、自分に出来る事を全力でやりきり、なおかつ、皆の力を全て借りられる竜也兄は、正に番長の鑑です
トップに立つべき人ってのは、彼のような者か、と思いましたが、竜也兄の場合、自分はそんな器じゃない、と辞退しそうですね。そんな謙虚な所に惚れた仲間たちが、彼が何もしなくていいように、ケチのない組織のシステムを構築するのかもしれません
改めて、竜也兄の将来が楽しみです。実際、彼なら、どんな職業に就いても、十分な結果を出し、大きな成功を掴みそうなイメージです
もしかすると、友人と一緒に「万事屋」を始めていたかもしれませんね
自分たち、「普通」の人間の力でどうにかならない依頼が入ったら、弟らにアドバイスを求め、最良の解決の為に動いて貰うのでしょう。もちろん、協力は惜しまないのでしょう
こんだけ、仁義礼智忠信考悌が整っている人間が、近くにいるのですから、てつし、リョーチン、椎名も男前なのも納得です
やっぱり、男の子を良い方向に成長させるのは、憧れの兄貴分なのでしょう
もちろん、竜也兄は異性にもモテるに違いありません
ただ、付き合うなら結婚するって硬派な信念を持っていそうなので、彼が言葉に出さずとも、その真剣さが伝わるのか、女子は竜也兄を遠巻きに見てるだけで満足しちゃうかも知れません
言っても栓無き事と言うのは、百も承知なんですが、竜也兄の恋物語を読んでみたかったです
由宇とのエピソードは、確かに甘酸っぱかったですけど、恋愛かっつーと、違う気がするんですよね
竜也兄は、由宇に対し、同年代の少年としてではなく、一人の人間として向き合い、解かろうと努力し、彼女が抱えていた宿命を受け止め、そして、彼女との別れを受け入れた上で、自分たちの無力さを嘆くてつし達を慰めた上で、隆海が気付いていた、兄の顔を見せていましたから
随分と長々、己の妄想と情熱を語ってしまいました。しかし、言い訳ではありませんが、消した一回目の感想は、もっと、凄かったのです。竜也兄の素敵さにどれだけ魅了されたか、を粘っこく語るだけに留まらず、椎名との絡みが増えたらいいのに、と愚痴っていました
さすがに、それはみもり先生の目に触れられたら憤死しそうでしたので、潔く全て消し、このように書きなおしました
もっとも、興奮はまるで冷めず、これほどのボリュームになってしまいました
『鬼灯の冷徹』(26)や『サクラコード』(4)に加え、『金剛寺さんは面倒臭い』と言った最高の漫画を読んで、しばらくは出逢えまい、と思っていただけに、自分の衝動を止められませんでした
ここまで気長に読んでくださった方がいたら、本当にありがたいです
もしも、この拙い以前に暑苦しすぎる感想を読んで、『地獄堂霊界通信』に興味を持ち、小説と漫画を読んでくだされば、嬉しい限りです
この台詞を引用に選んだのは、竜也兄の番長としての格が最も滲み出ている、と感じたからに他なりません。彼ほどの侠に召集されたら、何の躊躇いもなく、どんな仕事も放りだして、駆け付けて、尽力したくなりますね。竜也兄は、兵に「死ね」なんて命令をしない王でしょうけど、全員、死ぬ気で役に立とうと頑張ってしまいそうですよね。そんな彼の力になりたい、と思う一方で、助けられたい、と思ってしまったファンも多い気がします
あと、今さらですけど、もし、隆海が、リョーチンと椎名に、どんな海を視たのか、そこも気になりますよね
リョーチンはてつしと同じく、生き物が多く泳いでいる感じがします。どちらかっつーと、イルカやクジラが多いかもしれませんね
椎名の方は、竜也兄の海と似たような感じでしょうけど、更に冷たいのでしょうか。けど、奥底の方には、海底溶岩のようなものがありそうです
私の海は、あまり想像したくないですね・・・厨二病ぶるつもりはないんですど、鮫が大量に泳いでる気がします